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2007年11月 5日 (月)

しゃべるカカシ

『オーデュボンの祈り』伊坂幸太郎著
(新潮文庫 平成15年文庫化)

コンビニ強盗に失敗した伊藤は、警察に追われる途中で意識を失い、見知らぬ島で目を覚ます。仙台沖に浮かぶその島は150年もの間、外部との交流を持たない孤島だという。そこで人間たちに崇拝されているのは、言葉を話し、未来を予知するというカカシ「優午」だった…。
(Amazonにあった紹介文より)

Fi2621509_1e 本は読んですぐでないと感想がさっぱり浮かんでこないから困った…。
日本人の若手ミステリー系人気作家の本は、とりあえず1冊読んでみるかと思って本屋であれこれ文庫を手に取ってみるのだが、裏表紙を読むだけで萎えちゃうのはなぜでしょう。特に主人公の病んだ心境がたらたら綴られそうなものはパス(読んでないから本当のところは分からないが)。それと、トリックに凝ったものも食指が動かない。丁寧に解説される部分で退屈してしまう。
これはちょっと興味引かれて買った。著者のデビュー作とのこと。

日本の鎖国時代には西洋諸国と交流し、日本が開国すると鎖島状態に入ったという、誰もその存在を知らない島を舞台としたファンタジー。次々出会う住民たちは風変わりだし、カカシはしゃべる。気付いたら島に連れてこられていた主人公の心境は、不思議の国に迷い込んだアリスそのもの。
人間臭い事件は普通に起きても、いたって牧歌的に思える島とは対照的に、本土のほうでは、伊藤を追っていたサイコパスな警官の魔の手が、伊藤の元恋人に伸びようとしているハラハラな展開。
2つの世界がどうやってまた結びつくか、この辺りは想像つくのだけど、そこに焦点を当てて読む本ではないので…。うーん、感想が出てこないぞ。
散りばめられた細部が、最後にきっちり収束するところはすっきりした気分で読み終えられるのだけど、明確な社会風刺が込められてる話でもなく、殺されたカカシの描写の気持ち悪さが妙に印象に残ったのでした。ちゃんちゃん。でも、独特な世界は楽しめましたよ。こぢんまりとしてるけど。

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コメント

こんばんは。はじめまして。warmgunさんのところからおじゃましました。しゃべるカカシ・・・なんか、シュールでいいですね。不思議の国に迷い込んだアリスの心境・・・アリスは、私の読書の原点なので、ヒメヒカゲさんの記事を拝見して俄然、興味が沸いてきました。伊坂幸太郎さん、お名前は聞いていますが、まだ読んだことがなかったので『オーデュボンの祈り』 読んでみようと思います。ありがとうございました。

>nadjaさんはじめまして。そうなんですよ、シュールな世界です。でも、なんだか懐かしい日本の田舎という感じもあるんですが。今ちらっと拝見しましたが、nadjaさんのところは本が中心なんですね。私も参考にさせてもらいます。

こんばんは。今日買ってきて、一気に読んでしまいました。ふだん、ミステリーは、ハラハラドキドキのハードボイルド系が好きなのですが今回、これはとても楽しめました。あまのじゃくな性格なもので(笑)売れっ子作家さんの本は敬遠しがちでなかなか手が出せなかったのですがヒメヒカゲさんの記事のおかげで 絶妙なタイミングで読むことができました。ありがとうございます。TBさせていただきました。ブックマークも、させてくださいね。 よろしくお願いします。

>nadjaさんTBありがとう。同じ! 私もあまのじゃくです(笑)今売れている本などは、ひょっとして面白いかもしれないけど、あら探しばかりしてしまいます。逆にあまり売れていなさそうな本は、いつもより余計に褒める傾向があるかも。

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