« 2009年11月 | トップページ | 2010年1月 »

2009年12月

2009年12月30日 (水)

10月〜12月に観たDVD

感想アップしないままでの年越しは、やはり心残りなので簡単にメモ。今年も寝ないまま早朝の高速バスで帰省するのだ。年賀状はついに書かなかった…。
皆様、良いお年をお迎えください。


「ダウト 〜あるカトリック学校で〜」(2008年 アメリカ)
★★★★
トニー賞とピュリッツァー賞を受賞した戯曲の映画化。冒頭での神父の説教「疑いは確信と同じくらい強力な絆になり得る」が、この映画の内容をすでに暗示。男性すべてを毛嫌いしていそうな(?)厳格な校長シスターにメリル・ストリープはぴったり。胡散臭いところがありそうな(?)世俗的神父にフィリップ・シーモア・ホフマンはぴったり。純真なようで「面倒を避けたいだけ」と言われてしまう若いシスターにエイミー・アダムスはぴったり。演技力がものをいう、こういう心理ドラマをいちばん楽しんでいるのは、実は出演者?


「その土曜日、7時58分」(2007年 アメリカ/イギリス)
★★★★
兄が生活費に困っている弟に強盗計画を持ちかける。狙うのはなんと彼らの両親が営む宝石店…。歪んだ家族愛を背景としたスリリングなサスペンスで、俳優たちの真に迫った演技が見どころ。お金をかけなくても、実力派俳優を使えばこれだけのものができるというのを、80歳を過ぎたシドニー・ルメット監督が示した気がする。原題は「BEFORE THE DEVIL KNOWS YOU'RE DEAD」。


「イエスマン YESは人生のパスワード」(2008年 アメリカ)
★★★★
すべてに後ろ向きな銀行員の男(ジム・キャリー)が、「なんでもYesで応じる」生き方に変えたところから、すべてが好転し始める…。融資の申し込みには片っ端からOK、スパムメールによる勧誘にもYesで返事を出しちゃうなど、今風なネタの盛り込み方がなかなかセンス良い。さほど期待していなかったけど、何度か爆笑したわ〜。元気が出る映画だ! ヒロインのゾーイ・デシャネルは前からファンだけど、期待するほどには弾けないのだ、いつも。でも、ガールズバンド「ミュンヒハウゼン症候群」(ナイスネーミング!)が面白かった。ゾーイの歌声がかわいい。


「画家と庭師とカンパーニュ」(2007年 フランス)
★★★☆
「クリクリのいた夏」が良かったジャン・ベッケル監督。生まれ故郷に戻った画家が雇った庭師は、国鉄作業員を退職した幼なじみだった…。絵を描くことに虚しさを感じ始めていた画家が、境遇も価値観の異なる男から得た友情によって、再び目的を見つけるラストがいい。


「魂萌え!」(2006年 日本)
★★★☆
桐野夏生原作、阪本順治監督。長年連れ添った夫が亡くなった直後に、妻は夫には親しい女性がいたことを知ってしまう…。平穏な生活を送ってきた主婦が、第二の人生にしっかり向き合うまでを描いた映画。妻役の風吹じゅんは雰囲気はいいけれど、演技はそれほどこなれていない気がする。単独主演にはちょっときつい。映画「ひまわり」を思いだす場面があった。


「キャラメル」(2007年 レバノン/フランス)
★★★☆
ベイルートのエステサロンを舞台に、世代や境遇が異なる女性たちがそれぞれに抱える悩みと友情を描く。その悩みの一つひとつに、お国柄や宗教上の風習が絡んできて面白い。終盤、なんとか悩みから抜け出せそうな若い女性たちと対照的に、子持ちの中年女ジャマルの悪あがきがみっともなくて、そこが良い。サロンの向かいの店の老女ローズになると、もう…。監督も主演も務めてしまうナディーン・ラバキー。美人監督の呼び名に異論なし。タイトルの「キャラメル」の謎は、キャラメルを脱毛に使うからだった。


