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2010年5月 6日 (木)

原題は「An Education」〜「17歳の肖像」「ウルフマン」〜

GW半ばに観た映画2本。GWだから混んでると思いきやどっちも空いてた。


「17歳の肖像」(2009年 イギリス)
★★★★★

Aneducation 1961年ロンドン。厳格な父親の言うなりにオックスフォード大学を目指して勉強に励んでいた16歳の少女ジェニーが、年の離れたユダヤ男性デイヴィッドと恋に落ち、芸術にジャズ、パリでのアバンチュールといった刺激的な大人の世界へと足を踏み入れるが、その先には思わぬ落とし穴が…。

女性ジャーナリストの回顧録が原作。監督はデンマーク出身のロネ・シェルフィグ。つまり昨年の米国アカデミー賞作品賞には女性監督の作品が2本ノミネートされていたってことなのね…。しかし、受賞したキャスリン・ビグロー作品のほうはぜんぜん興味が湧かず、一方、こっちは脚本がニック・ホーンビィという点が楽しみだった。


で、良かった! 見方によっては30過ぎのプレイボーイが女子高校性をたぶらかすというほとんど犯罪まがいの出来事を、ほろ苦くもさわやかな少女の成長物語として描くバランス感覚に感心した!

利発で好奇心旺盛な年頃のジェニーにとって、周りの大人たちはみな退屈で、ボーイフレンドは子供っぽい。そんなとき目の前に現れた大人の男性デイヴィッドは、華やかで刺激的な生活を送っており、かつ知的で礼儀正しい。ジェニーのシンデレラ願望を大いに刺激してくれちゃったわけで、つまり彼女はデイヴィッドに恋したのではなく、彼がもたらしてくれるものに恋をする。
おそらくその瞬間は、初めてのクラシックコンサートに連れて行ってもらったときではなかろうか。私はこのあたりから、胸がいっぱいになって、うるうるが止まらなくなってしまった。少女がいずれ傷つくと予想できるゆえに、いとおしくてたまらんという感じ。これがもう少し年齢のいったヒロインだったら「あーあ、騙されちゃって」で終わるんだけども、ジェニー役のキャリー・マリガンの初々しさが勝っている。この映画のバランスの良さは、キャスティングの良さでもある。

やがて、幻想から覚めたジェニーの救いとなったのは、本当に手本とすべき大人がすぐ近くにいたことだ(スタッブス先生、ステキ!)。そのことに本人が気づいたことだ。少女にとって、専業主婦の母親は尊敬の対象にはなっても、憧れにはならない場合が多い。だから案外に学校の女性教師というのは貴重な存在かもしれない。


ジェニー以外のキャスティングと、それぞれの人物描写も良かった。いつも夫に従順なだけのようでいて、デートで夜遅く帰宅するジェニーを寝ないで待っている母親にはしみじみさせられた。また、デイヴィッドの仕事仲間の男性の恋人が、華やかな業界人にぶらさがって生きている女性の典型的タイプだったのもツボった。
デイヴィッドについては、どういったらいいのかねえ。ジェニーのような女性がいっぱいいるのと合わせて、彼のような男性もいっぱいいるので、単純に女性の敵とは言い難く…、まあ明らかに非があるのはデイヴィッドなんですけど。演じている俳優をイケメンと思うかどうかで、デイヴィッドに対する女性の評価は違ったりしてね。私は終始ちょっとキモいと思っていたクチ(笑)。そう思わせるピーター・サースガードのキャスティングと演技もまた良いということ。



*******************************************


「ウルフマン」(2010年 アメリカ)
★★★☆

モンスター映画の古典「狼男」を、ジョー・ジョンストン監督がリメイク…。19世紀末の英国の雰囲気と、オリジナルを意識したと思われる突飛な場面展開とか映像が面白くて、ロマンチックであるはずの物語にのめり込めない割には、楽しく観れたりして。
なぜ狼男がベニチオ・デル・トロなの?という違和感はあった。変身後と変身前のギャップがあまりない、というのは関係なく、ヒロインのエミリー・ブラントとの年齢差が気になった。デル・トロじゃなくて、ジェームズ・マカヴォイあたりで観たかったかも。と思って、オリジナルの俳優さんを画像検索してたら、デル・トロに似てなくもなかった。ジェラルディン・チャップリンは「永遠のこどもたち」の霊媒師と似たような役。あのエキセントリックな風貌だから、老いてますますこのような役で重宝されていそうだ。

