« いわゆる「感動」はありません | トップページ | ウルトラ怪獣のウーも出演(ウソ) »

2008年8月 3日 (日)

善と悪のせめぎ合い

月曜日のプレミア試写会で一足早く観ました。
「バットマン・ビギンズ」の続編。The Dark nightではなくThe Dark knight。バットマンが正統派ヒーローではなくて、闇の部分を抱えたヒーローとして人々に認知されるに至るまでの物語って感じか。

「ダークナイト」(2008年 米)
★★★★★

Fi2621630_1e いやいや圧巻でした。見終わって口の中がカラカラに乾き(ずっと半開き状態だったらしく…笑)、しばらく席を立つ気にならないという経験は、今年は「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」に続いて2回目かな。見応えがあった。
(以下、いつものようにネタばれ)

ピエロ顔でにやつきながら「バットマンが存在しなければ、自分はちんけな悪党で終わっていた」と語るジョーカー(ヒース・レジャー)がとにかく怖い! プラス(+)が強くなればマイナス(ー)も強くなって、この世の均衡は保たれるというような言いっぷりである(ある部分では当たっていそうだが)。
バットマンの正義にダメージを与えることだけが目的。人々に恐怖を植えつけ、憎しみを芽ばえさせ、次々と悪に引きずり込んでいくのが彼のやり方。規範は持たず、自分の命すら惜しまない。そして指紋もDNAもない。まるでブラックホールのような悪。銃は使わない、殺人は犯さないといったルールを固持するバットマン(クリスチャン・ベイル)がだんだん影薄く見えてくるほどだ。

一方、ジョーカーの仕掛けたブラックホールに引きずり込まれるように、正義の検事から理不尽な復讐鬼へと180度豹変するハーヴェイ・デント(アーロン・エーカット)のもろさも印象的だ。結局、まっすぐな正義などを唱えていられたのは、自分が優秀な人物であるという驕りにすぎないのではないか…。悪が感染していく中で、唯一救いを感じさせたのが、バットマンでも検事デントでもなく、ジョーカーによって追い詰められた一般の人々や囚人であるというのが、うまい対照をなしていた。
もちろん、締めを飾るのはバットマン。とりわけ最後に下した決断は、ジョーカーのような男が二度と現れないように釘を刺すと同時に、人々が正義の存在への希望を失わないようにとの配慮なのだろう。元恋人が残した手紙の内容をブルース・ウェイン(バットマン)が知らないことは幸いではあるが、知らされないことが気の毒でもある。なんとも切ないよ。

出演者は豪華! のっけからウィリアム・フィクトナーがちょい役で出るし、前作の悪役スケアクロウも登場して、キリアン・マーフィーがほんの一瞬だけ素顔を見せる。前作でケイティ・ホームズが演じたレイチェル役はマギー・ギレンホールに変わり、顔が似ているから選ばれたのかもしれないが、彼女だけはあまり役にしっくりこないように感じた。
メインの3人の配役は文句なし! 特にジョーカー役のヒース・レジャーは、いままでの彼の演技から受ける想像を超えてきた。この映画の完成直後に亡くなったという先入観をできるだけ持たないようにしていたつもりだけれど、観たあとでは、ヒースの死がこの映画に箔をつけることは間違いないと確信してしまった。ジョーカーを演じたことで、彼の中の何かが変わってしまい、死を呼び寄せた。そう考えたくなるほどの深みを感じさせる演技だった。
また、映画が始まる前から低く鳴っていた放水サイレンのような音楽も、恐怖と不気味さをあおる。

実は映画の前半が、場面展開が速くよく理解できなかったし、見落としたところもいっぱいありそうなので、もう一度観たいと思う。でも、重すぎてしばらく観る気にならないかもしれない。あと、クリストファー・ノーラン監督作品は個人的にはヒット続き! 今後も追っかけたい。

« いわゆる「感動」はありません | トップページ | ウルトラ怪獣のウーも出演(ウソ) »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

ヒカさんとこ来る前に、自分なりに感想書いてみたよ(笑)気持がいっぱいいっぱいで、ちっとも書けないや。映画館の音響設備、良いとこで見ないとダメみたい。その点、フォーラムは結構良いと思う!ジョーカーがセリフ言う時にネチャネチャ音を立てるじゃない?あれがワザとじゃないと思うけど、今日見た映画館ではほとんど消えてたの。。。

>えむさん先行公開してたんですね。私もちゃんと見直してから書くべきってくらいちゃんと見てないんだよね。あそこは映像に入り込むには向いていないけど、確かに音はすごかった。そういえばジョーカー、嫌な音立ててしゃべってたね。映画館によって臨場感かなり違うんだ。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1175528/28622983

この記事へのトラックバック一覧です: 善と悪のせめぎ合い:

« いわゆる「感動」はありません | トップページ | ウルトラ怪獣のウーも出演(ウソ) »

インデックス

無料ブログはココログ