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2006年8月21日 (月)

Everybody gotta have a dream

都内では1館、夜9時からのレイトのみで上映中です。
メンフィスを舞台にした黒人音楽映画。

「ハッスル&フロウ」(2005年 米)
★★★★


Fi2621362_1e メンフィスのストリートで、ポン引きに麻薬調達というしがない裏稼業(=ハッスル)で生計を立てる中年男にも、かつては大きな夢があった。それはプロのラッパーとして成功すること。ある日、ホームレスの男からおもちゃの電子キーボードを手に入れたことから、一度はあきらめた夢が脳裏によみがえる。折から、同じ街の出身で、今ではアルバムがプラチナセールスを記録するほどに成功を収めたラップスターが凱旋ライブを行うことになり、男はそれを自らの起死回生のチャンスと見込む…。


現実にアメリカのラップスターの中には、若い頃に犯罪に手を染めた人たちが少なからずいて成り立つ話なんでしょうね、これは。
やばい過去があるからこそ、ライム(詞)に迫力と説得力が加わり、カリスマとして支持されたりするじゃないですか? 実力に恵まれていても、それ以上にチャンスを掴むことが大変で、そのためには自分が世話している娼婦に無理言って泣かせたりもします。ラストのどんでん返しを含め、通常の感動的なサクセスストーリーとはひと味違う映画になっていて面白かったです。


けど、骨格となるストーリーよりも、一つ一つのエピソードや、映像のセンスに心引かれた。蒸し暑い日中、冷房もついていない車に娼婦を乗せて街を走りまわるシーンや、狭い家に同居する娼婦たちとのやりとりなどからは、主人公らが感じている閉塞感や情けなさが生々しく伝わってくる。しかし、笑えるところもかなりあり、娯楽性は十分。主人公がポン引きの設定といい、全編に流れる70年代風の音楽といい昔のブラックムービーへのオマージュらしきものも感じ取れ、そのへんに詳しい人が見れば、もっと興味深い映画なのかもしれない。


主演のテレンス・ハワードと、成功した同郷のラップスター役のリュダクリスは、映画「クラッシュ」でも共演していて、あっちとは世間的立場が逆転した役回り。また、クラブの店主役でアイザック・ヘイズが出演。そしてなぜかエンドロールには、メンフィスの音楽プロデューサー、サム・フィリップスに捧げるとの一文が…。
(おっと、この映画にも画期的なスタジオが登場するんだった…)
脚本・監督のクレイグ・ブリュワーがメンフィスの出身ということで、あくまでもメンフィスにこだわった映画らしい。


自分的には娼婦役のタリン・マニングとタラジ・P・ヘンソンがとても良かった。彼女たちのキャラクターも演技も。自分がいいと感じる男の映画は、たいてい女性たちが魅力的だ。女がちゃんと描かれているというのは、男のこともちゃんと描かれているのだ、きっと。
マニングは「8Mile」でエミネムの元恋人役を演じた女優さんだが、蓮っ葉でかつ健気な役がよく似合う。

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