 

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映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

GW、、、映画観てない、、、、仕事だった(^^;
どちらも未見なので感想、読んでませ~ん。

ウルフマン見たんだ~。
紅塩ちゃんは見てみたいけど、スルーかなぁ・・・

ひめさん、こんばんは(◎´∀`)ノ♪

わあ、ひめさん五つ星「十七歳の肖像」
マキは、この記事を読むまで知らなかったのですが
ぜひ観たくなりましたぜ!
(千葉でやるんかな~・・・?)

「ウルフマン」
この前、深夜のテレビの映画紹介で
観て
「おもしろそうかな~? お、デル・トロなんだっ♪」
とか、チラッと思ったり・・。
マキは、ガイ・リッチー監督作品の彼しか(たぶん)知らないのですが
この手の男って好きなんですよねー( ̄▽ ̄)

↑なんか、外見的に
元気はつらつより、半分くたびれた感じが好みなのかも・・・
って、今気づいたけど・・・。
(あー、でもこの人ブラピの系列な顔ですよね?
マキの思い込みかしら?)
いや、マキって
好きな白人の映画俳優、みんなブラピっぽいとか
思っちゃうので。
(例・ジョシュ・ハートネット)
ブラピに似てる?って思ったときは
その人(俳優)を好きになってるときです♪

↑わーん、恥ずかしい~(*´д`*)ハァハァ
(って、顔文字とずれてますよね・・)

今月、映画館行けたらいいな~♪

マキより(はあと)

「17歳の肖像」
キャリー・マリガン…可愛いかったぁ~瑞々しい!よねっ
オープニングからわくわくしたなぁ~ビートルズ旋風の一年前だよね…

私は、ファザコン色が強いので、アルフレッド・モリーナが部屋越しに語るシーンに涙、涙でありました。
母親役のカーラ・セイモアは、英映画界の、スットボケ女優、ブレンダ・ブレッシンを若くしたよな感じで、とても好感を持ったりね。

またまた、アレマ!って展開になっちまって、私としては、ジェニーの毅然とした姿勢に、グワーンと頭を殴られていましたがね。
あまり観る気はなかったんだけれども、私が信用してしまう、中野翠さんが☆いっぱい挙げていたんで、観ました。結構ヒカさんと、中野さんの評価は合致していますねえ~「第9地区」もね…似たタイプと言われたら、ちと、迷惑?(毒ありの、エッセイストだから)かもね。

>えむさん
相変わらずなかなか連休は取れないみたいですね。
いや、しかし、そのうっぷんを晴らすかのように最近よく更新してますなあミクシ。

ウルフマンは、エミリー・ブラント目当てで観ましたが、
デルトロは館ひろしに見えてしまいました( ̄Д ̄;;

>マキさん
こんばんは〜。
17歳の肖像は、中高生のときに頭でっかちのませた少女だった人には受けるんじゃないかなと思います。マキさんはどうでしたか?
そうでなくても、描写がとても丁寧で、よくできた映画でした。おすすめしちゃいます!

デルトロはくたびれた感じが魅力ですよね。セクシーというファンが多いです。
そして、確かに!崩れたブラピ顔と言えなくもない。
って、マキさん、ブラピ顔が好きなんでしたっけ?ちょっと意外!
今上映している映画では、「息もできない」「オーケストラ!」「コロンブス 永遠の海」なんかもいいみたいですよ。どれも単館上映なので、私もなかなか行けないのですが。

>アモさん
そうそう、まずオープニングで「おっ!」と思った(いま思い出した)。ビートルズ前と後で、音楽が違うのはもちろんだけど、若者文化もぜんぜん変わってしまったんだろうなと想像はつきますね。

魅力的な登場人物ばかりで、感想では父ちゃんをすっとばしてしまったんだけど、少し昔の、学歴コンプレックスを抱えた中流家庭の父親というのが、よく伝わってきたよね。私もあのマグカップとクッキーがアップになったところで、やっぱりうるうるきました!

