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2007年7月 1日 (日)

DDRノスタルジー

ドイツ・ミステリ大賞を受賞しているシリーズの第1弾。著者の本業は政治評論家で現代史家だが、シリーズ途中までは、覆面作家としてその正体が伏せられていたそう。

『カルーソーという悲劇』アンネ・シャプレ著/平井吉夫訳
(創元推理文庫 2007年邦訳)

コピーライターの職を捨て、フランクフルトから小さな村に移り住んだパウル・ブレーマー。周辺で頻発する馬殺しと放火事件。そんななか、女農場主アンネの夫が、殺されて食肉用冷蔵室のフックに吊り下げられているのが発見された。犯人はパウルが思いを寄せるアンネなのか? パウルと親友の女検事カレン、郡警察警部コジンスキーの個性派トリオが行き着いた悲劇的真相とは…。
(出版社サイトより)

Fi2621476_1e ドイツのミステリーは珍しいと思い、読んでみた。文体が少しぎこちなく慣れるまで読みづらいが、英国ミステリーに似たユーモアが感じられる、ミステリー小説というよりは、登場人物や背景の魅力で読ませるミステリー小説もどきでしょうか。
主人公のパウルは広告代理店勤務に嫌気がさし、業界の暴露本を書いて生計を立てようとの目論みのもと、田舎に家を買って移り住むのだが、家畜の糞尿の匂い、無神経な騒音、おしゃべりな隣人、監視されているような周囲の目など、覚悟していたこととはいえ、田舎の生活に慣れるのに四苦八苦している。そのさまが面白い。
やがて殺人事件に絡んで、ベルリンの壁崩壊前の東ドイツの諜報機関シュタージの話などが出てくると、私には耳慣れない言葉がいくつか出てきて難しくなる。でも、いかにもご当地ミステリーといった感じで興味深い。東西ドイツ統一なんて、もう大昔の出来事のような印象でいたけれども、ドイツでは現在もいろいろな影響を引きずっているんだろうなという、当然なことに思い当たったりした。

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