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2010年1月

2010年1月31日 (日)

2010年1月に観たDVD(1)

「ミルク」(2008年 アメリカ)
★★★★☆

Milk ガス・ヴァン・サント監督。ゲイであることを公表し、社会的弱者の権利擁護のために公職を目指したハーヴェイ・ミルクの伝記ドラマ。

アメリカでは同性愛の問題はすなわちキリスト教の問題なので、ミルクらの戦いも命がけなのだ。ショーン・ペンはもちろん、キャスティングがそれぞれはまっていて良かった。ミルクの2番目の恋人なんか、登場した途端からやっかいなにおいをぷんぷんさせていた。そして、ジョシュ・ブローリンはやはり優れた脇役なのだ。
映画の中でミルクの天敵として描かれているのが、ゲイの公民権剥奪を目論む保守派の広告塔となった歌手アニタ・ブライアント。前回の大統領選挙で共和党の副大統領候補になったサラ・ペイリンと姿がだぶります。ただ、ときどき流れる当時の記録映像(?)と映画の映像の区別がまぎらわしくて、なんとなく居心地悪い。



「愛のむきだし」(2009年 日本)

★★★★

Ainomukidashi 園子温監督/脚本。昨年の邦画のベストランキングに入っていて初めて知った映画。4時間の大作でDVDが上巻下巻に分かれているとは気づかず、上巻は昨年暮れ、下巻は今年になって見た。

●良かったところ
深夜にやっているサブカルなテレビドラマ+純文学という感じの作風で、特に前半は展開がまったく読めないままテンポよく進むのが面白かった。終盤に「うわ〜、失ってしまったのか! 最も大切な○○を!」というかなり切ない衝撃があり、そこで終わってもいい映画になると思ったのだが、その後のどんでん返しにはめっちゃ感動! 主演の西島隆弘の痛々しい笑顔が良かった。AAAというアイドルグループのメンバーらしいが、よく見つけてきたなと思った。

●だめだったところ
何度も映し出される少女(演じている人は20歳を過ぎているが)のミニスカ、パンちら、太もも・・・うぜー。主人公が盗撮男だからといってやりすぎ。ネット上にもこの手の画像が溢れ、見たくなくてもつい目に入ってきてしまう。この映画が一般に評価されたことで、日本ではロリコン・セクハラが市民権を得ていると勘違いするやつが今以上に増えないことを願う。

あと、父親の恋人役の女優がミスキャストである気がしてならなかったが、それ以上にいろいろ考えてしまったのが安藤サクラの起用。私は彼女のデビュー主演作を映画館で観たときに、このルックスでヒロインはないわと思った。しかしいつの間にか、演技だって素人丸出しなのに、売れっ子になっていて驚き!(同時に借りた「罪とか罰とか」にも出演していて、こちらはつまらなくて途中で見るのをやめた)。
で、その安藤のデビュー作の中で、特にインパクトがあったのが、彼女が雨の中でびしょ濡れになりながら泣くシーンだった。大スクリーンで見ちゃいけないものを見たというインパクト。ところが、この「愛のむきだし」でも、彼女は雨のシーンで意味もなくびしょ濡れ姿で登場するのだ。園監督もおそらくあの映画を観たのだろう、そして確信してやっているのだろうと思う。でも、やっぱり彼女が女優として騒がれるのは、今のところ、何かの反動にすぎない気がする。そんなことをぐるぐる考えていたので、映画の終盤の彼女の行動もよく理解できなかった。

2010年1月17日 (日)

これからのSF大作映画のスタンダード?

ジェームズ・キャメロン監督/脚本、最先端映像テクノロジーを駆使した超々話題の3D映画。

「アバター」(2009年 アメリカ)
★★★★★


Avatar 映画の脚本で新鮮みを出そうとすると、今はどんどんマニアックな方向に行くか、複雑な内容にせざるを得ないんだろう。この作品では、大衆娯楽作品の原点に戻ったようなストーリーが、画期的CG技術と3D化によって息を吹き返しており、夢中になって観られたのが実際驚くほどだったです。予想していたよりも面白かった! 満足〜。

それにしても、キャメロン監督はいま広島・長崎への原爆投下を題材にした映画を検討中らしいけど、どんな映画になるのかまったく想像がつかないわ。分かりやすい悪役が日米双方に振り分けられるのだろうというのは漠然と予想するのだけど・・・そんなことを考えながら見ていたら、この映画も人種戦争そのものに見えてきた。この作品は架空の人種戦争だけど、いつかは本当の人種主義的な戦争を撮りたいと思ったのかなと。

