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2008年10月14日 (火)

9月に借りたDVD

少し時間がたってしまい、記憶がおぼつきませんが。

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「サン・ジャックへの道」(2005年 フランス)
★★★★★
心洗われるような自然の風景、笑わせて最後にちょっと泣かせるロードムービー。こういう映画がもっと観たい!
フランス国内からスペインを横断し、カトリックの聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラまで1500キロに及ぶ巡礼ツアーの御一行様は、母の遺産を相続するために渋々参加した仲の悪い3兄妹弟や、好きな女の子に近づくために参加したアラブ系移民の少年とその従兄弟、夫と別れガンが治癒したばかりの女性など、動機がばらばらなのが面白い。物質に囲まれた日常の便利さから離れて、身一つで(携帯電話はあるけど)毎日ひたすら歩く旅の面白さも十分に堪能しました。コリーヌ・セロー監督作品。
右の写真は好きな場面の一つ。前日、どこの宿泊施設も満室だったため学校の教室で寝ることになった一行が、この日はなんとかまともな夕食と宿泊所にありつけた、その交渉場面。宿泊予約ができないというのは、歩いての旅だからなのだろうけど、こういう自由さも旅の醍醐味の一つですね。自分にはできない体験なのだけれど...。

「その名にちなんで」(2006年 アメリカ/インド)
★★★★
インド系作家ジュンパ・ラヒリのベストセラー小説を映画化。1970年代、インドからアメリカに渡った若い夫婦。やがて子供たちが生まれ成長していく中で、ベンガル人としてのアイデンティティにこだわる両親とアメリカ育ちの子供たちの間で溝が生じる...。
登場するベンガル人が裕福でインテリ。職を求めて移住する貧しい人たちではないので、移住先でも暮らしは安定しており、何か特別な展開があるわけでもないのだ。割と普遍的な親子関係の話になっていて共感しやすかったです。インドとアメリカを行き来する映像が美しい。私はてっきり父親が、冒頭のインドでの列車事故で前妻と娘を亡くしたと勘違いして見ていたので、息子にゴーゴリという名前をつけた理由も勘違いしていた。「ゴーゴリの外套から生まれた」という台詞は父親の言葉だと思ったら、ドフトエフスキーだったんですね...。
DVDにはどこかの大学で行われたこの映画製作についてのシンポジウムの様子が入っているのだけれど、ミーラー・ナーイル監督はじめ、製作、脚本、美術、衣装、編集も女性だったのが印象的だった。

「黒猫・白猫」(1998年 フランス/ドイツ/ユーゴスラビア)
★★★★
サラエヴォ出身のエミール・クストリッツァ監督作品。ベオグラードはドナウ川のほとりの貧しいロマ集落の日常を描いたドタバタコメディなんだけど、マフィアのゴッドファーザー(最強キャラ)の存在によってなんとか秩序が保たれているものの、そのあまりにはちゃめちゃな生活ぶりに最初は戸惑った。出演者の多くが素人で、その素人のロマたちの風貌にも戸惑ったと、正直に書いておこう。
親のギャンブルのかたとして好きでもない娘と結婚させられそうになる若者が、なんとか寸前で逃れ、本当に好きな娘とともにロマ集落を出て行こうとするとき、「行きなさい。ここには太陽はない」と言ってこっそり蓄えていたお金を渡す祖父...。バカ騒ぎ映画が一瞬にして締まった気がした。

「オリバー・ツイスト」(2006年 イギリス/チェコ/フランス/イタリア)
★★★☆
チャールズ・ディケンズの名作をロマン・ポランスキー監督が映画化。プラハの撮影所に再現された19世紀ロンドンの街並みが見事です。お金かかってます。
もちろん原作はフィクションと承知で・・・日本では江戸時代かそれ以前から子供をみんなで可愛がって育てる風習があったけれど、以前のヨーロッパはそうではなかったみたいだから、オリバーをはじめとする幼い孤児たちが救貧院で労働力として酷使されたり、5ポンドで身売りされるのもまんざらありえない話でもなさそう。その流れで、子供も一人前の個人として扱われるところもあるのだろう。
オリバーくんと少年スリ団のリーダーの子役が可愛かった。そのスリ団を束ねるフェイギン役にベン・キングズレー。すごい変装ぶりと演技で、出演を知らないで見ていたらキングズレーと気づくまでしばらくかかっただろう。

「天然コケッコー」(2007年 日本)
★★★☆
くらもちふさこの漫画を映画化した青春もの。山下敦弘監督。映画館で予告を見たときから見たかった。少女漫画が原作とは知らず、もっとファンタジー色の強い作品と勝手に想像していたら、のどかな田舎での中学生の少女と転校生の少年の淡い恋をストレートに描いた映画だった。なんとなくアッバス・キアロスタミ監督作品を思い出した。特に最後のほうで、誰もいない教室をカメラがゆっくり回って映し出し、風にそよぐカーテンをとらえるところとか。
子供たちが一緒に海に行く場面も良かった。同じド田舎育ちなら、ああいうきれいな海のあるところで育ちたかったなあ。ロケ地の島根県浜田市にとっては、いい記録映像になったでしょうね。時間を経てからのほうが価値が出そうな映画。

「プラネット・テラー in グラインドハウス」(2007年 アメリカ)
★★★
ロバート・ロドリゲス監督のゾンビ映画。本来はタランティーノの「デス・プルーフ」と2本立てで公開されるはずだった作品を再編集。昔のB級映画らしくしようとして、だけど、いくらなんでも自由奔放すぎるだろうと思いました。しかし、それがこの映画の本当のテーマか?
ローズ・マッゴーワンとマーリー・シェルトンという女優2人の人選が良かった。さらに、ジョシュ・ブローリンが出ていたのが儲けものだった。でも、実はいちばん楽しかったのは、本編前に入っているダニー・トレホ主演の架空のアクション映画の予告だったりする。トレホ好き。

「幸せのレシピ」(2007年 アメリカ)
★★☆
ドイツ映画のリメイク。キャサリン・ジョーンズが美しい。最初のほうでエプロンを着け、腰辺りのシワをさっと手で伸ばすときの姿勢の良さや優雅な動きにはうっとり。しかし、それ以外がどうだったかよく覚えていない...。アーロン・エッカートはけっこう好きなのに、この映画の役はつまらないなあ。

「魍魎の匣」(2007年 日本)
★★
京極夏彦原作“京極堂シリーズ”の映画化第2弾(1弾と間違えて借りた)。原田眞人監督。原作は知らないけれど、舞台は1952年の東京なのに映っているのはすべてが大陸サイズ。中国の撮影所ということが丸わかりで、これがかなり致命的だった。山の上の研究所の建物内部も、さっぱり分からない構造。キャストは豪華な感じで、ユーモアのある会話の雰囲気も伝わるけど、それ以外に好きなところはなかったです。

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