« カドフェルは何でもお見通し | トップページ | 信じる者は・・・。 »

2007年10月 7日 (日)

「あんたより罪の重いやつがいるのさ」

もう内容をほとんど覚えていないが、前作の『ボストン、沈黙の街』のほうが個人的には面白がって読んでいた気がする。

『ボストン・シャドウ』ウィリアム・ランデイ著/東野さやか訳
(ハヤカワ文庫 2007年邦訳)

Fi2621501_1e 1963年、ケネディ大統領が暗殺された同じ日。都市再開発が進むボストンの街では、連続絞殺魔による13人目の被害者が出ていた。長男は警官、次男は検察官、三男は空き巣を生業とする、アイルランド系のデイリー家3兄弟は、いつもは性格の違いから反目しあうこともあるが、それぞれが事件に少なからず関わることになり、さらに街を牛耳るイタリアギャングから目をつけられるという苦境の中で、次第に結束を強める。そして急遽浮かび上がってきた、前年の父親の死の真相…。

“ストラングラー”と呼ばれる実際にあったボストン連続絞殺魔事件をベースにしたクライム・サスペンス。と知ったのは、読み終えた後。複数の事件を並行して描くという手法はよくあるけれど、それにしても話の焦点がなかなか合ってこないなと思って読んでいた。不自然な端折り方もたびたびあるよう思ったし。
知っていれば、もっと面白く読めたと思う。
父親の死の真相解明がメインになる最後のほうは、エンターテインメント小説らしく、夢中になって読み進んだが、ストラングラー事件が現実の事件と知ってしまうと、このフィクション部分がいかにも作りものっぽく、妙に軽く思えてきてしまうのは仕方のないことだろうか。

この前映画になったゾディアックは、犯人とおぼしき人物が亡くなったこともあり事件は未解決のまま。ストラングラーのほうは犯人は逮捕されたが、証拠は自供しかなく冤罪説が根強いという。そのへんをこの小説ではどう扱っているかが、もう一つの読ませどころになっている。

« カドフェルは何でもお見通し | トップページ | 信じる者は・・・。 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1175528/28622805

この記事へのトラックバック一覧です: 「あんたより罪の重いやつがいるのさ」:

« カドフェルは何でもお見通し | トップページ | 信じる者は・・・。 »

インデックス

無料ブログはココログ