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2008年8月 9日 (土)

過去音可聴能力者

『ロスト・エコー』ジョー・R・ランズデール著/北野寿美枝訳
(ハヤカワ文庫 2008年邦訳)

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子供の頃の高熱が原因で、暴力や恐怖に関係した過去の出来事が、音を媒介として見えるようになってしまったハリー。特殊な能力は、ハリーにとっては苦痛をもたらすものでしかなく、また誰にも理解されず、苦学して大学に通いながらも、アルコールに溺れてその苦悩を紛らわす日々を送っていた。しかし、彼にかけられたある嫌疑を晴らすために、特殊能力によって見たものを口にしたことで、おぞましい事件に巻き込まれていく...。


特殊な能力を生かして、埋もれた犯罪を暴き、未解決の事件を次々と解決・・・そんなヒーローを期待すると肩透かし。でも、ちょっと考えてみれば、主人公がそのような人間で面白いミステリ小説が成り立つはずはなく。かといって、少年の成長物語としても特に感じ入る要素がないのに、読み出したら止まらない面白さはあるのだ。文庫帯にある「青春小説とサスペンスの二重奏」のキャッチどおりの内容だった。

ランズデールの小説はどれも出身地であるテキサス州が舞台。そして、前に読んだ『ボトムズ』の扉にあった言葉から想像すると、この小説の主人公ハリーの家庭環境・・・裕福ではないけれど、子供には精一杯の愛情をもって接する両親も、著者の生い立ちに重なるところがあるのかな。そのハリーとは対照的に、幼なじみのジョーイは暴力家庭で育った。読み終わっていちばん印象に残ったのは、脇役にすぎないこのジョーイの扱われ方とジョーイの孤独だったりする。

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