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2008年2月

2008年2月27日 (水)

チャコットを着た悪魔・・・笑

エガちゃんは昔からけっこう好きだったが、
アメトーークという番組にメインゲストとして出演したとき「1クールのレギュラーよりも1回の伝説」という、今では誰もが(?)知っている名言を初めて聞き、この人にずっとついていこうと決めたのだ(笑
テレビに出ている人で私がファンなのは、1に北村一輝で、2に江頭2:50と言ってもいいくらいだ。

Fi2621543_1e_2 それでこのエガちゃんの映画評論本『エィガ批評宣言』(扶桑社)。内容はネット上で聞けたりするんだけど、裏表紙の写真が!
エガちゃんの後ろ姿。まるでチューリップのように可愛らしくて、思わず購入しました・・・ぜひ、書店で確認していただきたいです。
「謹製エガちゃんシール」の付録もついてるよ。


追記:確か以前は番組サイトに過去の映画評の音声があったと思ったけど、
削除されてしまったようです。

2008年2月25日 (月)

心を溶かすのは言葉よりカラットか?

日曜日、新宿の映画館。

「ラスト、コーション」(2007年 中国/米)
★★★★

1942年、日本軍占領下の上海。ごく普通の女子大生チアチー(タン・ウェイ)は、抗日運動に心血を注ぐクァンに秘かな恋心を抱き、彼と行動を共にする中で次第に感化されていく。やがてチアチーは、日本の傀儡政府に協力する特務機関のリーダー、イー(トニー・レオン)に近づき暗殺を遂行する危険な任務を与えられる。さっそく身分を偽りイー夫人に接近し、冷徹で異常なほど用心深いイーを誘惑する機会を窺うチアチーだったが…。
(allcinema ONLINEより)

Fi2621542_1e 原題は「LUST, CAUSION」または「色・戒」。アン・リー監督。
映像もセットも、またチャイニーズ服の主人公をはじめ人物たちの表情やしっとりした身のこなしも、時代を感じさせて魅力的。裕福な婦人4人がおしゃべりしながらマージャンに興じる始まりの場面から大いに期待させる映画。
演劇グループの学生たちが、抗日の演目で客席から拍手喝采をもらったことではずみがつき、集団心理でどんどん過激になり、若さゆえのまっすぐな思いが鋭い刃のように、自らも仲間も傷つけていくが、しかしもう止められない。痛々しくも、こちらも目が離せない。

長々としたセックスシーンを入れる意図は理解できているつもりだけど、露骨すぎるところがむしろありきたりといいますか。
後半になるにつれて二人の関係が濃密になっていくのに反して、あの場面は精神とはまるで無関係なまま体操でもしているようで、カメラワークや演出にもっと奇抜なセンスが欲しいと感じたのは、単に好みの問題でしょうか。あんなふうにいろいろ体位を変えて直接的部分を大映しにするんだったら、もっと変態な交わりにしてくれたほうが・・・。

しかし、タン・ウェイ。オーデションで選ばれた新人があそこまでやってのける度胸は買います。日本の映画でもあのくらい大胆に演じる新人女優がたまにいるのだけど、以後作品に恵まれず消えていく運命をたどることが多いと思うので、彼女には頑張っていただきたい。

あと、最後はもう一ひねりほしかった。例えばイー夫人が、チアチーが夫をはめようとするスパイとまでは知らなくても、夫の愛人であることはとっく知っていて、最後に「ちゃんと始末はつけたんでしょうね」といったようなニュアンスのひどく冷たい一言をイーに投げかけたりすると、人間の孤独が際立つのではないか。そのくらい苦みを効かせたほうが好きです。余計ですけど。

2008年2月23日 (土)

古すぎてよく分からないエジプト

2月中旬の10日間、ナイル川沿いの名所巡りという典型的なエジプト観光ツアーに参加してきました。参加者は15名。成田からカイロまで直行便なのに約15時間! なぜ? エジプト航空の機体が小さいから?
ツアーでの海外旅行は2度目ですが、今回も湿布薬やら下痢止めやらをもらったり、同行の方々にはお世話になりました。心配していたお腹の調子が悪くなったのは最終日だけで、エジプト下痢と呼ばれるものだったかどうかは定かでなく、期待通りの楽しい旅で、遺跡も素晴らしかったですけど、まずは心に残ったモヤモヤから。

