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2007年12月16日 (日)

死ぬまでの短い時間

アキ・カウリスマキ監督の映画に触発されて書かれた芝居、そして北村一輝主演。この組み合わせを知ったときからめっちゃ期待を寄せていた、岩松了作・演出の「死ぬまでの短い時間」を先週観劇。
ストーリー展開は少々難解で、ちゃんと理解できたとは到底言い切らないけれど、それがそれほど気になるわけでもなく、自分なりの解釈で十分に楽しめたと思う。いやぁ良かったよ! いままで見てきた北村主演の芝居の中では、内容的にも役柄的にもいちばん好き。というか、演劇というものに対し、苦手意識をもったり斜に構えたりせず鑑賞できたというのは、自分にとっては小学生の頃以来かもしれぬ(笑)。

(以下少しネタばれ)

海辺の町を舞台に、暗い過去を背負い自殺にやってきた女フタバを秋山菜津子が演じ、自殺の名所まで客を送ることで自殺幇助していると非難されているタクシー運転手シミズを北村が演じる。ほかに出演者は田中圭ら5人のみ。それに生バンドによる演奏と歌がところどころに入る。
印象的なセリフを散りばめた短い場面をつないだ構成。現実と非現実、現在と過去が入り組んだ内容で、脇のもう一組の男女の役割がいまひとつ掴めなかった感があったけど、フタバとシミズの人物像とか、男女としての関係にカウリスマキ作品の面影を見た気がした。特に最後の場面が、いい余韻となって今も残っている。シチュエーションはぜんぜん違うけれど、この前に観た「街のあかり」のラストを思い出した。

会場はベニサン・ピット。染色会社の古いレンガ造り風の工場を劇場やスタジオに改造しているため、とても雰囲気がある。東京の下町にこんなところが残ってたんだとちょっと驚く。劇場は客席が160程度。ステージのふちの部分がタイル貼りで、ここはもしかしたら元は銭湯か?と思ったんだけど、あれは染料を入れる槽だったのだろうか。

でも、銭湯の湯船の上がステージという思いつきにはまって、あそこの壁には富士山が描かれていたのかなぁーなどとボーっと考えていたら、会場が暗くなって北村が一人で登場。ステージの先端までやってきて腰をかけ、無言でパンを食べ始める。なんと最前列席に座っている私の真ん前、至近距離。始まっていきなりのことで頭の中が真っ白になる。つい食い入るように見つめてしまいそうになるのをセーブして目をそらすのが精一杯。他の出演者が出てきてセリフを言い始めても、しばらくは耳に入ってこなかった。
私としたことが、いい年をして不覚をとった。北村ファン熱も相当落ち着いてきていると思っていたが、そうでもなかった(笑)。
今月末にもう1回行きます。

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コメント

キャー!この日記読んでて、思わずニヤニヤしちゃいました~。ドキドキですねー。北村さんのオーラに圧倒されたというか、我を忘れて見入ったって感じですかねー。最前列は絶対にいいっ!興奮ですっ!・・・ミーハーなコメントして済みません。

>えむさんミーハーコメントも大歓迎です。ミーハーな記事ですし・・笑。舞台とか番組収録とか、間近では何度も見てるんだけど、なんだろうね・・・5分くらい固まってたよ。役に入り込んでるから、素で見るより、数倍いい男になってたと思うねん。

はじめてここに書き込んでみたりする・・・何故ならその気持ちよくわかるので。>食い入るように見つめてしまいそうになるのをセーブして目をそらすなぁんだ!見る事すら出来ないのかと思いきや、、、見つめてしまいそうなのにセーブするの???勿体無いなぁ(笑)その場限りだったら、じろじろ見られるのだけれど(芝居がはねたらそそくさと逃げちゃえば良いし。わはは)何度も行ってたり、向こうがこっちの事知ってそうだと、余計見られないよね???って違うか。私は最前列だったら、結構負けずと見ちゃうのに、前から5番目くらいだと、妙に恥ずかしくなります。なので、初回は免疫づくり。2回目からは心を鬼にして(?)食い入るように見るようにしてます。なんにしても、アツくていいですね。

>dainasouさんお帰りなさーい。ってもうずいぶん前かな。dainasouさんはもう何人顔見知りがいるんだってくらいいるよね(笑)。私は存在感が薄いので、たとえ何度も芝居に足を運ぼうと、顔は覚えられない自信はあります・・・。なんだがあんまり見ると本人がやりづらいんじゃないかと思ってね。あと、舞台に端に腰掛けてだから、目線の高さがほぼ同じで、緊張じゃないけど、やっぱり恥ずかしかったですよ。

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