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2007年3月

2007年3月28日 (水)

女優を夢見たヴェロニカ

ハリウッド署殺人課勤務のボッシュ刑事シリーズ第5弾。

『トランク・ミュージック』マイクル・コナリー著/古沢嘉通訳
(扶桑社ミステリー 1998年邦訳)


Fi2621440_1e_2 空き地に乗り捨てられたロールスロイスのトランクから男の射殺死体が見つかる。“トランク・ミュージック”と呼ばれるマフィアによる殺しの手口。まもなくその男は、興行にもかからないクズ作品を撮り続ける3流映画プロデューサーで、裏では犯罪組織の金を洗濯する仕事にかかわっていたらしいことが判明する。ボッシュ刑事は男の生前の足取りを追ってラスヴェガスに飛び、容疑者と思われる人物を突き止めるが…。

前作で、警察での職もロスからもおさらばか?と思ってたのに、時間を経てちゃっかり古巣で職場復帰しているボッシュであった。前作の余韻、ぶち壊しである…。でもまあ、シリーズがいつもの登場人物らとともに続いてくれたほうが良い。

職場復帰したボッシュは、仕事が楽しくて仕方ないようである。そのうえ、直属の上司が非常に物わかりのよい女性警部補に変わり、理解を示す仲間も増え、気持ち的にもだいぶ余裕ができた印象だ。第1作目で未練を残したまま別れた女性との再会が、ボッシュの立場を再び危うくする。スリリングなのはそこくらいだったかな。ボッシュと関係を持つ女性は、いつも同じタイプに思える。

今作は、事件に絡んで登場してくる人物の、この人は怪しい、この人は怪しいけど実は何か裏がありそうだという第一印象が、読み進むにつれてことごとく的中! 読者にどの程度見透かされるかは、この著者なら分かって書いているんでしょうが、気分は悪くなかった(笑)。でも、最後まで納得できないこともいくつか。

ボッシュシリーズを読むと、いまだリーバスシリーズと比べてしまう。かっこいい刑事といったら、やっぱり私にはリーバスだ。もう待ちきれない。早く新訳出してくれーー!

2007年3月24日 (土)

私家盤・魅惑のエロヴォイス その25

1年くらい前にCDを買ってほとんど聴いていなかった。ソウルシンガーのシル・ジョンソンを父に持つシリーナ・ジョンソンのアルバム『 Chapter 3 : the Flesh』。カニエ・ウェストやR・ケリーなどの今の売れ筋R&Bのアレンジの良さが、自分の年のせいかいまひとつ理解できないというのもあって、最初の何曲かを聴いたっきり放っておいたのだ。で、数日前にランダムモードでかけてみたら、おおおおーーーなんという、素敵な歌声!

いろんなゲストを迎えた華やかなアルバム前半よりも、一聴地味でオーソドックスな曲調が並ぶ後半のほうに心奪われました。可愛らしい歌い方とディープな歌い方、両方できる人なんですね! アルバムの前半と後半で、その幅がくっきり聴き分けられるのが面白い。歌詞を見ても、前半は恋してハッピー、後半に行くにつれてド演歌。んで私は、じんわりと女の情念で迫るディープな後半好み。たぶん少数派(笑)。

Syleena Johnsonの“Another Relationship”

Fi2621439_1e 例えばこの12曲目とか、8曲目の「Phone Sex」とか、歌だけでじわじわ盛り上げていくところがなんとも!!! 歌声聴いてるだけで切ない!!! 14曲目「Apartment For Rent」、15曲目「Only A Woman」も彼女の歌の底力が発揮されていて良い!!! ディーバとして大御所メアリーJにも決して負けていないのが素晴らしい!

映画「ドリームガールズ」に登場した女性たちの歌はとても良かったが、純粋に黒人女性ヴォーカルの魅力としては個性が欠けるというか、声自体に引っかかりがなく何か物足りない。シリーナのように少しハスキーで適度にひしゃげているのほうが聴きごたえがあって魅力的に感じます。

アルバム前半も悪くない。3曲目の「He Makes Me Say」、R・ケリーの4曲目「Special Occasion」、アンソニー・ハミルトンとデュエットした5曲目「More」あたりは好き。
でも、カニエ・ウェストの6曲目は、ネタ元のブルーマジックの曲を知っていたら何かのオマケ程度の曲にしか聴こえない。彼女の歌は別として。こういうのが受けるとしたら、完全についていけなくなっている。

試聴のできる公式サイト

2007年3月23日 (金)