「アラトリステ」(2006年 スペイン)
★★★☆
17世紀スペイン、フェリペ4世時代の一人の傭兵の生き様を描く。ヴィゴ・モーテンセン主演。ベラスケスの「セビーリャの水売り」「ブレダ開城」が映画の中に小物として登場するのはともかく、映像自体が、色彩とか陰影を含めて絵の世界のまんまに再現されている凝りよう。当時の絵画を資料にしたと思われる場面・構図も多い。架空の主人公を通して、20年以上にわたる戦争の虚しさが伝わってくるが、歴史映画というよりは任侠映画風味。


「エンロン 巨大企業はいかにして崩壊したのか?」(2005年 アメリカ)
★★★☆
巨大企業破綻の真相に迫るドキュメンタリー。エンロンはブッシュ親子に最大の献金をしていた企業。エネルギー業界の規制緩和を陰で導き、ついには電力供給を操作してカリフォルニアを停電させることまでやってのける…。その間のエンロンのトレーダーたちの電話での会話が生々しい。しかし、粉飾決済と巨額の負債を知っていながらエンロンとぐるになって儲けに走った金融機関はえぐいのお。オタク学生からマッチョに変身した社長のスキリングのキャラクターはバブルそのもの。社員同士で人事考課させて毎年15%の社員が解雇されていた、その時点でまともな企業じゃなかった。


「道」(1954年 イタリア)
★★★
レンタル100円だったから借りた、フェリーニの代表作。見始めはピエロの才能を開花させる女性の話だと思っていた(爆)。その女性が「白痴」の設定というのを見終わって知って、ズッコけた。単に無口で従順なだけじゃないの? ああいう女性は、日本の昔の小説や映画では定番ともいえるタイプなのだが。アンソニー・クイン演じるザンパノは良かった。「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」の主人公に野卑なところが似ていると思った。昔の映画は、ときに★評価では不利になってしまう。あくまで今観て、個人的に面白いと思うかかどうかなので、そこのところよろしく。


「ハプニング」(2008年 アメリカ)
★★☆
M・ナイト・シャマラン監督による、人類滅亡のパニック映画。なんとなく似ている映画「ミスト」は、今でもはっきり内容を思い出せるのに、この映画の印象の薄さはどうだ! 2カ月前に観てもうすっかり忘れておる。いろいろと思わせぶりな要素が出てきたけど、解釈は見る人にお任せしますという内容だったような。

2009年12月27日 (日)

テレビのライブ音楽番組がひどい。

YouTubeを見ていたら、紅白にスーザン・ボイルを呼ぶくらいだったら、岩崎宏美を出してやれというコメントがあって、そのとおり!と叫びました笑

↓この曲は日本語歌詞が乗るといまひとつですけどね。
http://www.youtube.com/watch?v=wnLRonN3xSs


一昨日は長時間の生の歌番組を見ていたが、音程狂わずにしっかり声が出ていて歌える人と、そうでない人の差が歴然としていて、あれはやはり日頃ストイックに練習している人とそうでない人の差だろうか。それにしても、結構うまいと思っていた人の何人かも、改めて生歌を聴くとぜんぜん大したことなくて、ガッカリした。

その前にも別の局で同様の番組をやっていて、それはたまにチャンネル変えながら見ただけなのだが、もういろんな人がことごとく音程を外して歌っていて、その番組は明らかにモニターに問題がありそうだった。テレビ局、もっとちゃんとしてやれよと思う。そういうところで制作費をケチってんじゃないよと。

2009年12月26日 (土)

すべてはおまえから始まったのだ…

ブッカー賞作家ジョン・バンヴィルが別名義でミステリに初挑戦!というふれこみ。

『ダブリンで死んだ娘』ベンジャミン・ブラック著/松本剛史訳
(ランダムハウス講談社 2009年邦訳)


