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2008年10月19日 (日)

缶詰というものを見直した。

そんな感想かい!
ピューリッツァー賞フィクション部門受賞作ですが、私を含め、映画「ノーカントリー」原作者の最新作ということで興味をもって読む人が多そうです。

『ザ・ロード』コーマック・マッカーシー著/黒原敏行訳
(早川書房 2008年邦訳)

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数年前に起きた何かの大惨事によって、ほとんどの生き物...草木すらも死滅した世界。生き残った男とその幼い息子。空は晴れることなく、大地は灰におおわれ、町は焼けただれている。厳しさを増す冬の寒さから逃れるために、2人は南へ向かって旅を続ける...。


ほとんどが静寂。しかしたまに、生き残った人々が共食いしているところにも出くわす恐ろしい世界です。父と子は彼らの目を逃れながら、ときに火もたかずにふるえて眠り、孤立した民家などに略奪されずに残った缶詰などを見つけて命をつないでいきます。父親にとって息子は生きる理由のすべてだが、息子を愛するほど苦しみも大きい。大惨事後の世界しか知らない息子に、精いっぱいの生を享受させてやりながら、一方でいざとなったら銃で自殺する方法を教えたりしています。シンプルな構成で、驚くような展開もない。しかし、淡々とした文章に引き込まれます。

わずかな光も見いだせない世界の描写が続くなかで、父と子の会話が少しずつ変化していくところが面白いです。他人を信用するな、近寄るなと教える父に対して、困っている人は見過ごせないと次第に抵抗を示し始める息子。言葉では対立しているようでも、父親はそんな息子のなかに「火を運ぶ人」を見いだしています。火は希望です。
小説の中の出来事はほんの数十日間のことだと思いますが、その間に息子はみるみる成長し、最後には父親と立場が入れ替わったように思える瞬間がありました。父親が息子に託したかったものはしっかり受け継がれたと感じたので、ラストの一文は美しいけれど唐突でした。なくてもいい。いややっぱりあったほうがいい?


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最近また、何年かぶりに、毎日お弁当を作るようになりました。ひとり暮らしなので残ってしまう食材を、冷蔵庫の中で腐らせてしまうことがなくなり、食費が抑えられる。作ったおかずを晩と昼に分けて食べることでダイエットにもなる。安い弁当に使われている材料に神経質になる必要もない。いいことづくめだ...。 何より堅実な生活を送っているという満足度が高い。残業さえ増えなければ続けたいです。しかし、残業がないと会社がやばい気もするし、不安はくすぶっている...。

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