« 狐づくし | トップページ | 難破した心 »

2007年9月24日 (月)

リストラされた妻子持ち男の話

風刺の効いた身につまされる犯罪小説。

『斧』ドナルド・E・ウェストレイク著/木村二郎訳
(文春文庫 2001年邦訳)

Fi2621497_1e 製紙会社の中間管理職の仕事を企業の合併により首となった男が、切羽詰まって思いついた奇策。それは架空の製紙会社の求人広告を出し、そこに応募してきた自分のライバルたちを皆殺しすることだった…。

主人公が再就職のために思いつくこのアイデアが秀逸!(ウェストレイクという作家は、こういうブラックユーモアな仕掛けを考え出すのが、とてもうまそう。)
あとは、引っかかった、自分の境遇によく似たカモを1人ずつ殺していくだけ・・・巻頭の登場人物一覧を見れば、作戦が成功のうちに進んで行くらしいのが分かる。しかし、その殺し方ときたら素人そのもので、杜撰もいいところ。たまたまの幸運が重なり、警察に目をつけられないことをいいことに、不当にリストラされたとの思いと、家族のためにという理由で、1人を殺すごとに次第に殺人に慣れ、正統化する理由にも磨きをかけていく様が無気味。 

「今日、われわれ(アメリカ国民)の倫理規約は、目的が手段を正統化するという考えの上に成り立っている」・・・リストラ体験から得た教訓で、二度と犠牲者にならないと誓った主人公。念願の就職を果たしたとしても、困難にぶつかったらまず邪魔者を消せの考えだけは改まりそうにない。

« 狐づくし | トップページ | 難破した心 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

この人もいろんな顔を持った作家ですね。私はやはりスターク名義の「悪党パーカー」シリーズかなー。

>Djangoさんいろんな名義で書いてるみたいですね。スターク面白かったですか。そのうち読んでみますわ。上手い作家ですよね。

おっと、1冊は映画「ペイバック」の原作ですね。あの映画は面白かった。カートに入れてきました(笑)

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1175528/28622801

この記事へのトラックバック一覧です: リストラされた妻子持ち男の話:

« 狐づくし | トップページ | 難破した心 »

インデックス

無料ブログはココログ