私家版・魅惑のエロヴォイス その24
ボズ・スキャッグスの『シルク・ディグリーズ』のジャケを見ると、アル・ジョンソンの1980年のアルバム『Back For More』を連想。改めて見なおすと、青空バックとコンクリートの塀以外の共通点はないのだが、ボズのジャケの右側にアルのジャケを並べてみると…。
ほら、女性に背を向けるボズを、うらやましそうに眺めるアルというユーモラスな構図の出来上がり。また、アルの『Back For More』の代わりにCharの『Char』を並べてみると、ボズに対抗して白スーツで粋がっているCharという、これまた違った味わいが楽しめる…。
うーん、自分で書きながら、大したことない古ネタに落ち込む…。
Al Johnsonの“I've Got My Second Wind”
アル・ジョンソンって人は、ジャンルはソウルになるんだろうけど、歌い方はあまり黒っぽくない。そしてこのアルバムのプロデュースはノーマン・コナーズだ。「渚のセカンド・ウインド」(上記)などは、フュージョンやAORといった、ラジオ番組だと「クロスオーバーイレブン」でよくかかりそうな、まさにクロスオーバーなテイストの曲で、むしろソウルファン以外に受けていた記憶があるんだけど、どうでしょう。
この手のジャンルの狭間にある音楽は、当初はあまり高く評価されずだいぶ時代を経てから、DJなどを通じて急に人気が出たりして面白いものです。
この曲に関しては、歌い方や一部アレンジがマービン・ゲイを意識していて、そこもすごく好きな理由の一つ。リズムはもちろん、ストリングスやコーラスがツボを刺激するように盛り上げる。当時、車を持ってる彼氏がいて、2人でドライブしながらこの曲を聴いたらさぞかし気持ち良かっただろうなと、車の持てない貧乏人とばかり付き合ってきた私としては、しくっと胸に突き刺さる悔いがあったりします。
あと、ラストに入っている歌い上げバラード「ピースフル」も好きだった。
上記の2曲は前作アルバム『PeaceFul』からの再録。埋もれるには惜しい曲だからと再び取り上げたのかな? アルバムタイトルになっている1曲目は当時のヒット曲。自分は「渚のセカンド・ウインド」が入っているレコードのB面ばかりを聴いていたせいか、後半のほうが好きな曲が多い。アイズレー風の6曲目もいい曲だなあ。久々に引っ張り出して聴いて、充実したいいアルバムであることを再認識!
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アル・ジョンソンのアルバムは聴いた事無いんですが、私が最近買ったユニフィックスというグループを現在は率いているようですね。ミクシ仲間の人の話によると、以前からプロデューサー仕事には定評があった人らしいですね。ユニフィックスも「サムシング」とかやったりしてドス黒い感じはしないけど、オールドソウルの薫り十分です。
投稿: k.m.joe | 2006年10月29日 (日) 14時05分
>k.m.joeさんずっと一発屋に近い人かと思ってましたが、けっこう大物だったようですね。ユニフィックスはまだ聴いたことありません。ご紹介の再結成アルバムは良さそうですね。
投稿: ヒメヒカゲ | 2006年10月29日 (日) 17時31分