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2007年3月19日 (月)

「67番目はだれ?」

『シャッター・アイランド』デニス・ルヘイン著/加賀山卓朗訳
(ハヤカワ文庫 2003年邦訳)

Fi2621437_1e 1954年の夏、ボストン沖。凶悪犯専用の精神病院がある孤島で、かつて自分の3人の子供を溺死させた女性患者が忽然と姿を消す。テディ・ダニエルズは、保安官仲間のチャックとともにその捜査のため島に向かうが、テディには島を訪れるもう一つの目的があった…。


ネタバレ注意! ネタバレ注意! ネタバレ注意!
未読の人はこの先を読まれないことを祈る。


実験的なサスペンス小説なのだが、扱っているものが扱っているものなだけに確信まではいかなくても、おそらくこんな展開なのだろうと中盤あたりで予測できる。シーハン医師が何者なのかも、途中でうすうす気付く。だからといってがっかりする小説ではない。おそらくこの小説のキモは、終盤のどんでん返しによる驚きではなく、ラストのぞぞっとする怖さ。と、それ以上の憂鬱。

デニス・ルヘインはところどころでハッとするセンスのいい文章を書く人だ。でも、哀切と呼ぶには重すぎるというか、ネガティブすぎるというか。『ミスティック・リバー』もだったが、これも。私立探偵パトリック&アンジーのシリーズは、その重さが物語の深みになっていい塩梅なのだが、犯罪者やその犠牲になる人々を外側から眺めるのと、内側から描くことによる違いなのだろうか、
読み終わって鬱になるとともに、なーんか安っぽく騙されたような気分にもなる。でも、この独特の哀切が胸にズシーンと来る人は来るのでしょうね。ある人には一種の癒しとしても作用するかもしれない(かなりの当てずっぽう)。しかし、私にはトゥーマッチだあー。感情的に重なる部分がほとんどない・・・この小説を肯定的にとらえられない理由の半分以上は、おそらくそれ。

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