太平洋戦争ほど、日米双方ともにプロパガンダによって人種戦争の様相が露骨になった戦争はなかっただろうとされる。パンドラ星のナヴィ族はアメリカ原住民を思わせるが、長年の戦地経験で頭のいかれた大佐から「ブルーモンキー」と呼ばれているのを聞くと、過去に日本人が「イエローモンキー」と呼ばれていたことを思い浮かべる。
なので、歴史が頭のすみっこにあれば、地球からやってきたアメリカの軍人や商人たちとはまったく価値観の異なる世界を描くのに、アメリカ原住民の文化や、アジアだと手っ取り早く宮崎駿の世界が参考にされたとしても、それほど意外ではない気がする。

5分で済む内容といってしまえば身も蓋もない

お年玉付き年賀はがきの末尾が「1」か「4」のはがきを持参すれば、映画が1000円で鑑賞できるというのをTOHOシネマズ各館で2月末までやっていまして、それを利用しました。


「(500)日のサマー」(2009年 アメリカ)
★★★

運命の恋を信じるナイーヴな青年(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)が、対照的な恋愛観の女性(ゾーイ・デシャネル)と辿る甘くてホロ苦い500日の愛の軌跡を綴った異色のロマンティック・コメディ。(allcinemaより)


500summer ↑果たして対照的な恋愛観だったのかどうか、そこは疑問だ。

(以下ネタバレ)

ゴールデン・グローブ賞にもノミネートされており、前評判が高そうだった映画。映画前の予告のときから眠気が襲い「これはまずいかも」と思ったが、案の定、始まってもずっとウトウト、ようやくシャキッとしたのは最後の10分くらいでした。いつもながらだ自分。感想もいい加減です。

この作品は、いま現在、片想いをしている人にはぴったりかもしれない。エピソードや主人公の心情、使われている音楽にどれだけ共振できるかで評価がある程度決まりそう。あとは、細かなところに面白さを見いだすことができる映画通や、ゾーイ・デシャネルのファンも楽しめそう。

乱暴な言い方をすれば、5分で済む内容だと思う。それに100分をかけたのがすごい! にしても、もやもやが残るのは主人公のダメージが大したことないように見えたせいだ。若いんだからもっとズタズタに傷ついて、取り乱して、恥ずかしいことをしてくれなきゃ。凝った構成のせいでそこがわかりにくい。
代わりにIKEAの宣伝とか、懐かしいインベーダゲーム(?)が置いてあるたまり場の店なんかのほうが印象に残ってしまった。

しかしゾーイは、30歳手前なのに相変わらずとらえどころのない可愛さ。彼氏のパジャマのズボンを履いている姿や、清楚なワンピース姿の似合うこと・・・男の子がこんなガールフレンドがほしいというツボはしっかり押さえている。で、大抵、こういうサマーのような女の子に男の子は振り回される。

ああ、そうか、そういうことが言いたい映画だったのか。いま気づいた(笑)

本末転倒

2005年度英国バリー賞最優秀長編賞受賞作。原題は「The Enemy」。

『前夜』リー・チャイルド著/小林宏明訳
(講談社文庫 2009年邦訳)


ベルリンの壁が崩壊し、世界が冷戦終結に向けて動き始めた1989年暮れ、機甲師団の将軍が死体で発見された。場所はうらぶれたモーテル。重要な会議に向かう途中、なぜ片道500キロの寄り道をしてそんな所に行ったのか? 軍警察指揮官のリーチャーが捜査を始めた矢先、将軍の妻も自宅で殺されていたことが分かる。だが、新任の上官はリーチャーにそれ以上かぎ回ることを禁じる…。


Theenemy 元軍人ジャック・リーチャー・シリーズの8作目であり、リーチャーがまだ軍人であった頃に遡っての内容ということです。
時代の変化によって米国陸軍内部に生じたある陰謀を、エリート軍人の主人公が部下の女性少尉サマーとともに食い止めるという内容。そこに危篤状態にある主人公の母や兄とのやりとりなども絡んでくる。著者がベテランらしく、なかなか面白かったです。ラスト直前の主人公がとった行動にはあっけに取られたけれど…。

シリーズの他の作品、軍を辞めてからのリーチャーのほうにも興味が湧きました。

2010年1月15日 (金)

