« Zapp featuring Shirley Murdock @ Billboard LIVE tokyo | トップページ | 一つのチーム、一つの国 〜インビクタス/負けざる者たち〜 »

2010年2月20日 (土)

社長秘書でコールガールで富豪の妻で女優 〜抱擁のかけら〜

できるだけ映画館で作品を観たい監督の一人だ、ペドロ・アルモドバル。


「抱擁のかけら」(2009年 スペイン)
★★★★★

Losabrazosrotos 盲目の脚本家ハリー・ケイン(ルイス・オマール)のもとに、ライ・Xと名乗る男が訪れ仕事を依頼する。しかしその男は、ハリーが視力と、本来の映画監督の仕事と、愛する女性と、マテオ・ブランコという本当の名前を失った14年前の甘美で忌まわしい出来事の関係者だった…。


物語はその14年前の出来事をハリー自身が回想する内容なのだが、アルモドバルにしては観る人を選ばない(?)、ある意味オーソドックスな男女の悲恋映画で、ミステリ仕立ての緊張感をずっと保ちつつ、最後はさわやかな余韻すらあった。良かったよ〜。
しかし、レナ役のペネロペ・クルスは相変わらず美しいが、彼女を奪い合う中年男2人はまったく恋愛映画向きのルックスでも雰囲気でもないのだ。そこが面白かった。特に富豪エルネスト役(ホセ・ルイス・ゴメス)の、ホモっぽい顔つきと、自分よりもずっと若い美女レナへの執着ぶりが相まって醸し出される醜悪さがたまらんね。エルネストの息子(ルーベン・オチャンディアーノ)の若いときの顔は、何もそこまでと言いたくなるほどの汚いニキビ面だし。さらに、マテオのエージェントであるジュディット(ブランカ・ポルティージョ)のすっぴんメイクも、内容にはまったく関係ないと思うのだが、アルモドバル作品だとこれも必然に思えてしまう不思議。


(以下、盛大にネタばれ)


妻レナとマテオの不倫を疑いつつ、レナの心を引き留めるために休日旅行に誘うエルネスト。一方レナは、エルネストに対してはもはや嫌悪感しかない。ホテルで何回もことに及んだ後、ベッドを抜け出し洗面所の鏡で疲れて惨めな自分の顔を見つめるレナ。それを化粧で隠し、部屋に戻ってくると、エルネストはベッドにおかしな格好で寝たまま動く様子がない。死んでいるかもという密かに芽ばえた期待とともに、男に背を向けてタバコを吸いはじめるレナ。この一連のペネロペの演技が、とても良かったー!
他にも印象に残る好きな場面がいくつもあったのだが、映画の中でも使われている古い恋愛映画を参考に作られた場面もあるのだろうか?


ジュディットの息子ディエゴ(タマル・ノバス)の好青年ぶりがこの映画の清涼剤。そして、マテオがレナを主演女優に撮影していた映画の内容が最後に明かされるのだが、それがコメディ映画だったというのが、実に美しい物語の〆ではないか! 二人の恋が希望に輝いていた時期もあったことを思い出させてくれる。

見終わって気になったのは、逃亡中のマテオとレナが撮りためた大量のスナップ写真をちりぢりに破いたのは誰だったのか?ということ。しかし、それは大した問題ではないのかもしれない。「抱擁のかけら」というのは文句なしの邦題。

« Zapp featuring Shirley Murdock @ Billboard LIVE tokyo | トップページ | 一つのチーム、一つの国 〜インビクタス/負けざる者たち〜 »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

ひめさん、こんばんは♪

マキは
この監督、「アタメ」しか観ていないのですが・・・。

ひめさんの星につられて
観たくなっちゃったわっ(≧∇≦)
(記事のタイトルは、なんとなく火サスを思い出しました♪)

マキ的ラインナップとしては
「シャーロック・ホームズ」(ガイ・リッチーなので、一応)
「マラドーナ」(この前、宣伝でちらっと見たらおもしろそうだったので・・)
ぐらいです。