Fi2621541_1e


さすがローマ時代初期からの観光地
エジプトを訪れる外国人観光客はここ数年急増で、年間1000万人を超える勢いだそう(日本人も多いといってもそのうち13万人)。おまけに2月は、朝晩は冷え込むとはいえ砂漠の遺跡巡りにはベストシーズン。予想はしていたけれど、主だった名所はどこも団体ツアー客で混雑。トイレも順番待ちで、ただでさえ短い見学時間が無駄にすぎていく!
また、エジプトではテロ防止対策として、外国人の観光客が都市間を陸路で移動する場合には、必ず「コンボイ」という車列を組んでの護衛付き移動に加わらねばならず、出発時間や都市間に点在する遺跡見学時間もコンボイによって決められてしまう。どこの国のバスツアーもみんな同じ時間に同じ遺跡に移動するわけだから、ますます混み合うわけです。

春は砂嵐。夏は猛暑。秋はラマダンで観光施設のオープン時間短縮。結局やはり冬に訪れるのが効率的なんだろうけど、この混雑の中で古代に思いを馳せるのは容易じゃない。

踊らされやすい自分に気付く
エジプトに限ったことではないが、遺跡はどこも500円から2000円の見学料金がかかるのはもちろん、レストランなど観光客が立ち寄るところはもれなくツーリスト価格。ツアー旅行なので、名所観光の合間にパピルス、アラバスタ、貴金属、じゅうたんといった高価な土産物の工房や店に立ち寄らされる。さらに移動のバスの中でも物品販売がある!(笑)買わなきゃいいんだけど、私もそれほど強くはないもので、気付けばなんらか買わされている・・・。とりあえずカードまでは使わずに済んだけど。

エジプトの土産物には大抵「本物」と「にせもの」があるらしく、それらが混沌としている。売ってる場所、値段も確かな判断基準にならない。様子見に店を覗いたり、商品にいったん目を留めたりしたら、売り子にしっかり捕まってしまう。定価がないのでとりあえず値切って買うが、大幅に値切ったつもりでも全然安くないことが後で判明してがっかりしたり…。
しゃくなので、最終日、余ったエジプトポンドを使い切ってやる!と空港でどうでもいい小物を買ったりして、記念の1ポンド札(20円)1枚以外使い切ったつもりが、家に帰ってきて洗濯しようとしたズボンのポケットから20ポンド札2枚が見つかったときは、今度こそ本当に力が抜けた。日本に帰って来てまでエジプト商魂に踊らされ続けていることに気付き、少々自己嫌悪。

見るところが多すぎる
遺跡で壁や柱のレリーフをじっくり見ている時間などありません。それこそポイントのみ。後でガイドブックなどを見ながら、チェックし忘れた!と気付くことしばしば。8日間ツアーより余裕の10日間を選んでもこの有様。また、イスラム化以降のエジプトにも大いに興味があったのに、バスから降りて見学できたのはカイロのムハンマド・アリ・モスクのみ。それだけ見どころが多すぎるのだ。紀元後の歴史遺産だってごろごろしてるだろうに、おそらくそんなもののにまで保存・保護の手が回らないのではないでしょうか。

しかし、せめてオールドカイロには行きたかった、コプト正教会やイスラムの建造物などがもっと見たかった。カイロで午後2時間ほど自由になったので、一人で地下鉄に乗ってオールドカイロまで行くことを計画したが、当地の地下鉄事情がつかめない(以前にスペインの地下鉄でひったくりらしき人に付けまわされ怖い思いをした)。英語の標識がなかったりして夜の集合時間までにホテルに戻ってこれないとまずいと思いあきらめた。けど、やはり思い切って行けばよかった。そのために余裕のありそうなツアーを選んだのに…。


現代エジプトについては、終始同行していた現地旅行会社のガイドからいろいろ話が聞けて楽しかった。額には敬虔なイスラム教徒の証し、毎日の祈りでじゅうたんにこすりつけて出来たアザがくっきり。流暢な日本語を話し、仕事熱心なのはいいけれど、いったん話し出したら止まらない。しかし、笑うとチャーミングな方で、エジプト人の誇りとか、イスラム教徒として豚に対しては真剣に嫌悪感を持っていることなどが、言葉の端々からうかがわれて面白かったです。

※旅行記と写真はサイドバーにまとめました。

2008年2月20日 (水)

