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2007年7月22日 (日)

ケーキの中の髪の毛

ハリウッド署刑事ハリー・ボッシュ・シリーズ第6作。

『エンジェルズ・フライト』マイクル・コナリー著/古沢嘉通訳
(扶桑社ミステリー 2001年邦訳『墮天使は地獄へ飛ぶ』改題)

Fi2621481_1e 過去にロス市警を何度も告訴してきた人権派黒人弁護士が、ダウンタウンにあるケーブルカーの中で射殺死体として発見される。その弁護士によって市警に対する新たな訴訟の裁判が始まる直前のことで、マスコミ等世間の反応を予測した上層部は、黒人警官の部下を2人抱えるボッシュを捜査担当に任命し、無難な解決をはかるよう暗に強要する…。

少なくとも前半に関しては、これまでのシリーズ作品の中で一番面白い!
複雑な背景設定によって、捜査を困難なものとする状況が次々と畳みかけるように現れてくる。このあたりが今作は抜群に巧い! “エンジェルズ・フライト”とは殺人現場となったケーブルカーの愛称で、1台が上昇すると1台が下がっていく仕組み。これが物語の中でさまざまな隠喩として解釈できるのも面白い。

結末は、シリーズを読み続けていないと不自然に感じられるか? いや、前作までを読んでいるからこそ衝撃的かもしれない。暴動のシーンは芝居がかっているように感じたが、うまくまとまった感。公僕にとっては死後の名誉も不名誉もどうでもいいことなんだなあ。公僕に限らず、組織の中で生きる人間なんてそんなものかしら。すっきりとした勧善懲悪を求めるピュアなハートにはハードすぎる世界だぜ。

市警察副本部長のアーヴィングが相変わらず、何を考え、どう出てくるか予測つかない。立場は分かるんだけども、人間味を露にしないまま存在感だけはある。個人的にボッシュの相棒エドガーがいまだ信頼おけず、途中、些細な疑いをかけて読んでいた。ごめんね、エドガー(笑)。

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