恋に骨折り損はつきもの。

彩の国シェイクスピア・シリーズ第17弾、
蜷川幸雄演出の「恋の骨折り損」を水曜日に観てきました。
観劇は、よほど好きな俳優が出てるときに興味を持つ程度です。
でも、そのためには一度はロンドンにまで出掛けたことも…。
お目当てが日本人だと安上がりでいい。

芝居の内容は、ナヴァール国の王とその学友3人が、3年間勉学に
専念するために女性には接しないなど厳しい規律を自ら設けるが、
折からフランス王女がお供の女性3人とナヴァール国を訪問し、
男4人と女4人が顔を合わせた途端にそれぞれ恋に落ちてしてしまうというもの。

さいたま芸術劇場は、雰囲気のある劇場ですね。ロンドンに行ったときに、
シェイクスピアの芝居小屋を再現したグローブ座に立ち寄ったのだが、
それとよく似ていた。というか、ここも真似てつくってあるのかな。
映画「恋に落ちたシェイクスピア」を観た人なら知っているが、
もともと演劇は男性のみで演じられてきたということで、
それを再現するようにキャストは全員男性。
また、舞台の端っこに控える侍女役たちはずっと膝立ちで演じていた。
当時は小人症の劇団員がいて当たり前という演出でしょうか。
ドレスで足元まで隠れてるので、観てるほうは違和感ないんだけど
その姿勢で歩いたり、じっと立っているの大変そうだったよ。
オープニングで、出演者全員が楽団に率いられて登場し挨拶したりとか、
他にもシェイクスピアの時代を意識した演出が、いろいろあったかもしれない。

話はシンプルなのだけど、とにかくセリフが多くて。
シェイクスピアだから婉曲な言い回しだらけで、頭が追いつかねー!
駄洒落で脱力し、下ネタでのみ反応している自分が情けない(笑)。
手紙を読みあげる場面は、出演者たちが身体でリズムを取りながらラップを
するという意表を突く演出で変化を付けていたが、しかし、ラップになると
台詞自体が聞き取りにくくなるので、いいんだかわるいんだか…。

でも、面白かったですよ。吉本新喜劇並みに笑えた!
3時間以上あるのに、あっという間だったなあ。
私は特に、藤井びんという人が演じた赤い衣裳のスペイン人アーマードーが
気になってしまって。おかしな白塗りのメイクで動きが変なうえに、
インチキ貴族なので、言葉も微妙になまってんの(笑)。
メインの男女8人そっちのけで気になるくらいで、なんだろねあの存在感は!

一番の目当てだった北村一輝は、もともと演劇の人ではないので、
私も観劇ずぶの素人だし、演技についてどうこうはさっぱりわからない。
でも、あの容貌はここでも異質だ。一人だけ金色の衣裳がよく似合うことよ。
声質からして本来は軽めの役のほうが似合っていると思うのだが、
彫りが深いせいか、横顔などは時にハッとするほどノーブルなのだ。
それにこの役はちょっとバカっぽくてうまくはまっていた。
4人の男性の中で劇を引き締めていたのは、高橋洋という俳優。
最も台詞が多い役を任されているだけのことはあった。
あと、須賀貴匡が麗しすぎた。目がきらっきらして眩しかった(笑)
女性を演じた役者たちも含めて、いちばんの美形だったかも?

舞台上は大きな柳の木が天井まで覆っていて、床は芝生に見立てた
ふかふかの白い絨毯が敷いてあって、ところどころに白い花も植わっている。
話の展開に合わせて、柳の枝を風が揺らし、その後ろの幕には陽光にきらきら光る
川面が映し出されるという演出がステキだったー。
これまで観た(数えられる程度の)お芝居の中では、
お金のかけ具合とセンスが段違いだったわ。
舞台の奥のほうで演技するということはほとんどなくて、
客席の通路や最前列も舞台として使用するという一体感も良かった!
客席の8割強は女性、役者さんは美形揃いなので
彼らが通路と舞台上を行き来するだけで、会場全体が華やぐのだ。

チケットを取るときは抽選だったので、念のため2回分申し込んでおいてよかったよ。
運良く2回とも取れ、今回は上手寄りだけど前から2列目で観劇、
次は中央の10列目くらいの席なので、組み合わせ的には絶妙だったかも。

2007年3月19日 (月)

「67番目はだれ?」

『シャッター・アイランド』デニス・ルヘイン著/加賀山卓朗訳
(ハヤカワ文庫 2003年邦訳)

Fi2621437_1e 1954年の夏、ボストン沖。凶悪犯専用の精神病院がある孤島で、かつて自分の3人の子供を溺死させた女性患者が忽然と姿を消す。テディ・ダニエルズは、保安官仲間のチャックとともにその捜査のため島に向かうが、テディには島を訪れるもう一つの目的があった…。


