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2009年7月12日 (日)

ゆたーはゆたーたい

投票率が劇的に上がらない限り、公明党だけは必ず勝つのだ。…はあつまらない。


『逃亡くそたわけ』絲山秋子
(2005年刊行 講談社文庫)


Touboukusotawake 自殺未遂で福岡の精神病院に入院させられた「あたし」(花ちゃん)は、同じ病棟に入院していた名古屋出身の「なごやん」をむりやり誘い、病院を抜け出して、おんぼろ車で逃亡をはかる…。


躁や鬱のことは分からないが、計画なしにふらっと旅に出たくなる気持ちは常々あるので、このロードノベルには共感するところが多く、楽しく読みました。
逃亡をはかった若い男女2人は、成りゆきで九州を南下する道を選んだことから、九州の血が流れていることを素直に誇りに思っている花ちゃんは、故郷の土地と自身のつながりを再確認し、一方、名古屋生まれであることにコンプレックスをもち標準語しか話そうとしなかったなごやんも、花ちゃんとの対話を通じて、故郷への気持ちに変化が生じたようだった。分かつことのできない風土と人間、旅の効用の一面が、精神を病んだ主人公たちを借りて描かれていると思いました。

著者は東京生まれとのことだけど、方言の活かし方がうまいです。コテコテの方言を話す花ちゃんは、繊細さとたくましさを備えて魅力的。同じ著者のもっと長い話があったら読みたいな。本当はこの作品も倍くらいのページ数は欲しかったです。これを長編と呼ぶのはどうなの?

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コメント

ひめさん、こんばんは♪

この記事で初めて(作家も作品も)知りましたが
ぜひ読んでみたいです♪

(さっそくPCからAmazon行かなくちゃ!)

そーいや
過去、やっぱりひめさんの記事で(たまらなく)読みたくなった
「聖家族」
一度注文したのに(キャンセルされちゃって)
いまだに未読なんですよね。
思いだした時に、Amazonで探すんですが・・(徒労)

マキより
ひめさんへ(はあと)

マキさん、こんばんは〜。
すごく久々に芥川賞受賞作家の本を読みました。
なんてことのない話のようで、そのなんてことのなさがいいんですよ。
センスがいいの。
これはマキさんも好きではないかと勝手に思います。
文庫、薄いから安いってのもあって、遠慮なしにおすすめしちゃいます(笑

そうだ、そうだ、名前に見覚えがあると思ったら
芥川賞受賞の作家さんだった。
バリバリの営業ウーマンだったけれど頑張りすぎて鬱病になったというインタビュー記事を新聞で読んだんだっけ。
自分の経験もふまえての作品のようですね。
今週は時間があるのでいろいろ読んでみたいと思います(^^)

>ふぁびゅらすさん
1966年生まれだそうで。この世代の女性が転勤もこなしながらの営業職をやるって、相当大変だったんじゃないかなと想像してしまいます。
小説には病気だったときの経験や知識は活かされているだろうけれど、作風からは鬱病になるタイプという感じがぜんぜんしないんですよね。あまり性格と病気は関係ないのかな…。

ひめさん、こんばんは♪ &今日届いてさっそく読みました!


いやー、精神科歴10年以上のマキなので
妙なリアリティーもあって(出てくる薬に「飲んだ飲んだ」と一々反応)
過去を(少しだけ)思い出しつつ
最後までダダーと読めました♪

ロードムービーを見ているような
リズムのある物語でしたね。

マキは、ずっとこうウツ剤を飲んでいたくらいなので、躁にはなったことはないのですが、
マキの服用しているステロイドには副作用で
精神をおかしくさせたりもするんですね。
(ステロイド精神病と言われています)

それなので、入院するとまわりも高ステロイドの患者さんが多くて
(膠原病指定病院なので)
たまに、ステロイドハイ(躁病とそっくりの状態)になる人が居たりして。
(逆にマキはウツ状態になっちゃう)

内科病棟なのに、一種異様な感じに包まれたり・・。

物語の「あたし」には共感もあるのに
実際に躁の人って、ちょっと怖かったりするので
その「あたし」と付き合う「なごやん」はえらい男だなあ〜と。


この本を記事に紹介してくれて
本当にどうもありがとう。
読んでよかったです♪

マキより
ひめさんへ(はあと)

マキさん、こんばんは〜。
読むの早い! そして感想ありがとうございました!

ステロイドでそういう副作用があるとは知りませんでした。
併せていろいろな薬を服用しないわけにはいかないのですね。

躁の症状てのは、一般にはハイテンションくらいの認識しかないところがあって、でも実際には暴力的な面が出て来てしまう人もいるみたいですね。周りから病気と理解されにくいのがつらいとか。

私は胃潰瘍になったときに精神安定剤を知らないうちに処方されてて、分かってから断ったんだけれども、それでもなんともなかったので、病気自体まったく大したことない。薬ともほとんど無縁の生活を送ってきたので、この小説の2人が躁と鬱というのもあまり実感なく読みました。
薬で症状を抑えていたからだろうと思うけれど。

なごやんはやさしい人だよね。あと、いきなり団子が食べたい(笑
楽しんで読んでもらえて安心しました。

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