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2008年10月13日 (月)

コールドケースを追う

読み続けてきたハリー・ボッシュ・シリーズ。ようやく最新刊にたどりつく。

『終決者たち』マイクル・コナリー著/古沢嘉通訳
(講談社文庫 2007年邦訳)

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元相棒キズミン・ライダーの誘いで、3年ぶりにロス市警に復職となったボッシュ。配属されたのは優秀な刑事が集う未解決事件班で、DNA分析によって新たな手がかりを得られた17年前の少女殺人事件が、さっそく2人に割り当てられる...。


日本には時効が存在し、時効になった事件を窓際部署の警官がひまつぶしに捜査するというドラマがあったが、時効のないアメリカの、ロサンゼルスには迷宮入りの凶悪事件を専門とする部署があり、「終決者(クローザー)」を自任する選り抜きの刑事たちが捜査に当たっているということらしい。 該当案件は8000件(本書より)もあり、再捜査の対象に選ばれるのはかなり低い確率。しかし、そのかなり低い確率に当たってしまったのが例のロス銃撃事件ってことになるのかなと、ちらっと思い浮かべながら読んだ。

本の扉にある「深淵を覗きこまなければならない刑事たちに捧ぐ」という言葉が、読み終わってずしりと響く。深淵とは、未解決事件の関係者の心の中に巣くい、深く根を下ろしてしまったもの。

相変わらず面白かったけど、本作はいままでのシリーズとは雰囲気が少し異なる。初心に戻ったというか…。はみ出し者だったボッシュが、市警本部長じきじき励ましを受けたり、パートナーを常に気遣ったり。本流の刑事として組織のルールを守って活躍するところが違う。そして、前作の感想で「かかわった女とすぐに関係をもつ」とケチをつけたのが聞き入れられたのか笑、本作にはそのような場面がないのが画期的じゃん。元妻のエレノアすら登場しないのが良かった。私はあまり好きじゃないんだエレノア。それでもボッシュが動くと新たな不幸が生まれるさだめなのは変わりなく、ボッシュ・シリーズの個性は失われていない。

しかし、新しい本部長もかなりの策士だわ。どうやらボッシュが1週間で事件を解決できると見越してもいたようで。今は良い関係でいるが、敵に回したらそうとうに手強そうです。

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