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2006年12月17日 (日)

ヒエロニムス・ボッシュ刑事が暴く闇。

ハリウッド署殺人課勤務のハリー・ボッシュ刑事シリーズ第3弾。

『ブラック・ハート』マイクル・コナリー著/古沢嘉通訳
(扶桑社ミステリー 1995年邦訳)

Fi2621413_1e 死に顔に化粧を施すことから“ドールメイカー”と呼ばれた連続女性殺人犯を、逮捕の際に自己防衛から発砲して殺してしまった過去を持つボッシュ刑事。それから4年、犯人の妻が夫の無罪を主張し、敏腕女性弁護士を雇ってボッシュを告訴。そして、裁判開始の朝、ボッシュの元に真犯人を名乗る男からメモが届き、ドールメイカーと同じ手口で殺された女性の遺体が発見される。ボッシュが殺した男は人違いだったのか…。

一言でいって手堅い面白さ。人気のある作家というのがよく分かるわ。事件の真相が、毎回ものすごく身近に転がっていすぎるのだけど、むしろそれゆえハードボイルド・ミステリーの王道という気もするし、シリーズの残りも必ず読むぞー!
被告人となったボッシュは、審理の休憩時間になると裁判所を抜け出して屋外に設置されている喫煙所で一服。なにげないこういうシーンが好き。

ボッシュの本名はヒエロニムス・ボッシュといい、母親が好きだった15世紀の幻想画家から名づけたという話が毎回繰り返し出てくる。私はスペインのプラド美術館で見て、初めてこの画家を知ったに等しく、どことなくユーモラスでホラーな絵に魅入ってしまったのだけど、その後、バルセロナ近郊のシッチェスという町(夏になるとヨーロッパのゲイが集まるビーチリゾートとして有名)に行ったとき、その絵に登場する奇怪なキャラクターの置物を売っている店があって、欲しいという気持ちと、これを部屋に置く気はしないという気持ちの板挟みになって、店の前を行ったり来たりした。

で、画家ボッシュ(ボス)の絵と、この小説もしくはボッシュ刑事のキャラクターにどんな関係を持たせているのか、ずっとピンと来なかったのだが、先ほど調べてみたら、画家ボッシュは人間に潜む悪魔的な部分を暴いてみせる画家というような評価をされているらしく、納得した気分。

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コメント

私も今マイクルコナリーにはまっていまして、文庫で読んでいる最中です。元新聞記者ということですが、ディテールややりとりにこだわりがあって、映画を見ているようですね。名前の由来、気がつきませんでした。ナイトホークスにも意味があるし、全部読んだら原文で読んでみたいと思ってます。

>れみわんさん名前の由来、私が勝手に納得しようとしただけなので、意味などそれほどないかもしれませんよ。この本を読んでそうかなと思っただけですので。私はイギリスのイアン・ランキンにはまっていて、どうやらランキンを読んでいる人はマイクル・コナリーも読んでいる確率が高いということに気付き、読み始めました。英米の違いはありますが、美学みたいなものは似てる2人だなと思います。米文学専攻ですか、原文で読めてうらやましいです。特にハードボイルド系は、面白そうです。

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