Christinefalls 1950年代のダブリン。看護師ブレンダの送別会で酔っぱらった病理医クワークは、ふらふらと深夜の死体安置室に入っていき、そこで義兄である産婦人科医マルの不審な行動を目にする。そばにあったのはクリスティーンという若い女性の新しい死体。しかし、その死体は翌日には消えており、残された死亡診断書には、マルが筆跡を偽装したと思われる文字で「肺塞栓」と書かれていた。同じ頃、ブレンダは看護長の命令により、誰の子供だか分からない赤ん坊をあずかり、アメリカ・ボストンへの船路にあった…。


カトリックでは中絶や、場合によっては避妊も禁じられているという事情を背景にしたストーリー。孤児を巡っての教会と狂信的な団体による不正行為を暴く内容ではあるが、読み終わってみれば、若き日に不幸な過ちをおかした男の感傷的な物語という印象のほうが強い。そこはやはりブッカー賞作家だからだろうか。人間の複雑な心理を切り取ってみせる文章表現はところどころ魅力的。

主人公クワークが、何者かに脅迫されながらも、出産時の出血で死亡したと思われるクリスティーンの謎に執着する理由が、徐々に明らかになっていくところがミソ。それとともにクワークとマルの家族関係と、一族それぞれが抱える秘密も明らかになり、後半ちょっとした衝撃が待っている…。

総じてやり切れない話ではあるが、これを読んでいる途中で、個人的に自分がやらかしたことで気分がひどく落ち込んでおり、そんな気分のままで読んだら、とても気持ちよく入り込めた。小説が面白いかどうかは人それぞれだが、気分にも大いに左右されることを再発見。しかし、クワークは女にもてすぎ。

2009年12月22日 (火)

初めて読んだ髙村薫

警察小説(特にイギリスの)が大好物なのだが、国内のはほとんど読んでいない。この人くらいは読んでおこうと、ようやく手に取りました。

『マークスの山』髙村薫
(講談社文庫)


Marks_ 南アルプスの麓で一家心中があり、少年だけが生きて保護される。同じ頃、同じ山中では別の2つの殺人事件が起き、犯人は逮捕される。しかし、この偶然が16年後の東京で連続殺人事件に発展。警視庁の合田刑事らは、被害者のつながりから犯人と動機を探ろうとするが、なぜか警察の上層部や地検からは横やりが入り、捜査は難航する…。


1993年に刊行された作品が、文庫化にあたり全面改稿されているそうです。生真面目で硬質な感じの、ほとんど遊びのない小説だったけれど、それがこの人の持ち味でしょうか? 日本のミステリ小説は体力不足(ページ数には関係なく)という偏見があったけれど、その点は見事に裏切られた。個人的には山梨県警の佐野の活躍を中盤あたりにも入れてほしかったな。合田刑事ばかりだと、なんだか息苦しいよ〜。

最初と最後くらいしか登場しないが、雪山の場面が好きだ。やはり日常にない環境のほうが、物語の世界に入り込みやすい。主人公の合田刑事の山に対する思いが述べられている場面は、人物の性格を際立たせていて面白い。登山というのは、きわめて日本的な題材である気がする。登山をたしなむ合田も、とても日本的なキャラクターなのかもしれない。

ところで、文中に「言わずもがな」という言葉が何回も登場するんで、マイ・シューヴァル&ペール・ヴァールーの『笑う警官』を思い出さずにはいられなかったです。

2009年12月20日 (日)

3D映画初体験

特殊メガネをかけて鑑賞する3Dのアニメは、アップの絵はそれほどでもないけど、引き絵になるとおお〜!という感じ。でも、驚きにはすぐに慣れてしまうもので、前売り券を持っていても差額を払わされて、結局2000円というのは高いんじゃないの?やっぱり。

「カールじいさんの空飛ぶ家」(2009年 アメリカ)
★★★★


古いけれど手入れの行き届いた一軒家に暮らす老人カール・フレドリクセン。開発の波が押し寄せる中、頑なに家を守り抜いてきた。そこは、いまは亡き最愛の妻エリーとの素敵な思い出に満たされた、かけがえのない場所だった。しかし、ついにカールは家を立ち退き、施設に入らなければならなくなる。そして迎えた立ち退きの日の朝、なんとカールは無数の風船を使って家ごと大空へと舞いあがるのだった…。(allcinemaより)


