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2009年11月21日 (土)

今度はナチ占領下のフランスにならず者大集合!

金曜日に観ました。夜遅くの六本木の映画館の外国人率高し。それでもしょっぱなから一人、大声を出して笑っていたのは日本人。その不自然に引きつった笑い声がはた迷惑。


「イングロリアス・バスターズ」(2009年 アメリカ)

★★★★★(−☆)


Inglourious 面白かった〜。とにかく俳優たちがみ〜んな魅力的に見える! クエンティン・タランティーノ監督の腕の良さはまずはそれだと思う。端役に至るまで、彼ら彼女らの演技、表情に味わいがありすぎて、それだけで飽きない。
なかでもユダヤ・ハンターとの異名をとるランダ大佐役のクリストフ・ヴァルツの存在が圧巻! 何もかも見透かしているようなその笑顔、饒舌っぷりが怖い怖い。なおかつ愉快。上手い俳優さん。
そして、一家をランダに殺されたユダヤ人女性ショシャナを演じるメラニー・ロランのヒロイン度も文句なし! 美しくかつ強いヒロインは、タランティーノ映画のお約束だね。オープニングから「遙かなるアラモ」の音楽が使われていたが、彼女が頬紅を入れる場面は白人対アパッチ族を思わせたりと、ネタの基本はやはりウエスタンなのか?

ほかに、ドイツ軍の青年兵士役ダニエル・ブリュールも、無邪気なゆえの鈍さや残酷さを演じるのにうまくはまっていたし、とにかくヨーロッパのあまり知らない俳優たちがいい。あっけなく殺される兵士まで、すごくいい顔をしているの。映画の宣伝ポスターで真ん中にドンと立っているブラッド・ピット(連合国軍側の残虐な暗殺部隊のリーダー)は、実は映画の中心人物ではないけれど楽しい役だ。彼が率いる、一見マヌケ風な暗殺部隊の中で印象に残ったのはB・J・ノヴァク。昔の宗教壁画そのままの顔だなと思って見ていた。伝統的ユダヤ人顔なんだろうな。視点を変えて、出演者中でいちばんの正統系ハンサムは、酒場シーンに登場したギデオン・ブルクハルトか? まあ美形男探しはタラ映画には不要な視点なわけだが…。同じ場面ではアウグスト・ディールも、ウォーケン風な不気味さがあって面白い。てことで、豪華キャラクター勢が楽しめる映画でありました。


緊張感とユーモアが合体した内容も素晴らしかった。会話による駆け引き場面がいくつも出てくるが、その一つひとつが、短編としても成立しそうなくらいの面白さだった。2時間30分もある映画なのに、こんなにあっという間に感じた作品もない。さらにエンディングのスタッフロールの短さにも感動した(いつもだっけ?)。これもタランティーノ流の映画愛のあらわれだよね。クソ長いスタッフロールって単に身内受けじゃんといつも思う。

満足度100%だったが、半星マイナスになったのは、自分がドイツ人だったら、最後の修羅場を見終わって深いためいきをついているかもと、ちらっと頭をかすめたからだ。ナチス親衛隊とドイツ人は現在では切り離して考えることが浸透しているし、この映画では史実をあえて無視して笑いを誘うのだが、タランティーノがこの題材を取り上げた理由がいまいち分からんなあ。ナチスとユダヤ人の映画がいまだ年間何本作られているのかを考えると、日本人の私でもうんざりする。日本人だからか?

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コメント

ひめさんおはよ♪

わあー、これ読んだらさっそく観たいっっっ
&千葉でも幕張でもやっていて
良かった♪

タラ&ブラピなら
とにかく観なくちゃ♪です。

今回も音楽良いみたいですね♪
良かったら、サントラも買っちゃおうかな?

また観たら報告します♪

マキより
ひめさんへ(はあと)

>マキさん
どうやらいろいろな過去の映画のオマージュが盛り込まれているらしいですが、
私にはひとつも分かりませんでした。
でも、個人的にはタラ映画の中でいちばん楽しんで観たかも。
報告、楽しみにしてます!
残虐な場面が苦手じゃないといいですけど…。

タランティーノは『パルプ・フィクション』と『キル・ビル』と観ましたが、書かれている通り場面場面が面白いですよね。カット割りって言うのかな?写真に近い感じで印象に残りました。その場面がアルバムのように繋がっている感じ。たとえば一つの旅行のアルバムに記念写真をセットしていく場合、時系列で並べなくても共通した雰囲気っていうのが出てくるでしょう。彼の映画にはそんなことを感じます。タランティーノは音楽は好きなんですかね。音楽のアルバムを構成する感覚で「曲」を並べて映画を創ってるのかなあという妄想が浮かびましたので。

