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2011年1月16日 (日)

地域スポーツクラブ・ミステリー 〜『湖は餓えて煙る』〜

2010年アンソニー賞最優秀ペイパーバック賞、バリー賞最優秀ペイパーバック賞受賞作。

『湖は餓えて煙る』ブライアン・グルーリー著/青木千鶴訳
(ハヤカワ・ミステリ 2010年邦訳)

ある冬の夜、湖に打ちあげられたスノーモビル。それは10年前別の湖で事故死した伝説的アイスホッケー・コーチが乗っていたはずのものだった。彼を失い衰退した町にかつての英雄の死への疑念が膨らむ。取材にあたるコーチの元教え子、地方紙記者のガスは、誰にも望まれぬまま町の歴史と最愛のチームの暗部に切り込んでいくことになるが…。(裏表紙より)


Starvationlake ミシガン州北部の田舎町を舞台に、少年アイスホッケーチーム躍進の裏で起きていたおぞましい出来事を、当時チームのゴールキーパーとしてその渦中に身を置いていた地方紙記者が暴いていく・・・著者はウォールストリートジャーナルの現役記者ということで、サブストーリーにはそのジャーナリストとしての経験も反映され、妙なリアリティがあって面白かった。

カナダと並んでアイスホッケーが盛んなアメリカ北部。少年チームの活躍が田舎町の景気にも大きな影響を及ぼすほどになると、どこかしらゆがみが生じてくる。本書ではコーチが町にとって絶対的な存在になりすぎたゆえに見過ごされた不幸、と思いきや、もう一つ裏があった。本筋と並行して描かれる、過去にガスが書いた記事に対する訴訟が最後うやむやになってしまったのが少し残念だが、これもアメリカらしい題材であった。


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『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』米原万里
(角川文庫 2001年)

Usotsukiaanya 1960年からの4年間、プラハのソビエト学校(世界各国の共産党員の子女が通っていた学校)に在籍した著者が、30年を経て、当時の親友3人の所在を探し出し、訪ねていく。そこで少女時代には知り得なかったことに気づかされるというノンフィクション。
評判どおりの面白さだった。プラハの春に始まる東欧の激動の歴史を経ても、日本人のマリと、ギリシャ人、ルーマニア人、ボスニア・ムスリムの旧友たちとの友情には何の変わりもなかったことが、むしろドラマチック。
友人ヤスミンカの父親が語ったボグダーノビッチ先生の話が泣ける。


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