ネタバレ注意! ネタバレ注意! ネタバレ注意!
未読の人はこの先を読まれないことを祈る。


実験的なサスペンス小説なのだが、扱っているものが扱っているものなだけに確信まではいかなくても、おそらくこんな展開なのだろうと中盤あたりで予測できる。シーハン医師が何者なのかも、途中でうすうす気付く。だからといってがっかりする小説ではない。おそらくこの小説のキモは、終盤のどんでん返しによる驚きではなく、ラストのぞぞっとする怖さ。と、それ以上の憂鬱。

デニス・ルヘインはところどころでハッとするセンスのいい文章を書く人だ。でも、哀切と呼ぶには重すぎるというか、ネガティブすぎるというか。『ミスティック・リバー』もだったが、これも。私立探偵パトリック&アンジーのシリーズは、その重さが物語の深みになっていい塩梅なのだが、犯罪者やその犠牲になる人々を外側から眺めるのと、内側から描くことによる違いなのだろうか、
読み終わって鬱になるとともに、なーんか安っぽく騙されたような気分にもなる。でも、この独特の哀切が胸にズシーンと来る人は来るのでしょうね。ある人には一種の癒しとしても作用するかもしれない(かなりの当てずっぽう)。しかし、私にはトゥーマッチだあー。感情的に重なる部分がほとんどない・・・この小説を肯定的にとらえられない理由の半分以上は、おそらくそれ。

2007年3月18日 (日)

13番目の香り

もっと香水の歴史とかうんちくを盛り込んだ映画なのかと思っていた。
これは、フランケンやドラキュラや狼男などと同じ類の
モンスターの話ってことでいいのかしら?

「パフューム ある人殺しの物語」(2006年 独/仏/スペイン)
★★★☆

↓以下少しネタばれ。

もって生まれた才能で、捨て子から皮なめし職人を経て調香師となった主人公が、
自分には体臭がないということに気付き、
体臭がないということは誰の記憶にも残らず死んでいく運命であると
どっと虚しさに襲われる場面が、面白さのピークだった。
その後は、子供向けのおとぎ話みたいな展開になっちゃったかなあ。
思っていたより軽めのお話で…。

あの時、あの女性が恐怖の声を上げるようなことがなかったら、
違う人生を歩むことになったのか?
しかし、犯罪に触れない方法で同じ究極の香水を作り上げたとしても、
民衆を惑わず者として、魔女狩りのような目に遭いそうだ。
(予告を見た時点ではそういうストーリーだと想像していた)。
いずれにせよ平穏な人生は送れそうもない。
映像的には面白いところがけっこうあった。


体臭は大事らしいですね。
容姿に関係なく恋に落ちるのは、相手の体臭が大きく関係してるんだっけ?
健康のバロメータにもなるというし。そういえば自分の下着のにおいを嗅ぐだけで
なんとなく落ち着いた気分になったものだ、昔は…。
年を取るともうだめ。確実にいやなにおいに変化してきている(笑)。
(しかし、この映画での処女への執着ぶりは違和感がある。何か根拠でもあるのか?)
といって、いまだ香水には興味が乏しい。周りを見ても
「この人、効果的な香水のつけ方をしてるなあ」と感心することはあまりないし。
あれは、もともと体臭がきつめの人がつけるほうが、
香り自体もより魅力的に変化するものなのだろうか。
以前に何かで同席したフランスの中年男性が、ものすごいいい香りを
発していて(たぶん麝香系)、ふらふらと付いていきそうになったことがあった。
寺島しのぶも、実は相手のにおいが決め手だったりしないだろうか。

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パフュームが食い足りず、同じシネコンで「龍が如く 劇場版」2度目鑑賞。
1度目より好印象。そして、アクションシーンは本当にかっこいい。
スーツ姿で素手で殴るってのがツボだ。
で、形勢不利な状況とか、殴られ気を失ってるときの桐生ちゃんは実にセクシー。
つくづく血糊の似合う俳優だよ。

2007年3月15日 (木)

変わりゆくものと変わらぬもの。

スウェーデン南部の田舎町イースタを舞台にした、バツイチ、すでに独り立ちした娘一人、たまにボケ始めた父親の面倒も見なければならないクルト・ヴァランダー警部のシリーズ第5弾。

『目くらましの道』ヘニング・マンケル著/柳沢由美子訳
(創元推理文庫 2007年邦訳)