キーボードがうまく打てない

エジプト旅行の日程半ば、神殿遺跡で転んで、左肘を捻挫しました。何かの呪いだったら面白いのだが、それは自意識過剰ってもの。
今はゆっくり折り曲げができるようになったものの、少しでも肘をひねると激痛が走ります。パソコン入力にも時間がかかる。キーボードに対して左手が空手チョップ状態。

あと、自覚はなくても時差ボケらしくて、今日は昼間にコンビニ弁当を買いに行ったら、店で温めてもらっているうちに弁当を買ったことを忘れて会社に戻ってしまうし、帰りの地下鉄で降りる駅を2駅やり過ごすし。
気分的にもまだエジプトにいるようで、凡庸な表現だが、心にぽっかり穴が空いてしまっている気もする。
それだけいろいろ疲れた。いろいろ後悔。だからもう1回行きたい、エジプト。

2008年2月 9日 (土)

お知らせ

旅行でしばらく留守にします。
十中八九、下痢になるだろうことが一番の心配。
老後の生活資金がまったく貯まっていないという深刻な問題はさておき。

2008年2月 4日 (月)

「あんたより罪の重いやつがいるのさ」その2

↑ウィリアム・ランデイ著『ボストン・シャドウ』の感想の項でつけたタイトルを再び。
テレビで予告CMが流れるたびに早く観たいとわくわくしていました。
実話をベースにしたリドリー・スコット監督作品。

「アメリカン・ギャングスター」(2007年 米)
★★★★★

Fi2621537_1e 舞台は1968年から70年代前半のニューヨーク。誰かに使われるアメリカ黒人の地位から抜け出すことを誓い、麻薬の新しいビジネスモデルを築くことで暗黒街のボスにのし上がっていくフランク・ルーカス(デンゼル・ワシントン)。腐敗のはびこる警察内で正義の意志を貫き、夜学で司法試験の勉強もしている一匹狼肌のユダヤ系刑事リッチー・ロバーツ(ラッセル・クロウ)。やがてリッチーが麻薬ルート解明の特別任務を与えられることで、2人の人生が交わる…。

好みの題材、好きな監督、好きなタイプのBGM。贔屓目で観たことは否めないが、クオリティの高いアメリカン・ハードボイルド・ムービーでした。
映画のタイトルは、生粋のアメリカ生まれの犯罪組織という意味だろうか。良いタイトルだと思います。時代背景となっているのは、泥沼化するベトナム戦争であり、キング牧師の暗殺以降に過激さを増すブラック・ナショナリズムであり・・・。映画の中でそれらが具体的に描かれることはなく、伝記風にたんたんと物語が進んでいくだけだが、しかし、ちょっとしたセリフや一瞬の映像に盛り込まれる情報が濃厚なので、いろいろに想像が膨らみます。2時間40分がまったく苦痛ではなかった。面白かったです!
当時のヒット曲を多用した音楽は予想していたほど目立たず。音楽の使い方は去年観た「ゾディアック」のほうが上手かったかな。
追記:そういえばクラブシンガーでアンソニー・ハミルトンが出てた!
これはGoodチョイス!

(以下、ネタバレ)

大金持ちになったフランクが、郊外に買った豪邸にノースカロライナから家族を呼び寄せる場面で、黒人が引っ越して来たことに戸惑う隣人の白人夫婦がちらっと映るところ。または、刑事リッチーがヘロイン供給の大元がフランクと気付いた後も、運転手上がりの黒人にこんな商売ができるわけがない、背景には別の大物(イタリア系とか )がいると考える場面は、サクセスものとして痛快!
しかし、フランクが恋人からプレゼントされたド派手な毛皮を着込み、マジソン・スクエア・ガーデンでのボクシングの試合観戦に出かけてしまったところから彼の人生に陰りが生じる。たった一度でも自分のポリシーを曲げたら足下をすくわれるというのを、簡潔に表していて面白い。また、高価なカーペットを血で汚されて「高かったんだぞ!」と怒りを爆発させる場面では、それまでスマートな男の印象だったフランクも、所詮は悪に手を染めた成り上がりにすぎないことを思い出させてくれる。
フランクの麻薬王としての栄枯盛衰を伝えるエピソードが、ラストシーンも含め、どれもあっさり描かれているだけなのに印象的。本当は安くて純度の高いのヘロインの登場で死者も続出だったわけだが、そうした現実もフラッシュのような映像で登場するのみ。あのシーンは、「キングダム・オブ・ヘブン」のクライマックスで、城壁での戦いを俯瞰で撮影した場面とイメージが重なる。