引き続きR.I.P. テディペン

テディ・ペンダーグラスといったら、「Do Me」ではなくて、まずは「Close the Door」であり、あとは「Turn Off the Lights」や「Come Go With Me」であり、「Love TKO」であり、「I Can't Live Without Your Love」であり、「It Should've Been You」であり、「Voodoo」あたりであろう。
と、言わずもがなの発言をしてみる。


ステファニー・ミルズをフィーチャーした、ピーボー・ブライソン作曲のこのバラードも名曲。ステファニーめちゃうま。

Feel the Fire
http://www.youtube.com/watch?v=V-7iZf_VpEY


ハロルド・メルヴィン&ザ・ブルーノーツ時代では、この曲が私にはエバーグリーンだあ〜。

Wake Up Everybody
http://www.youtube.com/watch?v=W-TPk3OPEOc


復活後のテディ。90年前後だろうか?(追記:2001年らしい)

Joy
http://www.youtube.com/watch?v=LQ6ybAZNqxE



過去のエントリ

私家版・魅惑のエロヴォイス その1
私家版・魅惑のエロヴォイス その19



ハイ・レコードの名プロデューサー、ウィリー・ミッチェルも今月5日に亡くなっていた。知らなかった。
こんなニュースが続くと、74歳のチャック・ブラウンの来日ライブもやはりもう一度行っておくべきかと思う…。

R.I.P. Teddy

ああああああああテディ・ペンダーグラスが!!!
最愛のシンガーが!!!
享年59歳。
TwitterのトピックワードにHaitiとともに並んでいて亡くなったのを知った。


Is it still good to ya - Teddy Pendergrass
http://www.youtube.com/watch?v=Gaaq4-0LW6s


Tp_2

うん、これからもずっと聴き続けるよ(ノд・。)

2010年1月10日 (日)

エルヴィスが彷徨う町

巨匠と呼ばれるクーンツを初読み。2003年に発表されたシリーズ作品の1作目。

『オッド・トーマスの霊感』ディーン・クーンツ著/中原裕子訳
(ハヤカワ文庫 2009年邦訳)
青年オッド・トーマスには特異な能力があった。死者の霊が目に見え、霊が伝えたいことがわかるのだ。ある日、オッドはコックとして働くレストランで見知らぬ男の客を見て、ただならぬ厄介事の前兆を感じ取る…。


Oddthomas 舞台はモハーヴェ砂漠にある4万人ほどの町。モハーヴェ砂漠といえば最近ではマイクル・コナリーの小説が印象的だった。Wikipediaを見ると「モハーヴェ砂漠には多くのゴーストタウンがある。また、モハーヴェ空港があることでも知られて…(略)…旅客機の墓場とも言われている」とある。華やかなラスベガスにしても、モハーヴェに点在する町はどこか空虚で、そこだけ別世界、忘れられた地域というイメージを勝手に持ってしまう。しかしそのイメージが、このオカルト小説にもよく似合っている。

主人公オッド・トーマスには、この世に留まった死者の霊が生きていたときの姿のまま見えてしまうのだが、なぜかエルヴィス・プレスリーの霊もこの町にいて、たまに彼の前に姿を現す。邪悪さを感じさせない霊といったら、アメリカ人にとってはエルヴィスが最強なのかもしれない。
人間の霊たちはだいたい無害なのだが、オッドには惨事の前兆として現れる影のようなものも見ることができる。彼はそれを「ボダッハ」と呼んでいるのだが、大きさは人間くらいで猫のようにしなやかに歩くというその黒っぽい影の描写には既視感がある。たぶん何かの映画で見たものを思い出させるからだろう。このボダッハの正体が何で、どこからやって来るのか…、オッドの推測はこちらの想像もかきたて、ぞっとするとともに面白い。
しかし、オッドの生い立ちといい、やがて迎えることになる試練といい、実に痛ましいが、理解のある親切な大人たちに囲まれているのが救いだ。


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『紫雲の怪』ロバート・ファン・ヒューリック著/和爾桃子訳
(ハヤカワ・ミステリ 2008年邦訳)
郊外の廃寺で断首された男の死体が発見される。被害者の男は地元のやくざ者で、生前に喧嘩をしていたのを目撃された男の友人が逮捕された。だが、死体を検分した判事は、首と胴体が別々の人間のものであることを発見する…。