Fi2621435_1e_2 警部は恋人と過ごす夏の休暇が待ち遠しく、同僚たちはサッカーW杯(1994年のアメリカ)での自国チームの活躍に気もそぞろの最中。菜の花畑に不審人物がいるとの通報を受けて警部自らが出向くと、そこには肌の色の濃い少女がいて、声をかけた警部の目前でガソリンをかぶって焼身自殺を図る。また、そのショックから立ち直れないでいるうちに、かねてから良くない噂のあった元法務大臣が、隠居生活を送る家の近くで頭皮を剥ぎ取られた殺傷死体となって発見される…。

相変わらず読ませるぅー、面白い! 連続猟奇殺人とそれに振り回される警察というのは、米国のミステリーではもうありきたりなんだが、舞台がスウェーデンなのでひと味違う。ヴァランダーたちはこのような残忍な事件に、まだまったく不慣れなのだ。何を疑えばいいのか、いえ、無意識のうちに疑いは的中しつつあるようなのだが、それをあえて見ない、信じないようにすることで事件解決は遅れる。一方で読者は、あちこちに散りばめられた曖昧なヒントによって、話の次なる展開予想が裏切られまくり(笑)。

このシリーズは、いつも最後の追い込みが息尽かせない展開なのだが、今回は事件が解決してもまだかなりのページ数が残っている。眠いのを我慢して読み進めたら、途端にその眠気はどこへやら……もう号泣。
現代社会の病んだ部分を描きながら、単に刺激的なストーリーとはならず、主人公がまっとうな警官としての思慮深さや人情味を留めていることに好感が持てる。著者マンケル自身、正義感の強い人かもしれない。

このシリーズ、スウェーデンではドラマ化もされているという。マンケルはこの5作目で英国推理作家協会のゴールドダガー賞も受賞。もはや北欧を代表する作家の一人? ところで、クルトというと、真っ先にユルゲンスが思い浮かぶので、ヴァランダー警部もいつもそんな容貌を想像しつつ読んでいる。

2007年3月13日 (火)

右手を見せない男

西新宿に事務所を構える私立探偵・沢崎シリーズ第1作。

『そして夜は甦る』原りょう著
(ハヤカワ文庫 1988年刊行)

Fi2621434_1e 探偵・沢崎は、ろくに名前も名乗らない男から、沢崎が知っているはずというルポライター佐伯の行方を探すように依頼される。その直後、私鉄とデパートを所有する東神グループの弁護士からの電話で、同じく佐伯の居場所を教えてほしいと頼まれる。調査を進めるうちに、やがて浮かび上がってきたのが、先の東京都知事選での立候補者○○事件とのつながりだった…。

原りょうの「りょう」の漢字が出ません…。
ジャズピアニストであり、のちの直木賞作家によるレイモンド・チャンドラーに心酔して書かれたという初の長編。私立探偵ものといったら、謎めいた人物が場末の探偵事務所を訪れて、謎めいた依頼をするところから始まるのが定番だ(当たり前か)。さらに、探偵・沢崎の事務所は「渡辺探偵事務所」といい、依頼者からはいつも渡辺という名前だと間違えられ、そのつど「私の名前は沢崎」と正すところから会話が始まるのがお決まりのようなのだ。
沢崎の探偵としての先輩であり、パートナーであった当の渡辺は、横領事件に絡み5年前に姿をくらませたままであり、事務所は今も警察とやくざの両方から見張られているという設定。

会話など、翻訳ハードボイルドをもろ意識して書かれていると思うのだが、久々に日本の小説を読むと、やはり日本の小説独特の何かを濃厚に感じる。舞台は1983年だが、もっと古い日本小説に通じる何か。沢崎の推理の末にたどりつく、事件の関係者たちそれぞれの行動の動機というのが、理屈ばかりが先行しすぎている気がして、リアリティに欠けるというか、どうにもしっくり来ないのであった。

2007年3月 4日 (日)

お下品で上等!

1曲目の「ムーヴ・ムーヴ・ムーヴ」だっけ? もう、その時点でノックアウトされた! 歌にうるうるされっぱなしの2時間だった。

「ドリームガールズ」(2006年 米)
★★★★☆

Fi2621433_1e ミュージカル映画というものを面白いと思ったことがなくて、でも要するに、音楽のタイプとの相性だなと気付いた映画だった。
ダイアナ・ロス&ザ・シュープリームスがモデルといわれるミュージカルの映画化。そのミュージカルにどのくらい忠実なのか知らないけど、私なんかはこっちの映画のほうが好みではないかという気がする。ブロードウェイの一流ミュージカルは、どうも白人好みが強い気がしちゃって。偏見覚悟で、エディ・マーフィ演じる古いタイプの歌手に象徴される黒人のソウルは、映画のほうが伝わりやすいんじゃないかと想像する。