Photo 日本の「風船おじさん」がモデルというわけではないようである。
カールとエリー夫妻は幼なじみ。子供のときはともに冒険に憧れ、それが出会いのきっかけになったところから映画は始まる。やがて結婚して、いつかは一緒に南米に旅しようと2人はコツコツと小銭を貯めるのだが・・・この最初の「頑固な年寄りが出来上がるまで」の部分が泣かせる。
あとは、ひょんなことからカールじいさんの旅の道連れとなってしまう、アジア系と思われる少年ラッセルのかわいらしさに尽きる。ピクサーアニメに登場する人間の子供は、どうしてあんなに動作や表情が生き生きとしていて、笑ってしまうくらいかわいらしいのだろうか。

「カールじいさん」の前に、コウノトリのショートムービーが上映され、アメリカ人の半数以上が神が人間を創ったとマジに信じているというのを思い出す。生き物が人間の都合によって分類されている描写はなんとなく嫌な感じ。

2009年12月14日 (月)

誰かが大金持ちになれば誰かが貧乏になる、当然のこと。

日比谷で観ましたマイケル・ムーア監督の最新ドキュメンタリー。本格公開は来年1月からのようです。

「キャピタリズム 〜マネーは踊る〜」(2009年 米)
★★★★


Capitalism 今日のアメリカの資本主義は民主主義から大きく乖離しているというのを、さまざまな映像をつないで見せていく今作。いつもながら皮肉な笑いに満ちているけれど、切り口の新しさや鋭さはあまり感じられなかった。扱ったテーマが大きすぎたのだろうか。

映画の核となるのは、サブプライムローン崩壊から金融機関救済のための7000億ドル公的資金注入まで。この件については、NHKスペシャルやニュースなどで見ておおよそは知っている内容。NHKスペシャルの特集を見たときは、次々と登場するウォール街の大物たちの顔つきが、みな悪魔か死に神のように見えたものだ。マイケル・ムーア監督としても、行きすぎた資本主義を煽った張本人たちを映画の中に引きずり出し、カメラの前で質問をぶつけたかったに違いないと思うのだが、さすがに相手のガードが堅すぎて、突っ込んでいけないもどかしさが伝わってきた。


しかし、知らなくて驚いたことはいくつかあった。アメリカの民間旅客機のパイロットの年収がわずか1万5000ドル〜2万ドルであることや、民営化された少年更生施設でのとんでもない不正など。なかでも、シティバンクが投資家に宛てた文書にあった、プルトノミーこそが輝く未来を導くかのような表現には唖然とすると同時に、やっぱりなという思いも。
プルトノミーとは「1%の最富裕層が底辺の95%より多い富を所有し、独占的に利益を得る社会」のこと。要するに、1人の農場経営者が95人の奴隷を抱えている社会のほうが国の経済は安定するということを、平然と言い放っているのと大差はない。アメリカ南部の奴隷制度が形を変えて、知らない間に復活していたというのがつまり、映画の中でマイケル・ムーアが言うところの「金融クーデター」なのではないかと思った。

最後のほうで「労働者よ、騙されっぱなしになるな」というメッセージが込められていたのは良かったです。

2009年12月12日 (土)

中国唐代が舞台の名探偵シリーズ

初刊は1951年。『迷路の殺人』から『中国迷路殺人事件』に改題され、さらに今年、新訳・改題で登場したディー判事シリーズ1作目。

『沙蘭の迷路』ロバート・ファン・ヒューリック著/和爾桃子訳
(ハヤカワ・ミステリ 2009年新訳)


