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2009年11月15日 (日)

水が運ぶ運命

こちらもイギリスらしいミステリ。

『水時計』ジム・ケリー著/玉木亨訳
(創元推理文庫 2009年邦訳)


11月、イギリス東部の町イーリーで氷結した川から車が引き揚げられた。トランクの中には銃で撃たれた上、首を折られた死体が入っていた。犯人はなぜこれほど念入りな殺し方をしたのか? さらに翌日、大聖堂の屋根の上で白骨死体が見つかり、敏腕記者のドライデンは調査をはじめるが──。(東京創元社HPより)


Waterclock 新聞記者ドライデンと妻ローラは1年前に交通事故に遭い、何者かによってドライデンだけは救出され病院に運ばれたが、そのまま放置された妻はいまも病院で昏睡状態にある。ドライデンにとってはなぜ妻が一緒に救出されなかったのかが、吹っ切れない謎だ。
そして、氷結した川の下および修繕工事中の大聖堂の上から偶然発見された2つの死体、やがで浮上する30年以上前のガソリンスタンド強盗事件、さらにはドライデンの子供のときのある出来事、降格に怯える刑事、ジプシー居住地の問題、町を襲う大洪水など、これだけの厚さの本の中にいろんな要素を盛り込みすぎだ! 
でも、最後にはきれいに収まるんだな。殺人の真犯人については漠然とした予想が外れてがっかりだったけれど。あとがきによると読み直せばちゃんと分かるらしい…。最近、物忘れがひどくて読む端から忘れてしまう。


ユニークな点は2つ。まずは舞台となる町。ケンブリッジ北東のイーリーはフェンズと呼ばれる沼沢地帯にあり、人口は1万5000人ほど。町のシンボルのイーリー大聖堂で有名らしいが、まず訪れることのない地域だ。またしても画像などをネットで検索しながら読んだ。こういうところが翻訳小説は楽しい! しかし、実を言うとこの小説、文章だけではイメージしにくい場面が多かったのだ…。例えば大洪水の場面で「風が戻ってきた…(略)…水浸しになっているにもかかわらず、泥炭の表面が乾いて、赤茶色の土煙が立ちのぼるようになっていた」という文章。うーんどんな光景かまったく想像つかない。泥炭地とはそういう感じなのだろうか。イギリスでは水道事業から洪水対策まで水管理が民営化されているという事実にも驚かされた。案の定というか、それによって問題を抱えているらしい。

もう1つは、ドライデンお抱えのタクシー運転手ハンフ。タクシーを住まい代わりにしている変わり者のデブ男。シリーズ化されているそうなので、そうしたらユーモラスに感じる部分がもっと増えそうな予感。

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