そして、頭殴られましたか(笑)。まあ、ジェニーの恋はママゴトの段階なので、あそこで毅然としてくれないとねえ・・・。
中野翠の評は、週刊文春ですかね。イラストレーターの女性(誰だっけか)と組んでいたときの映画エッセイはよく読んでましたよ。荻野アンナとなにかで揉めたりとか、その辺りまではマークしてましたよ。ともあれ、光栄ですo(_ _)oペコッ。たまたまかもしれませんが。

ひめさん、こんばんはヽ(´▽`)/♪

>確かに!崩れたブラピ顔と言えなくもない。

そそ、ブラピをくずれさせ
虚無にした感じ!
あのだらしない空気に
もってかれちゃいます!(*´д`*)ハァハァ


>って、マキさん、ブラピ顔が好きなんでしたっけ?ちょっと意外!

ふふ、だってプラピってほんとにいい男じゃないですかー(*゚∀゚)=3ハァハァ
あの、半分にやけた顔
大好きなんです~(*≧m≦*)

最初は
ぜんぜんめじゃなくて、むしろ目障りぐらいに思っていたんですけども
(ケビン・スペイシーの大ファンだったもので)

やっぱファイト・クラブの彼に
やられちゃって・・・ヾ(´ε`*)ゝ エヘヘ

演技とか役とか以前に
たぶん圧倒的に顔とスタイルが好みなんでしょうね。


>17歳の肖像は、中高生のときに頭でっかちのませた少女だった人には受けるんじゃないかなと思います。マキさんはどうでしたか?

もう、そのとおりに決まってるじゃないですか~(*´Д`*)
中学の頃から
夢野久作やサドにはまっちゃってるんですから!
(おかげで、孤独な少女でしたよ・・)
十五で「カリガリ博士」とか観てるんですから~♪
内容なんて、ほんとは見当ついてないっつーに。
音楽だって、小学生で友達とmtvとか観ちゃってるし・・・(赤面)

クラスの子のことなんか
全員見下してましたよ、はっきりいって!

とにかく嫌なガキだったんです、ほんとに。

ひめさんはどうでした?

マキ(つい熱くなりすいません)より


`;:゙;`;・(゚ε゚ )ブッ!! ケビン・スペイシーの大ファンだったですって?

>マキさん
すみません、今ちょっとした衝撃を受けました。
実は私も大ファンだったんです(←過去形)。
そしてたまたまこの記事にコメントくれた、えむさんとアモさんも、ケビン・スペイシーのファンとして知り合ったんです。
何の関係もない記事なのに!なんでしょうね、この偶然!
あ、でも、もとはと言えば、ベニチオもケビンの出ていた映画で知ったんだったわ。

私もマキさんほどマニアックではないけど、中学のときにヘンリー・ミラーとかプルースト(後で抜粋だったと知った)なんかを訳分からず無理して読んで、ジャズを聴いたりしてました。
この程度なら単に背伸びしていたで済むのですが、小学校の卒業文集が残っていて、そこに投稿した詩は、顔から火を噴くほど恥ずかしいことになってます。
このバカ、誰?ってくらいwww

いや〜熱くなりますね(*^-^)
でも、大人になっても、なんとなく同志はにおいでわかりますね。

ひめさんハロー(◎´∀`)ノ

>`;:゙;`;・(゚ε゚ )ブッ!! ケビン・スペイシーの大ファンだったですって?

