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2009年12月12日 (土)

中国唐代が舞台の名探偵シリーズ

初刊は1951年。『迷路の殺人』から『中国迷路殺人事件』に改題され、さらに今年、新訳・改題で登場したディー判事シリーズ1作目。

『沙蘭の迷路』ロバート・ファン・ヒューリック著/和爾桃子訳
(ハヤカワ・ミステリ 2009年新訳)


新たな任地・蘭坊へ赴任するディー判事。到着寸前に追いはぎの襲撃を受けたのは、多難な前途を予告していたのか。はたせるかな、蘭坊の政庁は腐敗し、地元豪族が町を支配していた。さっそく治安回復に乗りだす判事だが、事件はそれだけではない。引退した老将軍が密室で変死、とりたてた巡査長の娘は失踪するなど、次々に難事件が襲いくる。なかでも元長官が遺した一幅の画と、別荘に作られた迷路に秘められた謎は、判事の頭脳を大いに悩ませる…。(裏表紙より)


Chinesemaze 以前からポケミスでよく目にして、いつか読みたいと思っていたシリーズ。これが第1作目にあたるというので、ようやく読みました。7世紀の唐の時代に実在した政治家・狄仁傑(ディー・レンチェ)をモデルとし、扱われている事件の題材も中国の古い小説からいただき、今でいうところのモジュラー型警察小説に仕上げている。

漢字が多そうだったから、専門的でちょっと手こずるかと思っていたが、まったくそんなことはなく、楽しい読み物だった! 巻頭の序文で松本清張がディー判事とその部下たちのことを「水戸黄門のような〜」と例えているが、まさにそんな時代劇ドラマテイスト。非常に切れ者なディー判事その人は、大岡や遠山など名奉行シリーズを思い出させる。著者の筆による挿絵がまた味わいがあってよいです。すみずみまで眺めてしまうなあ〜。

訳者はジェイソン・グッドウィンの宦官探偵シリーズも手がけている人なのですが、あちらのシリーズと同様、この本にも巻末に付録として、飲食(酒とぎょうざ)に関する解説が添えてある。うーん、翻訳ミステリの読者がついでに興味を持つところをよく分かっていらっしゃる。

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