新たな任地・蘭坊へ赴任するディー判事。到着寸前に追いはぎの襲撃を受けたのは、多難な前途を予告していたのか。はたせるかな、蘭坊の政庁は腐敗し、地元豪族が町を支配していた。さっそく治安回復に乗りだす判事だが、事件はそれだけではない。引退した老将軍が密室で変死、とりたてた巡査長の娘は失踪するなど、次々に難事件が襲いくる。なかでも元長官が遺した一幅の画と、別荘に作られた迷路に秘められた謎は、判事の頭脳を大いに悩ませる…。(裏表紙より)


Chinesemaze 以前からポケミスでよく目にして、いつか読みたいと思っていたシリーズ。これが第1作目にあたるというので、ようやく読みました。7世紀の唐の時代に実在した政治家・狄仁傑(ディー・レンチェ)をモデルとし、扱われている事件の題材も中国の古い小説からいただき、今でいうところのモジュラー型警察小説に仕上げている。

漢字が多そうだったから、専門的でちょっと手こずるかと思っていたが、まったくそんなことはなく、楽しい読み物だった! 巻頭の序文で松本清張がディー判事とその部下たちのことを「水戸黄門のような〜」と例えているが、まさにそんな時代劇ドラマテイスト。非常に切れ者なディー判事その人は、大岡や遠山など名奉行シリーズを思い出させる。著者の筆による挿絵がまた味わいがあってよいです。すみずみまで眺めてしまうなあ〜。

訳者はジェイソン・グッドウィンの宦官探偵シリーズも手がけている人なのですが、あちらのシリーズと同様、この本にも巻末に付録として、飲食(酒とぎょうざ)に関する解説が添えてある。うーん、翻訳ミステリの読者がついでに興味を持つところをよく分かっていらっしゃる。

2009年12月10日 (木)

中世の若き女性検死医の物語

2007年CWA最優秀歴史ミステリ賞受賞作です。

『エルサレムから来た悪魔』アリアナ・フランクリン著/吉澤康子訳
(創元推理文庫 2009年邦訳)


1171年のイングランド。トマス・ベケット大司教殺害の衝撃もさめやらぬ王国を、ケンブリッジの町で起きた、子どもの連続失踪・殺害事件が揺るがしていた。事件はユダヤ人の犯行だとする声が強く、私刑や排斥運動が起きる。富裕なユダヤ人を国外に追放してしまえば国の財政は破綻し、かばえば教会からの破門は避けられない。進退窮まった国王ヘンリー二世は、シチリア王国から優秀な調査官と医師を(内密に)招聘し、事件を解決させようとする。若き女医アデリアは、血に飢えた殺人者の正体をあばくことができるのか…。(文庫扉より)


Mistressoftheartofdeath_ これは楽しい! 歴史、宗教、医学、サスペンス、ラブロマンスなど、サービス精神たっぷりの小説。CWAの最優秀歴史ミステリ賞というのは正式には「エリス・ピーターズ・ヒストリカル・アワード」と言うのだが、そのエリス・ピーターズの代表作「修道士カドフェル・シリーズ」よりも、エンタメ性では上ではないかと思う。

その理由の一つは、女医(専門は検死)アデリアが、宗教とも当時の女性差別の因習とも無縁なきわめて現代的な考え方を持っており、一方で意に反する相手に恋をしてしまうなど、ヒロインらしいヒロインであること。男性読者はどうか知らないが、女性には共感しやすいキャラクターになっている。他の登場人物たちも個性が立っていて、良い。例えばアデリアの護衛役であるサラセン人の宦官マンスールとか…、こういう人物設定も女性受けなのだろうな、おそらく。


また、サレルノで当時ヨーロッパ随一の医学を学んだ彼女が、保守的なイングランドで、その身分を隠して腕を発揮していく様は、ちょうど今テレビでやっているドラマ「JIN-仁」の面白さに似ているかも。
まずは冒頭のつかみが巧い。サレルノからやってきたアデリアたちは、ケンブリッジへの道中、修道士や修道女、十字軍の騎士などからなる巡礼の一行と一緒になる。そこで、修道院の院長ジェフリーが尿閉の症状を悪化させ、息も絶え絶えになっているところを、異教徒かもしれない人間、しかも若い女性が、葦の茎を使って治療してしまうのだ。驚愕し、「このことは誰にも知られてはならぬ」と恐れおののきながらも、感謝する修道院長!笑
いきなり下半身ネタというのが楽しくて仕方ない。そして、男性の下半身描写はその後もたびたび登場するのだが、これも著者のサービス精神のなせるところと勝手に解釈した。続編に期待します。

