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2006年4月

2006年4月30日 (日)

今度は漁師役です。

昨日から東京で公開の映画。一週間ほど前に試写会で観ました。

「MAZE マゼ(南風)」(2006年 日本)
★★★

蟹江敬三の“初主演”映画ですってよ! 共演は、子役の大沼健太郎(えなりかずき似)、北村一輝、星野真理、仁科亜季子など。

交通事故で両親を亡くした少年が、高知に住んでいる漁師の祖父のところへ身を寄せ、2人でのぎくしゃくした生活が始まる。ようやく互いがうち解けてきた矢先、少年の病気が再発…。もう、いかにも「泣いてください」という展開です。さらにそこに捨てられた子犬までが絡んできて…。あちゃー。
ストーリーには大したひねりもなく、あざといといえばあざとい。いかにも低予算なローカル・ムービー。全国公開も危うかったらしいわ。
でも、蟹江敬三ぐらいの人が主役をやれば、それなりに鑑賞に堪えるんです。蟹江と仁科亜季子がスクリーンに出てるだけで、大船に乗った安心感(安定感)があります。少なくともテレビの2時間ドラマよりは面白いです。
でやっぱり、頑固そうな老いた漁師と子供というのは、黄金の組み合わせだ。初登校する孫のために、お祖父ちゃんがいつもよりちょい豪華な刺身の朝食を準備してるところとか、良かった。それもいぶし銀の蟹江敬三だから。

北村一輝は、蟹江の漁師仲間。タオルを頭に巻いたり首にかけたり腰にはさんだりする職業(?)もまたすごく似合うんだよね。田舎のあんちゃんそのもの。こういうマイナー映画に、ちょい役でもなんでも出続けている姿勢が好きだ。クセがありすぎて、興行的に期待のかかる映画などには、キャスティングされにくいというのもあるんだろうけどね。オダジョーがちょっと羨ましいかな(笑)。

海辺の老人ホームで過ごす…夢のまた夢だー。

騙し騙し使ってきたビデオデッキがついにダメに。予約録画すると、時間がずれて録画されているし、テープ途中から録画しようとするとテープが巻き戻ってしまう。で、この連休にでも、いよいよDVDレコーダーを買う決心をしたのだけど、最近のAV機器ときたら……。
テレビのBS内蔵やら対応やらですら何のことだかいまだに理解していないのに、デジタルというキーワードまで加わって、どんな機種を買うのがいいのか、もうさっっぱり分からない。そしてやたら増えてる「便利」な機能…。もろもろのセッティング考えると頭痛い。分厚いマニュアルが付いてきそー。あー恐ろしや。
マニュアル読んで考えるなんて、余計なことに時間と頭を使いたくないんだよ。ずぼらだからさ。一般的な家電のマニュアルなんか、チラシ1枚程度で分からせてくれ! ついこの前までは、特に機械オンチであるつもりはなかったのに、今はもうダメね…。

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「メゾン・ド・ヒミコ」(2005年 日本)
★★★☆


レンタルDVDで観ました。犬童一心監督。ゲイばかりの老人ホームが舞台の話。
映像は良かった。きれいだった。内容的にもところどころ好きだった。でも、これまで観てきたゲイの映画というと、悲劇的だったり滑稽だったり、それなりにインパクトがあるものが多かったので、これはなんというか、すべてが中途半端で生ぬるい…。せめてヒミコを演じる田中泯が、血の池に浸かって倒れているシーンとかあったら、いい山場になったと思うのだけど。ある意味、この生ぬるさが今の日本人の嗜好なのかもしれない。アルモドバルなんかとは対照的だ。

田中泯は、私でも名前を見知っているくらいだから有名人なはず。さすがに姿は凛として美しい。でも女装しているのに、しゃべり方も動作もぜんぜんオカマぽくないのが変だった。あれはゲイバーのママ時代からの制服のようなもので、本人はゲイはゲイでも女装趣味のゲイではなかったという設定なのか? そのへんのキャラがはっきりしないので、見ていて居心地悪いのでした。あえてオカマに見せる必要はないという指導でもあったのかしら。

オダギリジョーはゲイに見えるといえば見えるし、見えないといえば見えない。そもそも演技が上手いのかどうなのか……。でも、彼が映画で売れっ子なのは、とてもよく分かる。どんな役も、オダギリが演じると曖昧で受け入れやすい何かに変わる感じ。持って生まれた個性が、そのまま役者としての魅力になっている。
柴咲コウのラブシーンはあれでいいのか? それも中途半端な理由。最後はちょっと感動しました。

