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2009年10月22日 (木)

一輝映画2本

Acacia 仕事休んで東京国際映画祭に行ってきた。今日は北村一輝が出演している作品が午前、午後とたまたま続けて上映されたため。てことで北村ファン目線によるメモ。


1本目は「デジタル三人三色2009:ある訪問」
韓国のチョンジュ国際映画祭がお金を出して、韓国、日本、フィリピンの監督に短編を製作させたオムニバス作品。北村さんは、この中の河瀬直美監督の「狛−KOMA」というのに「男」という役名で出演。ストーリーは奈良県のある村に住む女(中村優子)と、祖父の遺品を携えて村を訪れた在日韓国人3世の男(北村)の交流。


河瀬監督の映画は「わけ分からない」とかいうのをよく聞くわけだが(自分は未見)、これは30分くらいの長さなので緊張感が途切れず、テーマもシンプルで分かりやすく、退屈せずに見られた。少なくとも3本の中ではいちばんクオリティが高いと思った。
上映後の監督への質疑応答で分かったのは、シナリオは大筋が書いてあるだけのペラペラなもので、あとは出演者の即興であるということ。人物の背景も演じる人に任せているそうで、自分で膨らませることができる人に出演してもらっていると話していた。そうだろうよそうだろうよ、北村さんは下準備でそれをしっかりやる人だと思う。



2本目はコンペティション部門作品の「ACACIA(アカシア)」
辻仁成の監督/脚本、アントニオ猪木主演。函館の老人ばかりが住む団地を舞台に、元悪役プロレスラーの男と母親に捨てられた少年との出会い、および家族の再生を描いた作品。北村さんは、市役所の福祉課職員の役で、孤独な老人と接するのに腹話術人形を使って心を開かせるという、ふだんはあまり与えられない普通のいい人の役だ。


映画撮影中から情報が入ってきていたわけだが、辻仁成といえば、ある種の先入観に私も侵されていてまったく期待はしていなかった。おまけに出資した会社の経営が危なくなり公開も延期されたらしく、こりゃだめだと思っていたら、今回まさかのコンペティション部門への選出。それでも予告トレイラーを見る限りじゃ、出演者の演技がひどいし、やっぱり期待などこれっぽっちもなかったわけだが、あらら意外にまともな作品ではないの。
まともという言い方は失礼だな…。足りない部分はあるけれど、函館という舞台がよかったし、外国の映画のように映像を楽しめた。監督の外国での生活が、日本の風景の生かし方に個性となって表れたのか。それともスタッフが優秀なのか。猪木も子役も予告で見るより演技が自然だったし、川津祐介が演じる老人のサイドストーリーが面白い効果を発揮していた。彼は保険金のために事故に見せかけて自殺を図ろうと企てたのだろうかと想像した。


そして、この映画も上映後に監督への質疑応答があったのだが、そこで北村ファン的には実にナイスな質問をしてくれた人がいたのだ。腹話術を使う市職員の役はなぜ北村さんだったのかという趣旨の質問。

監督曰く、まず友人である北村に出演してもらうというのは決まっていて、最初のシナリオを見せたところ、北村から「これでは父の息子に対する思いが伝わってこない」と言われたという。そこで監督が考えついたのが、腹話術を取り入れること。撮影までに時間はなかったが、文句をつけた手前、本人も断れないだろうとやらせてみたところ、「専門家の指導で、普通は3年かかる腹話術の技を彼は1週間でマスターしてきた。その後、練習のしすぎで手が動かないと言いつつも、1週間で出演シーンを撮り終えた」と。
さすがに人形の声は若干聞き取れない部分があって、そこだけはあとで吹き替えたそうだが、人形の口元、まばたき、そっぽを向く、うなだれるといった動きを手で操りつつ、演技にもまったく無理がなく、さらに人形をとても可愛らしく見せていて驚いた。役になりきる人、北村伝説がまた一つ生まれたな、とうれしくなった次第。

こちらの映画は来年の春に一般公開が決定。ビデオスルーにならなくてよかった。

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コメント

お~!一輝さん2本立て!1日で済んで良かったね(笑)
私もせっかく水曜日の「スペル」チケット取ってたのに(><)体調不良でキャンセルしちゃった。
今日、映画祭で「笑う警官」観に行きま~す!
いまいち、コンセプトもわからないこの映画祭。
この際、国産映画に的を絞ったらどうか。

>えむさん
レッドを応用して、今さら「グリーン」のキャッチフレーズは恥ずかしいよね〜。といいつつ、どんなグリーンな試みをしているのか調べてないけど…。
スペルもやってるとは知らなかったです。笑う警官はキャストが渋いね。面白かったらおすすめください。

体調は完全復活? 私は今日から発熱。気づいたときには風邪菌をあちこちにばらまいた後だった…。

映画の疎い私ですが
今日、アンを探して の試写会に行って来ました!
良かったっす!

機会があれば見てちょんまげ!

>goodさん
こんばんは。
公式行ってきました〜。主演の彼女は、テレビのバラエティで見るたびに痛々しい感じがしていましたが、映画の予告を見ると、映画の世界にぴったりな雰囲気をもっていて意外!
映画館にはいかないかもしれないけれど、忘れずに見ますよ。

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