>k.m.joeさん
おっしゃるとおりで、この場面ではこれを見せたいというのが明確にあって、
最も効果的な絵をどんぴしゃで切り取って見せるんですよね!
きっと昔の好きな映画を研究してて、それを真似ているところも
多いんでしょうけど、全部、自分のものにしてしまっているところがすごい。
でもって、今作は一流の風格を感じさせながら、
相変わらずやりたい放題なところも好きです(*^-^)

音楽の趣味は、やっぱり過去の映画が手本になっているように思いますが、
確か組曲のような構成になってますね。
そんなところもコミック以降の世代には親しみやすいかもしれません。

ひめさん、こんばんは♪
&ただいま~♪

さっそく親父に送ってもらって
千葉で観てきましたヽ(´▽`)/

文句なしですね、これ。
すごくうまい。
個人的に、ブラピの精一杯の演技もかわいいと思ったり・・・。
(↑ほほえましい)

ただな~
やっぱりテーマからして重いじゃないですか。
作品として完璧だから
そこらへん余計きちゃうというか・・・。
(その点に関すればマキはパルプの方が軽さがあって好きかな?)

役者、みんな上手ですよね~(* ̄ー ̄*)
(ブラピを抜かして・・・?)

母と観たのですが
母は今年観た映画の№1だって言ってました♪
(マキはやっぱ「アンヴィル」かな~ヽ(´▽`)/)

いつもステキな映画を紹介してくださり
どうもありがとう。
感謝~♪

(関係ないけど、この前「天才マックスの世界」
やっと観られました♪
これも最高でした♪)

マキより
ひめさんへ(はあと)

>マキさん
こんばんは。もう観てきたんですね!
感想コメントありがとうございます。
歴史を扱うのは難しいですね。
ブラピ部隊より、親衛隊の大佐とショシャナの物語が印象に残り、
ふざけたフィクションというのを一瞬忘れてしまいます。

ブラピは「バーン・アフター・リーディング」のほうが
個人的には良かったです。髭が似合わない…。
でも、お母様と同じく、純粋に映画に魅せられてしまうという点では
今年一番の気分です。

ウェス・アンダーソン監督の新作も早く観たいですね。
なんと全編アニメですってよ!
http://www.youtube.com/watch?v=dvAI6jYmM_8

ひめさん、こんばんは♪

あのトラバしたかったんですけど
例の如くやり方がわからなくて(´ρ`)ぽか~ん
強引にコピペしちゃったんですけど~♪

よかったら読んでみてください♪

あ、
ウェスアンダーソン!
うわー、これめちゃんこおもしろそう~♪
(つーか、マキのどストライクheart02

↑いつ日本公開なんだろう?
絶対観なくては・・・♪

マキより
ひめさんへ(はあと)

>マキさん
こんばんは。
私もトラックバック、
引っ越してきてから一度もしてなくて分かりません(゚ー゚;
本当に疎い。
ブログサイトが違うとやり方が違うと思いますが、
「記事を書く」ページの下のほうに
「相手先のトラックバックURLを入力」というような欄はありませんか?

試しに私からトラックバック送ってみました。ちゃんと行くかな?

なるほど、あの頬紅はインディアンか! オマージュの対象となった過去の映画など全く知らないけど、
一緒に観た連れが「タランティーノって本当に映画が好きなんだなあ」と悦に入って言うくらいだから
観る人が観れば数倍楽しめるのでしょうね。
音楽はグローバルだし、英語・フランス語・ドイツ語・イタリア語が飛び交うのも楽しかったね。
それだけに不満は最後のヒロインの映像での台詞が英語だったこと。
映画として残すという伏線はあった(もしかして後から差し込んだのか?)にせよ、
誇り高きフランス人が自分のこと「ジュー」なんて。マルセル、Burn It Down(だっけ?)て何だかなあ。。。と思ってしまった。

アンヴィルを結局2回観に行き、2番館で「レスラー」を堪能。2009年はこれで決まり!ってな感じです(^^)

YamaYamaCさんがアンヴィル2回観に行ったというのが受けたhappy01
今年はレスラーも良い映画だった! この2本は雰囲気が正反対だったけれど、どっちも染みるよね〜。

イングロリアスは、いかにも映画的なインディアン・ネタがけっこうありましたね。
ナチスドイツがユダヤ人に対してやったことを、アメリカだって原住民に対してやってきたというメッセージなのかとか、後で考えるといろいろ解釈できますが、そんな考察は邪魔くさいと思っていそうなタランティーノでした。

最後のほうが英語って、ぜんぜん気づいてなかった笑
ドイツの青年兵士と最初に会ったときも英語でしたかね?
でも、ヨーロッパを舞台にしたアメリカ映画の会話が英語が多いことを、アメリカ人がどこでも英語で通すことを見事に笑いのネタにしてましたね。あれは面白かったです。

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