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2007年8月13日 (月)

受け身な男

土曜日に渋谷ユーロスペース。
あまりの暑さに、街に出て映画を見る頃にはすでに疲れてしまい、前半は重いまぶたを必死に持ち上げながら観てたのがもったいなかったなぁー。

「街のあかり」(2006年 フィンランド/独/仏)
★★★★

Fi2621488_1e_2 ヘルシンキで警備会社に勤める孤独な男が、その孤独なところを付け入られ、女を通じて犯罪組織に利用され、裏切られるが…。

アキ・カウリスマキ監督作品。「浮き雲」「過去のない男」に続く“負け犬三部作”の最終章だそう。カウリスマキの作品は、説明的なセリフがほとんどないのに、主人公(およびヒロイン)の気持ちの動きが手に取るように分かるのがすごいね。そして、身につまされる…。

上辺の出来事だけを追ったらかなり悲惨だったりするのに、細部はかなり辛辣だったりするのに、キャラクターたちがどこかユーモラスなのも手伝って、軽妙さは最後まで失われない。ラストにはささやかな(身の程にふさわしいというべきか)希望を残すところもいい。今作もそう。早く気付けよと思わなくもないが、気付かないことが男の最後のプライドだったのかな。映画を見終わった後に「オレの現実は、そんなささやかな希望すら皆無なんだぞ…」と嘆きつぶやいていた独り者が一人二人、映画館にいたようないなかったような? そして私はといえば、ソーセージ屋台の女が登場した瞬間に、彼女に感情移入していた(笑)。

主人公を演じたヤンネ・フィーティアイネンは、M・マストロヤンニを一瞬思い浮かべた。いい男じゃないですか。部屋で一人いるシーンとか、かなり色っぽいと思ったけど。一方、女性たちはいつもどおり、美人ではないけれど役柄に必要とされる魅力は十分備えていると言われれば確かに備えているような、カウリスマキらしい人選。しかし、題材的には「真夜中の虹」や「コントラクト・キラー」にも共通するところがあり、いつものカウリスマキ作品だという安心感がある半面、新鮮みや作品の個性に少し物足りなさを感じたのも正直なところ。

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土曜日にはもう1本、早稲田松竹で山中貞雄の作品を観る。

「丹下左膳餘話 百萬兩の壺」(1935年 日本)
★★★★★

大河内傳次郎が演じる丹下左膳と、喜代三が演じる矢場の女将とのやりとりが絶妙なコメディ。脚本がしっかりしているし、テンポもよいし、このドタバタ喜劇のセンスは、今でも十分に受ける気がする。観客に対しても百万両の壷の真実などはどうでもよいと納得させるラストの持っていき方も完ぺき!と感じました。

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コメント

街のあかり・・・この休みに、一番見たい映画でした。過去のシリーズ2作も好きです。でも、忙しくて行けなさそう・・・

土曜日は36度超えだったんだね。当日はちょっと疲れたくらいだったのに、日曜ほとんど起き上がれませんでしたよ。街のあかりのサイトで、あの犬が代々続く女優犬の曾孫にあたることを知ってニンマリ。思い出せなかった男優ベスト5ラストの一人、携帯にメールしときましたよん。

>えむさん渋谷でしかやってないからねえ。仕事変わってからは、やっぱり疲れもあるでしょ?この人の映画は、DVD借りて観ても、魅力失わない気がします。

>やまやましーさんお疲れ。朝も早かったからね。おかげ様で面白い映画見れたよ(山中)。しかし、真夏の渋谷なんてどんでもねーです。女優犬ってなんだ? 育ちのよさそうな穏やかな犬でしたけどね。サイト見てこよう。

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