もう一人の主役、刑事のリッチーはフランクに比べると面白みが少ない。同僚の汚職警官たちからは裏切り者扱い。安月給だけで暮らしているので着ている物もさえない。そのうえ家庭は崩壊している・・・ハードボイルド系小説ではおなじみの主人公キャラなのだけど、もう少しアクの強い部分があってもよかった気がします。暴走タイプでもなく、堅実な捜査を続けるリッチー。実在の人物への配慮もあったのか。

物語を面白くしているのは、なんといっても悪徳刑事のトルーポ(ジョシュ・ブローリン)でしょう! 憎まれっ子の役を一人で引き受けた感じがありました。俗にいう「おいしい役」ってやつです。あまりに分かりやすい悪党ぶりで、物語の展開が読めますが、おかげで娯楽作品としての盛り上がりも十分でした。イタリアンマフィアのドン役をやったアーマンド・アサンテの演技も一癖あって面白かった。フランクの妻役のライマル・ナダルがキュートだった。その他、ほんのワンシーンのために結構名前の知れた俳優が出ていたりして、キャストは申し分なかったです。

1800円払って

映画館で先週観た映画。
お嬢さん学校に通う女子高校生と、在日朝鮮人の下っ端ヤクザの恋。
いったん感想を書き上げていたのだけど、嫌な文章になってしまったので削除。でも思い直してポイントだけ。

「風の外側」(2007年 日本)
★★

ストーリーは嫌いじゃない。しかし映画で、特にこのようなボーイ・ミーツ・ガールな映画で主演をはる女優には、このような映画で主演をはるにふさわしい資質を持ち合わせていてほしいと思うわけで、キャスティングが私には致命的だった。
でも、兄貴分ヤクザの北村一輝が、弟分の部屋で見せた一瞬の本気の目つきがやばすぎて、あそこだけでも観た価値はあった。

2008年2月 1日 (金)

極秘扱いの "おれたち"

懐かしや、ロバート・レッドフォード主演の映画「コンドル」の原作者による最新作。

『狂犬は眠らない』ジェイムズ・グレイディ著/三川基好訳
(ハヤカワ文庫 2007年邦訳)

Fi2621536_1e それぞれ任務遂行中の過酷な出来事によって、頭がいかれてしまった5人のCIA諜報部員(世代の異なる男4 人と女1人)。彼らが収容されている秘密の精神病院で、栄転目前だった担当医が殺される。誰がなぜ彼を殺したのか、誰が自分たちにその罪をなすりつけようとしているのか。真相を突き止めるために、5人は協力して病院を脱走。しかし、手がかりは少なく、自分たちが投与されていた薬の効き目がいつ切れるのかも油断ならない…。

(少しネタばれ。注意)

頭が正常だったとき、愛する人の命までを犠牲にして入手したメモリの中の情報は、結局は役立てられずに終わった・・・。著者グレイディがこの小説を着想したのは、9.11がきかっけだったと思われる。小説中盤部分のネタばれになるけれど、5匹の狂犬のうちの1匹は、それを事前に防げたかもしれない任務にかかわっていた。そして、一定の成果はあったのだ・・・。この部分だけでも十分にアメリカ批判。しかし、ラストで判明する事実は、それよりもさらにさらに辛辣なジョーク。
がつんときます。

翻訳者の三川基好さんは、この小説のあとがきを推敲した数時間後に亡くなったそう。
本書ではそのあとがきの後に、追悼文が添えられている。原文にできるだけ忠実な翻訳をする人だったという。そのためか、確かにこの小説はところどころ読みづらい。
ゼインはベトナムで、ヘイリーはナイジェリアで、ラッセルはボスニアで、ヴィクターはマレーシアで、エリックはイラクで、5人が精神を病むことになった凄惨な体験が回顧される一方で、実はユーモアもたっぷりな小説なのだけど、それを文面から感じ取るまでには少し時間がかかった。しかし、読み終わる頃には狂犬5匹とも、すっかり愛すべき5人組に変わっており、続きも読みたいと思った。メンバー全員が再集結することはないのだけど・・・。


しかし、このところハヤカワの回し者のような偏った読書をしているなあ。
少し反省。

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