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2006年9月 9日 (土)

警察小説シリーズの草分け

有名過ぎると、いつでも読めるという安心感があって、後回しになってしまいがちで、ようやく買ってみた。ミステリー小説に「警察小説」というジャンルを確立したとされる87分署シリーズの第1弾。

『警官嫌い』エド・マクベイン著/井上一夫訳
(ハヤカワ文庫)

Fi2621368_1e 例年になく蒸し暑い夏の夜、市警87分署の刑事が出勤途中に銃殺される。キャレラたち同僚刑事は総出で犯人検挙に力を注ぐが、ろくな手がかりがないまま、再び警官の犠牲者が出る…。

何が印象に残ったかって、翻訳文の会話!古い翻訳小説は久々だったせいかもしれないけど、可笑しくて。例えば、たれ込み屋ダニー。
「オーデッツじゃありませんぜ。そいつはお門違いというもんでさあ」
「これでも部屋の前には、あんたたちの算段では数え切れないくらい、女が列を造って待ってよう粋人なんだから。あたしは粋人でげすよ」
「やつのおてんてんには蝶々が住み着いてて、やつはいつもヘロでそいつを追っぱらってるんでさあ」
「ようがす。ええ。1時間かそこらで電話します。なんの造作もねえこってさあ。ペイ患者ならわけはねえ」
げすよ、ようがすって・・・・ここはどこの国? いつの時代?
ストリートギャングは愚連隊だし、警部(おやじ)、刑事(デカ)、女(スケ)、記者(ブンヤ)、喧嘩(でいり)、強盗(タタキ)、殺す(バラす)、拳銃(はじき)とか
いちいち毎回ルビが振ってあるし…。あー、でも、なかなか。古くさい訳に味があってよござんした。

87分署シリーズは、この1冊目が書かれたのが1956年で、作者エド・マクベインが昨年の夏に78歳で亡くなるまで続き、刊行されたシリーズ数は、なんと50冊以上! これだけあると、有名シリーズといえども、在庫切れはけっこうありそうだ…。同じ作家のカート・キャノン名義のハードボイルド小説は大昔に1冊、手にした記憶があるけど、それっきりだったなあ。

警察小説シリーズは読み進めるほどに、登場人物それぞれに愛着がわき、面白さが増す場合が多く、1冊目は「ふむふむ」程度です。草分けといわれるものを、後の時代から見なおすと、当時の新鮮さは味わうことはできないけど、リアル感こそ面白みと思われる警察小説で、架空の街を舞台にしているのはちょっと意外だった。モデルはニューヨークそのものらしいけれども。

日本では渡辺謙主演の2時間サスペンスドラマにもなっている。見た覚えがあるけど、どんな内容だったかは忘れていて、読んでいくうちに、あー有森也実が妻役をやっていたあれね、と思い出す。思い出してしまうと、意識せずともイメージが縛られて、演じたのが誰であれ、なんとなくがっかりしてしまうのだが、シリーズを読み進めて、小説の中の人物像がはっきりしてくれば、たぶん気にならなくなるだろう。

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お客さんのところからずいぶん前に来ていた仕事を、長く自分のところに寝かせておいてから、契約社員の私に振るのは止めてね。そのせいでこの週末も持ち帰りだ! 今週はずっと一人で残業してきた挙げ句に、この仕打ち。でも今日は、昼間のうちにやっつけたぜー。気持ちが少しはラクになったが、モチベーションは低下したまんま。

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コメント

はっきり「原作○○」とうたっていなくても、「あ、これあの本の焼き直しだ!!」って思う日本のドラマ多いです。87分署シリーズもたぶんいくつも使われてると思いますねー。

>Djangoさんそうですね、きっと。あれだけいつもミステリードラマやってて、ネタつきないなと思うから。87分署くらいになると、けっこうねえ。

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