« 巡査は慌てて本を尻の下に隠した。 | トップページ | 考えるウサギ »

2006年10月 3日 (火)

9月に観たレンタル映画4本

「コントラクト・キラー」(1990年 フィンランド/スウェーデン)
★★★★
アキ・カウリスマキ監督、ジャン=ピエール・レオ主演。民営化によって水道局を首になった、いかにも真面目で面白みのない事務職の中年独身男性が、自殺を試みるが失敗し、自分で殺し屋を雇う…。
この監督の映画に登場する人物たちは、黙ってそこに佇んでいるだけで、なぜにこんなに可笑しいの!
「正式に付き合うのは少し待ってくれないか。失業中なんだ」
「女はそんなこと、気にしないものよ」
いいね。じんわりくるわ。こんなありきたりな(?)セリフなのに。
いつもながら音楽の選び方、使い方も素晴らしいです。真っ昼間のパブで演奏するジョー・ストラマーの間抜けな感じの歌声に、殺し屋に追われる身でありながらもしばし耳を傾ける主人公・・・。映画の中の箸休めみたいなシーン。しかし、この箸休めシーンがあることで、うんと包容力のある映画になる。そういう企みがとても上手い監督だと思います。

「風が吹くまま」(1999年 フランス/イラン)
★★★★
アッバス・キアロスタミ監督。テヘランから約700キロ、山肌に佇む小さな村にはるばるやってきたテレビのドキュメンタリー取材班の目的とは…。
これって「桜桃の味」と同じ括りのシリーズ作品か何かなんだろうか? 死を扱っているところ、自然の美しさが人の気持ちをほぐしていくところ、オープニングの禿げ山のウネウネ道を走る車のロングショットなど、「桜桃の味」を思い出すところがたくさんありました。
映画のテーマは、シンプルにこしたことはないかもだ。なんてことのない小さなエピソードの一つ一つが心に残った。日の光に輝く草原も。
例えば、東京のような周りが人工的なものばかりの大都市で、独り暮らしのお年寄りは、毎日何を見て「まだ死ぬのはもったいない」と実感するのだろうか?という疑問が、最近ずっと私の胸の中に巣くっています。

「クローズ・アップ」(1990年 イラン)
★★★
これもアッバス・キアロスタミ監督。バスで出会った女性に、自分は有名な映画監督のマフマルバフだとうっかり嘘をついてしまった貧しい男の、悲しくも滑稽な顛末…。
実際に起きた詐欺まがい事件を、その当事者たちがこぞって出演して再現してみせるセミ・ドキュメンタリー。騙したほうも騙されたほうもマヌケと見るか、映画をまるで神のようにあがめて生きる貧乏な男の心情に共鳴してウルっとくるか、さあアナタはどっち? 私はどっちだろう…。よく分からなかった。
イランでの映画と映画監督の文化的地位はとても高そうです。低所得層急増中の日本でも、再び貧乏をテーマにした映画が増えていくでしょうか?

「ピンクパンサー」(2006年 米)
★★★
映画館で何度も予告を観たときには、何度もひとりバカ受けしてたんだけど…。
うーん、けっこうおとなしめ。 スティーヴ・マーティンの執拗なまでの「○ンバーガー」ネタも乗り切れず。思い起こせば、子供の頃に観たピンクパンサーの笑いはいつも微妙だった。今観たら、本家シリーズとどっちが面白いかしら?
ケヴィン・クラインの演技のうまさに唸った。クライヴ・オーウェンが!・・・似合うよねぇタキシード(笑。オープニングのアニメキャラが微妙にかわいくなってた!

« 巡査は慌てて本を尻の下に隠した。 | トップページ | 考えるウサギ »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

お久しぶりです。アッバス・キアロスタミ監督作品は未見なのですが、なかなか面白そうですね。また遊びに伺います!

>nacchi74さんほんと久しぶり!この前、覗いたら再開されてたのでうれしくなりました。キアロスタミ監督、私もまだ3本しか観てないんですよ。素人俳優さんたちがいいです。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1175528/28622551

この記事へのトラックバック一覧です: 9月に観たレンタル映画4本:

« 巡査は慌てて本を尻の下に隠した。 | トップページ | 考えるウサギ »

インデックス

無料ブログはココログ