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2010年12月26日 (日)

群像劇って難しいね 〜「黴菌」〜

先週、ケラリーノ・サンドロヴィッチ作・演出のお芝居「黴菌」をBunkamuraシアターコクーンで見てきた。出演者は北村一輝、仲村トオル、ともさかりえ、岡田義徳、犬山イヌコ、みのすけ、小松和重、池谷のぶえ、長谷川博己、緒川たまき、山崎 一、高橋惠子、生瀬勝久と、これまで見たお芝居の中では最も華やかな面々。北村一輝の公式サイトを経由して得たチケットは、最前列のほぼ真ん中席だったので、ミーハー気分に浸りながら舞台上を眺めていたのは言うまでもない。

最初に透明な幕が降りて、そこにオープニングクレジットが映し出される演出は初めて見たので感心した。お芝居の内容は、終戦を迎える昭和20年、兵器工場と脳病院を営んできた一家の豪邸を舞台にした群像劇。以下、演劇の楽しみ方がいまだよく分からない私ゆえ、辛口な感想かも。


群像劇とはいえ、登場人物みんなに均等に出番を振り分けすぎでは?と思った。物語の核となるのはおそらく名家の没落だが、登場人物それぞれの物語は名家であることとあまり関係がないので、核になりづらい。3時間半もある劇ながら、いろんなエピソードがうまく絡んでくることもなく肩透かしに終わった印象。一応、一家の兄弟がつながりを取り戻すというクライマックスが用意されているが、だったら最初からそこにもっと焦点を当てておけばいいのにと思った。

見終わって思い返すに、「兵器工場での事故で足が不自由になり、さらに好きな女性も一家の四男に奪われた元従業員が巧妙な復讐を企てて一家を破滅させる」または「精神科医の長男に騙されて新薬の実験台となった庶民夫妻が真相を知って一家を皆殺しにする」というミスリードな要素を含ませていたように思うが、それにしては不穏さや緊張感が足りなかった。

その原因は、おそらくお手伝いさん(池谷のぶえ)の出番がやたら多かったせいだ。出演者のなかで一番目立っていた。もしかしてコメディ版「家政婦は見た」みたいな劇を目指したのかしら?と思ったくらい。 しかし、彼女の笑える演技のシーンが、ベタだけど実は一番楽しめたのだ。


北村一輝の役は、悪そうで実は…といういつもと同じ役が振られていて、ファンには意外性も何もないものだったので、なおさらに物足りなさを感じたかも。というか、最近、お金持ちの家の生まれ育ちという設定の役ばかりなのはなんでですかね。野良犬みたいな育ちの役のほうが絶対に個性が生きるし、魅力的に演じられると思いますよ。
生瀬勝久と北村一輝の兄弟役はまた何かで見てみたいなあ。

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