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2009年12月22日 (火)

初めて読んだ髙村薫

警察小説(特にイギリスの)が大好物なのだが、国内のはほとんど読んでいない。この人くらいは読んでおこうと、ようやく手に取りました。

『マークスの山』髙村薫
(講談社文庫)


Marks_ 南アルプスの麓で一家心中があり、少年だけが生きて保護される。同じ頃、同じ山中では別の2つの殺人事件が起き、犯人は逮捕される。しかし、この偶然が16年後の東京で連続殺人事件に発展。警視庁の合田刑事らは、被害者のつながりから犯人と動機を探ろうとするが、なぜか警察の上層部や地検からは横やりが入り、捜査は難航する…。


1993年に刊行された作品が、文庫化にあたり全面改稿されているそうです。生真面目で硬質な感じの、ほとんど遊びのない小説だったけれど、それがこの人の持ち味でしょうか? 日本のミステリ小説は体力不足(ページ数には関係なく)という偏見があったけれど、その点は見事に裏切られた。個人的には山梨県警の佐野の活躍を中盤あたりにも入れてほしかったな。合田刑事ばかりだと、なんだか息苦しいよ〜。

最初と最後くらいしか登場しないが、雪山の場面が好きだ。やはり日常にない環境のほうが、物語の世界に入り込みやすい。主人公の合田刑事の山に対する思いが述べられている場面は、人物の性格を際立たせていて面白い。登山というのは、きわめて日本的な題材である気がする。登山をたしなむ合田も、とても日本的なキャラクターなのかもしれない。

ところで、文中に「言わずもがな」という言葉が何回も登場するんで、マイ・シューヴァル&ペール・ヴァールーの『笑う警官』を思い出さずにはいられなかったです。

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コメント

ひめさん、こんばんは(*゚▽゚)ノ

初・高村
おめでとうございます。

マキの中ではかなり過去の人っていうか
この人の意味を超えた硬質の文体に妙にひかれた時期があって。

マキもひめさんとおなじで
どーしても合田が好きになれない・・・(u_u。)

↑これって
続き物だと致命傷ですよね、だって主人公が愛せないわけですから。
(マキだけかと思ったら、妹もまったく同じらしくて
何か著者の抱える闇を感じます)

高村作品で
ひめさん向きなら「レディージョーカー」なんかどうかしら?
題材もエンタメチックだし。
登場人物も
たぶん合田以外は愛せると思うんですよね。

(↑これは最後のシーンも温かくて
良い読み物だとマキは思います)

マキより
ひめさんへ(はあと)


>マキさん
こんばんは!
そーなんですよ、最近あまり名前を聞かないなあと思いながら読みました。

>何か著者の抱える闇を感じます
なるほど〜。腑に落ちますね。
完璧主義とも少し違う、何か独特な方向の執念を感じます。
とつぜん関西弁になるのもよくわかんない。
それと、合田以外の登場人物もなんだか似てませんか?
唯一、吾妻刑事に救われてました(*^-^)

シリーズの順番だと次は『照柿』のようですが、
続けて読もうかどうかも迷っていて、飛ばして
『レディージョーカー』に行っちゃいますかね。
コメント&アドバイス、ありがとう!

犯人に惚れる役の女性だったかな?か弱い感じが印象に残ってますね。犯人は漫画チックな所もあっていかにも現代社会の犯人風には設定してあったと思います。その反面警察側は昔ながらの警察小説という感じに思えました(警察自体が変わらないんですかね)。本筋には関係ないですが、やたらと「隠微」という言葉が出てきて変に気になりました。

>k.m.joeさん
看護婦ですよね。年下の青年の世話をしていることを同僚に隠さないところが印象に残りました。てっきり青年に殺されると予想した私はなんてひどい(笑)
犯人が現代風、警察が昔ながら・・・なるほど。組織はそんなものかもしれませんね。その点はリアルに徹したのでしょうか。言葉使いも独特で、私が気になったのは「鑑(かん)」。初めて知った言葉ですが、実際に使われているんでしょうね。

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