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2008年4月20日 (日)

ある日突然職を奪われたら…

映画館で予告を観て気になっていた映画。列車が風を切って走るシーンを楽しみにしていたけど、列車が走らなくなってから始まるストーリーだった。

「今夜、列車は走る」(2004年 アルゼンチン)
★★★☆

Fi2621584_1e 鉄道とともに栄えたアルゼンチンの地方都市。しかし民営化に伴い、ある日突然、路線の廃止が言い渡される。交渉に当たった組合代表は自殺。鉄道員たちは自主退職を促され最初は抵抗を示したものの、家族や生活を思い次々にサイン。新たな職探しを始めるが、就職難でコネを頼るしかない。その一方で徹底抗戦を訴え一人で工場に立てこもる老いた整備工もいた…。

90年代初頭のアルゼンチンで、約6万人の鉄道員が職を失うことになった国鉄民営化の実情を題材にした映画。同じ職場で働いていた5人の男たちの、職を失ってからの苦境や奮闘が描かれるが、どんどん辛い話になっていくと想像させておいて、するっと種明かしして笑わせてくれたりと、ユーモアをきかせているところがなかなか良かった。特に白タクの運転手になった男の話が面白かった。イギリスの炭坑労働者の町を舞台にしたヒューマン・コメディ映画に似ている部分がある。

しかし、鉄道員の誇りを捨てることでなんとか新しい仕事にありつき、次第に現実と折り合いをつけていける者はともかく、老いた鉄道員たちの現実の描き方には遠慮がない。終盤、ある事件を通じて元同僚たちの人生が再び交差するのだが、そこに至る加速的展開がこの映画のいちばんの見どころと思う。その後は、個人的には面白さが失速するんだけど、着地点としては悪くなかった。結局あれかな、現実がそれによって変わろうが変わるまいが、言うべきことは言っておけということかな。でも、社会派映画というふれこみはどうだろう。この映画には荷が重すぎる気がするけど。

映画を観た渋谷ユーロスペースの周辺はライブハウスがいくつかあって、その一つには開演何時間も前から客が列をなしていた。「誰が出るのか聞いてみる?」「そうやって何でも人に気軽に聞けちゃうのが典型的なオバさんだよね」と友人と笑い合ったのだが、別に誰かに迷惑がかかるほどでもなし、聞きたいことは聞いておけばいいのに、やっぱりオバさんと思われるのが癪で遠慮してしまったのが、この日ばかりは情けない気がしましたね・・・って映画から飛躍しすぎですか?(笑)

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