Phantomoftemple 1966年に発表された狄(ディー)判事シリーズの初邦訳巻。執筆順ではずいぶん後の作品のようだが、内容的には前回読んだシリーズ1作目『沙蘭の迷路』の続編で、舞台も同じ辺境の地・蘭坊。7世紀ということで、密教が夷狄の持ち込んだ新興宗教として弾圧されており、事件にも絡んでくる。
なんとなくすっきりしない結末だったが、この巻も楽しかった。翻訳もうまいんだと思う。判事の副官であり腕っ節が強くて男気もある、でも常に恋人募集中という馬栄(マーロン)がいいわ。


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『パンプルムース氏のおすすめ料理』マイケル・ボンド著/木村博江訳
(創元推理文庫 1998年邦訳)

有名なグルメガイドブックの覆面調査員であるパンプルムース氏は元パリ警視庁刑事。同じく元警察勤務で、舌の肥えた愛犬ポムフリットとともに、サン・カスティーユのホテルレストランを調査中、なぜか命を狙われるはめに…。


Monsieurpamplemousse 積ん読消化。これもシリーズものの1作目。『くまのパディントン』の作者が、大人向けに書いたグルメミステリということだが、パンプルムース氏の貞操を守るために「夢の人形館」(アダルトグッズのメーカー)が実に優秀な仕事をするのだ……大人向けってそういうことかい! ほのぼのしてるんだか、どぎついんだか分からない独特な味わいのユーモアミステリだったなあ。

2010年1月 9日 (土)

2009年の映画まとめ

Djangoさんのブログで知った所沢市の多聞院に行ってきた。最寄り駅からさつまいも畑地帯を往復歩いて3時間かかった。かわいらしい「身代わり寅」は2つ買って、1つ持ち帰り…。 毘沙門堂の狛寅も珍しくて良かったです。


さて、昨年のまとめ映画編。映画館で観たのは27本。4つ星の映画が多かったので、4つ星半以上つけたのを挙げると、


「レスラー」★★★★★
「イングロリアス・バスターズ」★★★★★(−☆)
「アンヴィル!夢を諦めきれない男たち」
★★★★☆
「バーン・アフター・リーディング」★★★★☆
「サンシャイン・クリーニング」★★★★☆


ベスト5はすんなり決まったが、アメリカ出資の映画ばかりになってしまった。決まったシネコンばかりに行ってたからかな。
邦画ももっと観るべきかと思うが、どうにも興味の持てない題材・キャスティングが多すぎる。

2010年1月 7日 (木)

頭とは関係なく心は動揺するのだ

職場の隣りのビル1階がコンビニで、他にろくに店のない地域だから、ほぼ毎日1回は利用している。
今日の昼休み、その店の前で男性二人が立ち話をしていた。片方は見るからにリッチな風采の中年で、場所に不似合いな感じがしたので、つい顔に目が行ったのだが、学生のときに付き合っていた男に似ていると思った。


その男とは、二股をかけられていたことが分かり決別したのだが、以来、学校でもなぜか一度も会うことがなくなった。なのに卒業して何年かして電話があり「今度結婚することになった」と言われた。突然の連絡だったので、「あ、そう」くらいの返事しかできず、「おめでとう」すら言う余裕がなかった。それが後々まで半ば恥ずかしく、半ば腹立たしい思いとして残った。

社に戻って「そういえば、あいつは今どうしてるのだろう」と名前を思い出し、興味本位でネット検索にかけたところ、ある会社の重役に同姓同名の人物を見つけた。
割と珍しい名前だからそうそういるわけはない。胸騒ぎがして、その会社のホームページで住所を調べてみたら……まさに隣りのビルではないか。そして、去年の暮れにそのビルに越してきたことが分かる。


それからもう動揺しちゃって、手もぶるぶる震えてしまって、今日の午後から家に帰って来るまでの記憶がほとんどない(苦笑 もうウン十年前のことなのに、社会人になってからのほうがいろいろあったのに、そんなのも全部ふっとんでしまうほどの衝撃を受けているのがなぜなのか、分からない。


なんとも憂鬱だ。今さら会いたかねーよ。しかし、次に遭遇するのは時間の問題という気がする。そうしたら向こうも気づくかもしれない。どっちにしろもう気軽に隣りのコンビニに行けないよ!マスクとメガネと帽子を用意しておくか?
なぜこんなに頑なになっているのかもまた分からないわけだが…。どうなのよこの大人げのなさ。自分も結婚して子供でもいたら、「こんな偶然もあるのね」で済んでいたかもしれない。今は気持ちを落ち着けようと、こうやって書いてみているが、落ち着いたら削除しよう。

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