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2008年3月 8日 (土)

2月に読んだミステリー

たまたま1980年前後に書かれた作品が続きました。

『マンダリンの囁き』ルース・レンデル著/吉野美恵子訳
(ハヤカワ・ミステリ 1985年邦訳)

Fi2621550_1e 引退した弁護士アダム・ナイトンの妻アデラが自宅で射殺される。事件を担当するウェクスフォード主任警部とナイトン夫婦とは、偶然にも、数カ月に中国で知り合っていた。そのときアダムが口にしていた李白の詩、また、アデラが中国で撮影していた写真だけが消え失せていることから、警部は事件の発端は中国にあると考え、ツアー参加者への聞き込みを始める…。

サセックス州キングマーカス警察のウェクスフォード警部シリーズは初読み。初期のものは探さないと手に入りそうにないと諦めてこの12巻目から手にしたが、警部が仕事を離れ、訪中団の一人として中国を旅する場面に前半を費やすこの巻は、シリーズ中では異色なのかも。長く続くシリーズだと、マンネリを防ぐためにいろいろと趣向が凝らされる。
で、その前半の、警部が中国人のガイドに引き回され、湖南省長沙から香港まで、緑茶をがぶ飲みしながらうだるような暑さに耐えて旅する様子が面白かった。エジプトから帰って来た直後に読んだミステリー小説が、旅行記のような内容だったのでいっそう楽しめた。旅行中の描写にはレンデル自身の体験が生かされているのだろうか。中国のこの地域に行ってみたくなりました。マンダリンは中国の官僚のこと。

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『切り裂かれたミンクコート事件』ジェームズ・アンダースン著/山本俊子訳
(扶桑社ミステリー 2006年邦訳)

Fi2621550_2e 1930年代の英国。映画好きのバーフォード伯爵は、アメリカの映画会社から新作の下調べとして邸宅に滞在させてほしいとの申し込みを喜んで受け入れる。当初の滞在者は映画プロデューサーとスター俳優の2人だったが、娘のフィアンセ候補2人、遠方の親戚夫婦が加わり、そしてどこかから話を聞きつけた脚本家、イタリアの大女優も押し寄せ、直後から不審なことが起こり始める…。

1981年に出版された復古本格派のユーモア・ミステリー「オールダリー荘」シリーズ第2弾だそう。邸宅の中で殺人が起きて、犯人は滞在していたうちの誰かを推理するというやつです。気軽に読めて、最後の最後まで手抜きのない内容。でも、それだけ。たかがユーモアミステリーであっても、その時代、その土地柄、なんでもいいけど、推理以外にも読んで充実感のあるものでないと最近は虚しさが残ります。本は読んでいる間、楽しめればいいと割り切っているつもりでも。

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『ホッグ連続殺人』ウィリアム・L・デアンドリア著/真崎義博訳
(ハヤカワ文庫 2005年邦訳)

Fi2621550_3e 雪に閉ざされたニューヨーク州スパータで連続殺人事件が発生。HOGと名乗る犯人は、殺人を巧妙に事故や自殺に見せかけたうえで、最初の事件の目撃者である新聞記者に声明文を送りつけてくる。被害者に共通点はなく、捜査に行き詰まるなか、天才犯罪研究家ニッコロウ・ベネデッティ教授が犯人推理に乗り出す…。

1979年のMWA最優秀ペイパーバック賞受賞作。おそらくこの小説の一番の個性は事件のからくりにあると思うのだけど、からくりそのものは途中で薄々予想がつく。しかし、最後で明かされる動機がチープ。いやそれよりも、天才と呼ばれる変わり者の教授のキャラクターがあまり魅力的に思えず残念だった。単に好みの問題でしょうが。あと、心理学者ジャネットが単なるロマンス要員なのもなんだかな…でした。


今月刊行されるレジナルド・ヒルのダルジール&パスコー・シリーズ最新巻が待ち遠しい!

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