2009年12月 5日 (土)

これぞ話によく聞く芸人の生き様

マキノコさんのブログに古今亭志ん生の本のことが書いてあったので、1冊読んでみました。

『びんぼう自慢』古今亭志ん生/小島貞二編集
(ちくま文庫)

「貧乏はするもんじゃありません。味わうものですな」その生き方が落語そのものと言われた五代目古今亭志ん生がこの世を去って三十有余年。今なお落語ファンを魅了してやまない師匠が、自らの人生を語り尽した名著。(文庫裏表紙より)


Binbojiman 大震災に空襲に満州足止め…、いろいろ大変な目に遭いつつも、妻子を抱え赤貧を生き抜くことに比べたらへでもないという調子で語られるところがいいです。そもそも貧乏の原因は、収入があるとその日のうちに「呑む、打つ、買う」に使ってしまうからだが、50、60歳近くまでそんな生活が続けられるというのは、秘めてるパワーが半端じゃないからだ。弱っちい人間は若いうちに日の目をみようとあせるが、本当にパワーがある人間は大器晩成と余裕でかまえて、生きたいように生きる。そして、落語の場合は、そのすべてが芸の肥やしになる。
ずっと文句もいわず付き添ってきた奥さんの苦労が、晩年は報われたようで、よかったよ〜。

マキノコさんがいうように、なめくじ長屋の話が特に面白かったです。湿気が高くて家の中も蚊となめくじがいっぱいで、壁にはなめくじが這った後が、きらきらと輝いて模様を作っているとか。

笑える貧乏話が好きな人はけっこういると思うが、なぜだろうかと考えると、貧乏も面白がってしまえるたくましさを眩しく思うのに加え、貧乏イコール束縛されない自由を想像して憧れるせいもあるからだろう。しかし、あくまでも、本当に困った時には助けてくれる人たちが周りにいる、そういう社会があるという前提があってのこと。今の社会は自分の明日のことばかりが心配で、そんな度量をなくしている。

ん?それは私か。


*****************************************


最近ボケが進んでいる自分。特に11月はいろいろありすぎた。年齢によって一晩の睡眠くらいでは疲れが取れなくなっている状態で、緊張を要する仕事が重なると、脳が考えることを停止して、頭の中がつかのま空っぽになってしまうのだ。この症状はとってもまずい! 何度か冷や汗までかいた。

うちの会社のワークシェアリングはなしくずし状態。むしろ休業日は集中してやらなければできない仕事を家で片付けるのにうってつけ。人手が足りなくて、有給休暇も名目だけになっていると社員はみなブツブツ言っているが、そんなさなかの土曜日に、会社が旅費全額持ちでの全員参加の社員旅行(バスツアー)があり、私は寝坊をしてしまい当日キャンセル。そしたら理由が理由だからと、旅費は当月の給料から引かせてもらうと総務からの通知が来た。

…そりゃあ自分が全面的に悪いのは分かっちゃいるよ。でも、なんか納得いかない。減額される一方のお給料。これではますます気持ちが腐ってしまう。会社は来年も就業時間短縮制度を続ける意向らしいが、だったら社員旅行なんかやめてしまって、せめてそのぶんを給料に回してくれたらどうか。


そんな腐った気分をやや復活させてくれたのは、北村さん来年1月からの連続ドラマ初主演のニュース。おめでとうございますっ! 我がことのように目出度い! ほかに希望がないから余計に…あ〜典型的なおばちゃんのつぶやきでした。

« 2009年11月 | トップページ | 2010年1月 »

インデックス

無料ブログはココログ