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2008年6月 8日 (日)

エルドラドは誰のもの?

ラテンアメリカで人気の高いチリ人作家が、若者向けに書いた冒険ファンタジー小説。

『神と野獣の都』イサベル・アジェンデ著/宮崎壽子訳
(扶桑社ミステリー 2005年邦訳)

Fi2621601_1e 母親の病により、作家であり冒険家の祖母のもとにあずけられた15歳の少年アレキサンダーは、アマゾンの奥地に出現するという謎の獣人〈野獣〉を見つける探検隊に祖母とともに加わる。現地で合流したのは、世界的に著名な文化人類学者、カメラマン、女医、ガイドとその娘のナディアら。しかし、その探検隊にはインディオ集落を滅亡させ、アマゾンの富を独占しようと企てる実業家が送り込んだ人物も加わっていた…。


先日、アマゾン奥地で新たな先住民が見つかり、飛行機から撮影された集落の写真がニュースとして公開されていた。全身を赤や黒で塗り、カメラマンの乗った飛行機に対して弓矢を向けている先住民の姿は、映画のセットかと見まがうほど、奇妙な感じがした。この小説に登場する謎の先住民「霧の人々」(存在を目に見えないようにできる忍者のような人たち)も、ヘリコプターのことを「うるさい音と風の鳥」と呼んで警戒していて、タイムリーにもイメージがぴったり重なった。

少年アレキサンダーと少女ナディアが、呪術師から先住民を救う使命をもっていると予言され、さまざまな試練に耐えながらたくましさを身につけていくという、冒険ファンタジーのお約束を踏襲したストーリーだが、彼らが超人のような活躍をするわけではないところに好感が持てたかも。続編が十分にありそうな終わり方ですが。
アマゾン先住民保護の必要性、先進国の思い上がりや行き過ぎた物質文明への批判をところどころに含ませている。あくまで子供向きに書かれてはいるけれど、かなり皮肉が利いていると読めないこともない。あと、大人が読んでも未知なるジャングルの描写は楽しい。

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