« 謝らない女 | トップページ | ゆたーはゆたーたい »

2009年7月12日 (日)

「お嬢さん、あなたの目は美しい。とくに右目が」

『麗しのオルタンス』ジャック・ルーボー著/高橋啓訳
(創元推理文庫 2009年邦訳)


哲学を専攻する美しい女子大生オルタンスは、パンとケーキの店でアルバイトし、世の男どもをパンを買いに走らせる。それを眺めるアレクサンドル・ウラディミロヴィッチは食料品店で暮らす、さる高貴な血を引く猫。彼は大哲学者の雇う雌猫に心を寄せている。そんな平和な街に起きた〈金物屋の恐怖〉事件!…(文庫扉より)


Labellehortense ミステリ小説と思いきや、ミステリ小説の形式をパロディったユーモア小説でした。第一、推理の対象となる事件が人を食ってる! 事件内容そのものが意味不明!笑

著者ジャック・ルーボーはフランスの詩人で数学者。これは1985年刊行と、比較的最近の小説だが、今ではあまり使われなくなった「ナンセンス」という表現がぴったりの、どこか懐かしさを感じさせる作風。それもそのはず? ルーボーは、1960年にレーモン・クノーと数学者フランソワ・ル・リヨネによって創設された実験文学集団〈ウリポ〉のメンバーだそうで、その創設期の精神を受け継いでいると思われる作風は、もはやフランス文学の正統という気すらする。そのためか、ぶっとんだ内容に対する驚きはそれほどでもなく、ユーモア小説として楽しむのがいいと思う。

しかし、私はひねったユーモアの半分も理解できなかったよ…。3分の1はクスっと笑え(主に人物描写)、3分の1は意味が分からず(主に言葉遊びや哲学パロディ)、残り3分の1は、著者が「私」としてしばしば登場して物語を中断させるのが笑いのツボにはまることもあれば、うざったく感じることもあり…。でも、付属の物語であるアレクサンドルとチューチャという名の猫の話は、すごく印象に残りました。

« 謝らない女 | トップページ | ゆたーはゆたーたい »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1175528/30517563

この記事へのトラックバック一覧です: 「お嬢さん、あなたの目は美しい。とくに右目が」:

« 謝らない女 | トップページ | ゆたーはゆたーたい »

インデックス

無料ブログはココログ