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2007年2月10日 (土)

刑事は生まれ変われるか。

ハリウッド署ハリー・ボッシュ刑事シリーズ第4弾。

『ラスト・コヨーテ』マイクル・コナリー著/古沢嘉通訳
(扶桑社ミステリー 1996年邦訳)

Fi2621428_1e ボッシュ刑事は売春婦の子として生まれ、孤児院で育った。母親はボッシュが10代初めの頃に、路上のゴミ箱の中から絞殺死体となって発見されたが、30年以上たった今も犯人はつかまっていない。本作では、上司への暴力から強制休職処分を受けたボッシュが、その時間を利用して、ずっと心の片隅にあった母親の殺人事件の解明に、警察バッジも拳銃も持たないままで挑む…。

舞台は、大地震からまだ復興しきっていない1994年のロサンゼルス。見晴らしのいい丘の斜面に建つボッシュの家も大きな被害を受け、市から立ち退きと取り壊しを命じられている。そんな状況のなか、ボッシュ刑事が過去の事件を勝手に嗅ぎ回るほどに、直接関係のない人まで巻き込み、新たな不幸が積み重なっていく。
やがてボッシュは、母親が死ななければならなかったのは自分のせい、いや、そもそも自分が生まれてきたこと自体が不幸の源ではなかったかとまで思い悩む・・・と、かなり重い内容ながら、大胆な行動でずんずん事件の真相に迫っていくので、一気に読むしかない!という感じです。

信頼できる同僚も上司もいない状況で、ボッシュの数少ない味方となるのがほとんど女性たちというのが面白いです。過剰に男臭い話にならず、ハードボイルドの雰囲気も損なっていないところがいいです。そして、精神分析医なんてのが重要な役で登場するのに、トラウマとかなんとかいう安易な診断を持ち出したりしないところがいい。行きずりの恋もあって、ここはちょっと無理やりかなと思ったが、後できちんと互いに引かれ合った理由らしきものが明かされて納得しちゃったし。

希望の見える終わり方でほっとしたが、次が気になる! 刑事としての人生も、ロサンゼルスからも、これでおさらば???


ところで、前から気になっているのだが、翻訳者さんのこだわりだろうか。「おおきい」「ちいさい」「すくない」など、普通は漢字で書くところが平仮名になっているので、いつも読み始めに戸惑うのです。

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コメント

おもしろそうだね、ぼく好みかも。なにしろこのところ野暮な本がたまっていて、こういう本が読めない(笑)

>warmgunさん旅行に出掛けてまして返事が遅れました。設定はエルロイの小説に似ていますが、ずっと娯楽小説です。気分転換に読むにはいいかもしれないですよ。私もたまには野暮な本を読まなくちゃ・・・。

私もマイケルコナリーにこの半年くらいでハマリ、単行本を順番にじっくり読んでいます。スティーブンハンター並に面白いです!多作な人なのでこれからも楽しみです。

>れみわんさんスティーブ・ハンターは積ん読状態のままです。シリーズの途中のものを買ってしまったらしく、1作目から読むべきかと考えてそれっきり・・・。マイクル・コナリーは、乾いた感じがいいですね。

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