はいっっっ
マキの中では「LA」のケビンが一番好きかな?
あ、「セブン」も「ユージュアル」も大好きですけど・・ヘ(゚∀゚ヘ)アヒャ
(「真夜中のサバナ」も・・♪)

>実は私も大ファンだったんです(←過去形)。

アハ、マキもかも・・。
つーか
「光のなんたら・・」とかに出るようになって
(あ、観ちゃいないので色々控えますが・・)
なんかなあ・・・という感じで。

でも、もちろん今も
嫌いじゃないし、好きですけど。。

つーか
過去ドブログ時代
「ケビン様へ」って、当時の不安だらけの不安定さを
嘆いているという・・へ(´∀`ヘ)へ))カサカサ

「ねえ、ケビン様・・
ねえねえケビン様・・」

って、完全にノイローゼですよね。。
(その後、きっちり発狂しましたよ!)

マキとしては
ひめさんが(たとえ過去でも)ケビンファンだったってことがうれしいっす゚.+:。(・ω・)b゚.+:
(ひめさんのお友だちまで・・・喜)

>小学校の卒業文集が残っていて、そこに投稿した詩は、顔から火を噴くほど恥ずかしいことになってます。

詩ならいいじゃないですかーっっ
(いまだにブログにアップしちゃってるマキはいったい・・・・・)

マキの小学校の卒業文集なんて
将来の夢(なりたい職業だとか)がお題なのに
「優しい人になりたい」ですよっっっ

↑よっぽど将来に夢を描けない子供か
危険なほどバカなのか
(どっちかだと思いたい・・・泣)

まったく何を狙っていたのか・・・(*゚∀゚)=3 ムッハー!!

逆さにすると
今の己は優しさがない人間だって
自覚がある
ってことになりますよね♪
↑無理やり\(^o^)/

少なくとも
将来の夢が「優しい人」になりたい小6なんて
大嫌いですけどね。

マキより(はあと)


>マキさん
おはようございます。(もう昼ですけど)
なんと! 私も「LAコンフィデンシャル」の役がいちばん好きで、さらに覚め始めたのも「ペイフォワード」と「光の旅人」あたりです。
それ以降も映画は観てるのですが、つまらない映画が多いのも拍車をかけ…。

doblogのときにつぶやいていたとは気づきませんでした。
まあ、いろいろとお世話になったわ、ケビ様には。←冷たい言いぐさw

詩でもいろいろあって、当時は一人称に「ぼく」を使っていてBLちっくなんですよ。漫画の影響もあったのかなあ。

「優しい人になりたい」・・・いいじゃないですか!
そういえば私も一時期、善い人になりたいと真剣に考えてたわ。弟とよくケンカしてたからかな。将来の夢「優しい人」、邪念は感じませんけどね。

おいっ!コラっ!
やっと17歳を観て来たから、覗きに来たらば。
ケヴィ様をすでに過去形扱いかよーーー(笑)って、、、人の事は言えないけどさ。

でもでも。今でもケヴィの新作は公開したら即行見に行ってるんだよーーー>マキノコさん。

17歳…
うんうん。キャスティング良かったね。
アモさんの言ってるドア越しビスケットと紅茶を差し入れるシーン。
嫌な父ちゃんが一気に「実はいいヤツなんじゃ~~~ん」ってなったよ。

私はませたガキでは無かったと思う。
生意気だったことは確かだが(^^;

この映画で子供にとっての「母親」の役割を改めて考えさせられました。
地味ではあるけどこの母親役、好演でしたね。
このお母さんも変に物分かり良くて、今では貞淑な妻だけど昔はブイブイ言わせてたクチっすよね?

追伸。

私の卒業文集には「立派なおばさんになりたい」って書いてあるよ。
ませてはないけど、ひねくれたヤツでした。

小学校の時書いた詩!!!ぜひご披露くさいまし。

>えむさん
言い過ぎましたあああ、すみません!
ケビ様のおかげで、映画仲間に恵まれたのに、
ちゃんと供養しないとバチがあたりますなあ。ヘ(゚∀゚ヘ)アヒャ

この映画のお母さんの描き方、けっこう深いよね。
家庭円満のためにお父さんを立てているが、もともと考え方は柔軟な人で
フトコロ深いと思いました。

「立派なおばさんになりたい」って・・・
えむさん、いつもなかなか個性的な考え方の持ち主だと思っていましたが、
「おばさん」になるという発想はふつう子供にはないですよ。面白い!

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