来月、たぶん新宿まででかける予定なので
そのとき、
「ボーイズ・オン・ザ・ラン」か
「乾き」のどちらかを観られたらいいかな・・・とか思っています♪

>できるだけ映画館で作品を観たい監督の一人だ、ペドロ・アルモドバル。

すっごいわかります。

マキは
基本的に、やっぱり身銭きって映画館で
あの大音量と集中力で観たいんですよね。

なんか
お金をだして時間を使って
やっと観る映画だからこそ、必死で観られる・・・というのか
逆に、部屋でだと
必死さがないぶん
おもしろさも半減しちゃう気がして・・・。
(だから、テレビで上映する映画は論外なのです、マキの中では・・)

生意気に語ってごめんなさい。
(謝るなら、語るなよ?ですよね・・・ヘ(゚∀゚ヘ)アヒャ)

↑とはいえ
過去の作品は、どうしたってDVDに頼ってしまうわけなのですが。

マキより(はあと)

>マキさん
こんはんは〜。
アタメとは、ずいぶん前ですね。
最近はアルモドバルもちょっと枯れてきたか、
いい意味でどぎつさが薄れて、見やすくなっていますよ、きっと。
ミステリーの雰囲気をうまく取り入れた作品が多くて、楽しいです。
★の数は、かなりいい加減につけてるけど、
この映画の場合は★を減らす理由がないということでの5つ★かな。

「シャーロック・ホームズ」は同じく観る予定。
私の場合はダウニーJr主演なので一応
「渇き」は、調べたら、マキさんの好きな俳優さんの主演なのね。
うん、この映画は面白そう〜。
「ボーイズ・オン・ザ・ラン」は大穴っぽいかな?

映画館で観ないと本当の面白さが分からない映画はありますね。
生意気じゃないよ〜、本当だから。
私は今日「インビクタス」を観てきたけど、これはビデオでもよかったかも。
でも「抱擁のかけら」は絶対映画館ですよ!

ひめさん、おはー\(^〜^)/

この「抱擁のかけら」調べたら新宿でやっていますね♪

来月(上旬)もし観られたら、これか「渇き」を観たいと思います\(^〜^)/
(もし観たら、また感想をレポートします〜)


そそそ、「渇き」はソン・ガンホなのです〜♪

ひめさんは、ダウニーJr.のファンなのですか?

彼って役者ですものね。
そいや
なんで、ちらっと「ボーイズ・オン・ザ・ラン」に興味をもったかと言うと
去年観た「色即ぜねれえしょん」の彼(峯田)が
わりによかったんですよね。
(ほかに、くるりの岸田くんも出ていて、岸田くんもよかったんですよ!)

本職はバンドの人みたいですが。


関係ない話ですが
おととい、いきなりPCが壊れて…。
(年末買ったばかりなのに)昨日、修理に引き取られました。

↑マザーボード取り替えって、どんだけ不良品だったんだ!って話ですよね。

ですゆえ、しばらくは携帯からおじゃまさせていただきますm(_★_)m

マキより(はあと)

>マキさん
こんばんは!

PCもう壊れたのかあ。保証期間でお金がかからないといいですね。
でもたまにパソコンのない時期もいいですよね。
(それぞれの事情を考えない無責任な発言…)
携帯でインターネットできれば支障は少ないかな?

ダウニーJr.は特にファンではないけど、いつも楽しみにしてしまうんです。
要するに役者だからでしょうね、彼。

なるほど銀杏BOYZの人ですか・・・予告トレーラー、若い頃の田口トモロヲか生瀬勝久かと思いました。
あれ? 偶然にもトモロヲは前作の監督なんですね。
知らないだけでいろんな邦画があるんだなあ(゚▽゚*)

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1175528/33460453

この記事へのトラックバック一覧です: 社長秘書でコールガールで富豪の妻で女優 〜抱擁のかけら〜:

« Zapp featuring Shirley Murdock @ Billboard LIVE tokyo | トップページ | 一つのチーム、一つの国 〜インビクタス/負けざる者たち〜 »

インデックス

無料ブログはココログ