もともとパワフルな黒人ボーカルが大好きってのもあって、ラストは痛快。ストーリーも悪くなかった。実際によく聞く話で目新しいものではないが、最大数の好みに合わせ、売れさえすればいいという考えが行きすぎると、つまらないものしか創造できず、人々の心を本当に掴むことはできないというテーマは、儲け至上主義の弊害があちこちで言われている今だからこそ改めて、いろいろと感じるところが多いのではなかろうか(そんな大げさな主張のある映画ではないが)。

内容的にヒロインは、アカデミー助演女優賞ももらったジェニファー・ハドソンですね。彼女と、グループを売り出した音楽プロデューサー役のジェイミー・フォックスの2人が主演の映画だと思う。一方でビヨンセには華がある。ほとんどノーメイクの冒頭でも輝いてるもの。

ビヨンセとジェニファー・ハドソンの歌唱力比べなんていう楽しみもあったわけだが、意外ともう一人のメンバー、アニカ・ノニ・ローズが声質では一番魅力的に思え、彼女の歌ももう少し聴けたら最高だった。ビヨンセはダイアナ・ロスの声を意識したのかな。けっこう似てました。曲もシュープリームスのあの曲か?と思い出すようなのが多かったしね。エディ・マーフィも吹き替えなしとは驚いた。

監督のビル・コンドン。ドラマ部分があまり説明過多にならず、歌と歌のつなぎ程度に徹した手腕が見事でした。次から次へと魅力的な歌をたっぷり聴かせてくれたことに満足!

例えばポパイにおけるほうれん草

のような秘密兵器が登場したときが一番面白かった。例えが古くてごめんなさい…。昨日から公開の映画。

「龍が如く 劇場版」(2007年 日本)

Fi2621432_1e 北村一輝の出演作は、映画もドラマも欠かさず見ることにしているのだが、カメオ的に出演した「大奥」はついに映画館に行かずじまい…。でも、これは主演だからね! 主演映画がこれだけの規模で公開というのは初めてだしね! 監督は気心の知れている三池崇史。一般受けは無理でも、何かやらかしてくれるかもという期待は密かに持っていた。
テレビでCMが流れていたから、舞台挨拶のある初日初回は見られたらラッキー程度の気持ちで上映30分前くらいに出掛けたのだが、思ったほどの混雑でなく…。何事もファンが思うほど、世間の注目度なんて大したことないものだ。

舞台挨拶で北村が、完成した映画を初めて観たときの感想を「なんじゃこりゃあ! 監督またやってしまったか…」だったと言っていたが、まあほんと、そういう映画…。まったく同じ感想。なんじゃこりゃあ!という言葉は、良い意味とも悪い意味ともとれるわけだが、そう言われた途端に思わず吹き出してしまった監督自身の気持ちは「おいおい、こんな場所でそんなに正直に言うなよ」だったかも。壇上にはプロデューサーもいるのに(笑)ともかく、2人が今も仲が良くてうれしかったよ。

話は逸れるが、北村の三池作品デビュー作「喧嘩の花道 大阪最強伝説」は、オリジナルビデオ作品ながら、昭和の雰囲気を伝える青春映画の傑作だと思う。二宮清純の「浪花ヤンキー列伝」が原作。もっと評価されるべき! 亀○親子の物語なんかよりよっぽど面白いから。

話を戻しまして、ゲームソフトの映画化で、製作費を出しているのもそのソフト会社らしいので、この映画は常識的に考えてゲームの宣伝、キャラクター商売の一環なのだ。だから、一般的な映画の面白さを期待して観ること自体がそもそもの間違いかもしれない。また、極道ものなのに子供でも見られる内容を意識している時点で、相当の無理が生じるし、突っ込みどころが多くなるのも当たり前だ。

そのため三池監督独特の、バイオレンスシーンのグロさも抑えられていたが、クライマックスに登場するパワーアップアイテムが引き起こす“脱力系”の笑いは、いかにも三池監督らしかった。最近だと「妖怪大戦争」が同じパターンかな。

キャストは概ねはまり役と思った。岸谷五朗が演じるアイパッチの凶暴だがどこか憎めないキャラが魅力的で、「桐生ちゃ〜ん」と子分引き連れて因縁の決着を付けに現れるたびに、桐生(北村)が眉をひそめて「またおまえか」という素振りをしつつ、でも実はまんざらな気分でなさそうだったり…。この2人が一緒に出ているシーンは文句なく面白かった! この設定、メイン出演者、監督で、毎回一つのエピソードが完結する連続ドラマがあったら楽しみに見てしまうと思う。子供が見られない深夜にね!

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