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2011年5月 8日 (日)

傍迷惑な一家 〜「キッズ・オールライト」ほか

ブログ更新しなきゃと思いながら更新しないでいると、結局はパソコンの前にじりじりと座っている時間ばかりが増えて、ずぼらなダメ人間の生活にはまっていく。


「ファンタスティック Mr.FOX」(2009年 アメリカ/イギリス)

Fantasticmrfox ウェス・アンダーソン監督の作品は、美術的なセンスはもちろん、題材は毒を含んでひねりがきいているようで、実はとてもピュアなもの——大人が忘れてしまっている天真爛漫さとかナイーブさとか——に接したような気持ちになるのがたまらなく好き。このロアルド・ダール原作のコマ撮りアニメファンタジーもその監督らしさがしっかり出ていて良かった。原作は読んでいないが、アンダーソンの多くの作品と同様、父親と息子の関係が強調されてる部分はあるのかな。

映画「ライフ・アクアティック」で子供がビニール袋に入った虹色のタツノオトシゴに見入る場面と、このアニメの中で、唯一人間とは距離を置いて生きるオオカミが登場する場面とが、印象として繋がっている。

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「トゥルー・グリット」(2010年 アメリカ)

Truegrit ジョン・ウェイン主演の西部劇「勇気ある追跡」の原作となった小説を、コーエン兄弟が再映画化。コーエン兄弟独特のユーモアが、少女が主役の物語では相性が悪いというか、上滑りしている気がしたが、酔いどれ保安官を演じたジェフ・ブリッジスのための映画だったんだと後で気づいた。途中、退屈な場面もあったけれど、保安官が少女を抱えて走る場面にぜんぶ持って行かれた。

あともう一つ、後日談に登場する、タフな少女が大人になった姿が気に入った。これが普通のマッチョ映画だったら、ああいう雰囲気をもった女優は絶対使わないだろうと思い、とても可笑しかった。
ジョシュ・ブローリンやバリー・ペッパーも出番は少ないけれど、役に馴染んでいて良かった。一方で、マット・デイモンのコミカルな演技が、私にはどうにもわざとらしく見えて苦手。

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「キッズ・オールライト」(2010年 アメリカ)

Kidsareallright 女性の同性愛カップル(アネット・ベニング、ジュリアン・ムーア)と、人工授精によって授かった2人の子供たちとの家族ドラマ。ほろっとくるヒューマンコメディに落ち着くと思ったら甘かった。途中までは気軽な気持ちで見ていたが、精子提供した男性(マーク・ラファロ)を勝手に巻き込んでおきながら一方的に断罪し、その後に何のフォローもなく終わってしまったもんだから、相当に手厳しいなと思った。

同性愛カップルにも父性と母性があるようで、ベニングが父性のほうなのだが、演技も男勝りでかなり真面目に演じている。ほかの家族がラファロと親しくなっていくにつれて、自分の存在が薄れていくような焦りや嫉妬を感じたのだろうか。だんだんにそれが威圧感となって伝わってきて怖い! だからラファロに対する一家の拒絶は、それぞれが思いやっての行動というより、ベニングに怯えての行動に見えてしまったほどだ。
しかし、一方で、世間的には不自然とされる同性カップルの家族だから、家庭を築くことへの努力も半端じゃなかっただろうし、侵入者をあそこまできっぱり拒絶する気負いを持つのはむしろ当然かもしれない。家族の不倫相手とその後、何事もなかったように付き合っていくというのも変だし。
でも、この映画、やっぱりもやもやが残る。監督のリサ・チョロデンコも同性愛者だろうって分かってしまうのが、いいのか悪いのか、この映画の場合は分からない。

出演者の中ではミア・ワシコウスカが、いかにも素直で賢そうな娘という感じで良かった。使われてる音楽にもときどきはっとさせられた。


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コメント

ひめさーん(◎´∀`)ノ

少しお久しぶりっす。

わたしは「トゥルーグリット」好きな作品というか
ちょい長いかな~・・と思いつつ、最後まで楽しく観られました♪
(わたしもマットデイモン自体が好きになれない。。)

↑やっと、千葉で「シリアスマン」やるんですよ~ヽ(´▽`)/
体調によりますが、来週観られたらな・・と。

「キッズ・オールライト」
気になってました!
ふむふむ、そうなんですね。

GWはどうでしたか?
わたしは、買い物したりサロンで髪をいじったり
なんとなくのダラダラでした。。

マキより(はあと)

マキさん、こんばんは。
コメントありがとう。
最近ブログをきっちり更新してますよね!
わたしはなんだかとても無気力で、コメントも残さず帰ってしまいすみません。

マットデイモンはかっこいい役も笑われる役もどっちも×
だからほとんどの映画で×
熱心な映画ファンでもないから好き勝手に言わせてもらうわ笑

GWは最初の3連休はずっと仕事で、先週の3連休は休めて、衣替えとか、引き出しなんかのいらないものの整理をしてました。
もう一生買う必要がないくらい、口紅が何本も出てきて呆れました。

キッズ・オールライト、ネタバレしちゃった。ゴメンね。
「シリアスマン」もいいけど、マキさんには機会があったら「ファンタスティック Mr.Fox」をぜひ観ていただきたいわ〜。
われらウェス・アンダーソン同盟でしたよね?

ひめさーん(*゚▽゚)ノ
って、即レスすいません。

そーです、われらがウェスアンダーソン作品を忘れていました!

うーん、劇場で観るのは(物理的に)難しいかな・・(号泣)
また、DVD買うしかないかも~・・(さびし)

絶対観たいっすよ~♪
(結局「天才マックス」も買っちゃいましたもん。。)


>マットデイモンはかっこいい役も笑われる役もどっちも×

同じくですヽ(´▽`)/


>最近ブログをきっちり更新してますよね!

最近、不眠症が悪化して
読書だけじゃ追いつかなくて、ついPCを。。
で、無駄に買いたいものみつけたり。。
(内容なんて無い記事で申し訳ない・・謝罪)

わたし、過去眠剤系バカ飲みっつーか、毎日オーバードーズしてらりってたりの日々がありまして
この手の薬が(耐性があるため)非常に効づらくてですね。
鈍い体って、マジでクソですねヽ(´▽`)/

↑こんなブログでも読んでくださっていたなんて
コメントがなくともうれしいっす♪

マキさん

勝手に同盟に作りました。すみません。
レンタルもあるし、そのうちテレビでも(地上波ないだろうけど)
やるかもしれないし、やがて縁は巡ってくると思います。

マキさんのようなブログは私には絶対書けないので、
内容がないなんて思ってないですってば。
楽しみにしてますよ。
マキさんのブログを見ると、
自分の場合は何一つ素直に書けないタイプだなと思い嫌気がさします。
持って生まれた性格だから仕方ないですが。

睡眠薬がきかなくなってあるんだ?
私もとても寝付きが悪くて寝ないで仕事にいくことがいつも。
無理して寝なくてもなんとかなるくらいの気持ちがいいみたいですね。

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「キッズ・オールライト」★★★☆ アネット・ベニング 、ジュリアン・ムーア、 マーク・ラファロ、ミア・ワシコウスカ、 ジョシュ・ハッチャーソン、ヤヤ・ダコスタ出演 リサ・チョロデンコ監督、 107分、2011年4月29公開 2010,アメリカ,ショウゲート (原作:原題:THE KIDS ARE ALL RIGHT)                     →  ★映画のブログ★                      どんなブログが人気なのか知りたい← 主演のアネット・ベニン... [続きを読む]

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