12小節、3コードの魔力。

マーチン・スコセッシ製作総指揮による「ザ・ブルース・ムービー・プロジェクト」の中の1本で、これはマイク・フィギスが監督を務めたもの。「ソウル・オブ・マン」以来ようやく2作目をレンタルで見つけて観ました。

「レッド、ホワイト&ブルース」(2003年 米)
★★★★

ジェフ・ベック、トム・ジョーンズ、ヴァン・モリソン、ルルらによるジャムセッションで幕を開ける。で、アレクシス・コーナーやクリーム、ブッカー・T、マディ・ウォーターズとミック・ジャガーの共演など古いライブ映像がちょこちょこ流れる程度で、軸となっているのは、ジョン・メイオールをはじめ、エリック・クラプトン、スティーヴ・ウィンウッド、クリス・ファーロウ、アルバート・リー、フリート・ウッドマックのメンバーなど、ブルースに影響を受けたブリティッシュロックの創始者たちへのインタビュー。


【以下、面白いとこバレ】
最後のほうでジョン・メイオールが「英国ブルースがなかったら、黒人音楽家は今ほど成功していなかっただろう」と語る。でその直後にB・B・キングが出てきて、「ブルースがワールドスケールな音楽になったのは、英国のミュージシャンたちのおかげだ。ありがとう」みたいなことを言うのは、やりすぎな気もしなくはないんだけど、有名ミュージシャンたちが、まるで子供みたいに目を輝かしながら、初めて買ったブルースのレコードや、ギターを手に入れたときの喜びなんかを語ってるのを見るのは、こっちまでワクワクしてきてとてもいいものです。

で、面白かったよ。イギリス人も、昔は米軍のラジオ放送を通じてアメリカのジャズやブルースに接していたのですね…。この点は私も同じだ。メイオールだったかが、子供のときはギターを買えなくてウクレレで練習したというエピソードや、クラプトンの「俺がやらなきゃ誰がやる」発言も音楽への熱い思いが伝わってきて微笑ましい。飢えてるときはどんな食べ物もおいしく感じるように、音楽の素晴らしさも、レコード1枚買うのにも大変で飢えまくっていたときのほうが実感がもてて、幸せだったよなと思います。

うわ・・・年寄りくさく締めてしまった。

2006年4月29日 (土)

「刺身にしてやる」by桑畑三十郎

ずいぶん更新をサボってしまったわ。三船敏郎主演の黒澤映画、3本借りました。


「隠し砦の三悪人」(1958年 日本)
★★★★★
おー、スケールが大きい! 白黒だから余計にそう感じるのか。3本のうち、映画的な面白さではこれが一番かな。猛スピードで駆けていく馬上でのシーンが圧巻でしたが、槍での真剣勝負もすごい緊張感でした。間違って突き刺したらどうなることやらと冷や冷や。
才長けた姫様のキーキー声にしばらく戸惑う…。

「用心棒」(1961年 日本)
★★★★
こっちは舞台劇を見ているような面白さ。出だしの手首にギクっとして引きつけられるが、宿場町で対立しあっている2組のやくざは、間が抜けていてあまり怖くない。浪人・桑畑三十郎のかっこよさに尽きます。
マカロニウエスタンに影響を与えたことは当然知っていましたが、これにもダシール・ハメットの原案があったんですね。

「椿三十郎」(1962年 日本)
★★★★☆
思い付きで名を名乗る“もうすぐ四十郎になるはず”の三十郎。「用心棒」の桑畑三十郎が、ここでは椿三十郎として再登場。垢じみた着物すらかっこいいぜ。
疑うということを知らない青二才の侍たちのオロオロぶりとは対照的な城代の奥方と娘の落ち着きぶりが面白い。何を考えているか分からない、まるで異星人のような女性のポジションてのが効いています。あの状況にあっての、花の色をめぐっての母と娘のやりとりに笑った笑った。


3本ともコメディ要素を取り入れた娯楽映画の王道って感じでした。撮り方とか、場面の構図とか、さすがに巨匠監督だけあって上手いんだろうなと思うところがいっぱいあるのだけど、王道たらしめるのは、三船敏郎のスター性に負うところが絶大ですね。ルックスも演技も存在感も文句のつけようがございません。もう絶対に出てこないし、第一、今どきの映画で使われもしなさそう、こんな俳優は。

2006年4月14日 (金)

こんなんでも私には事件。

今朝は7時過ぎに、ファクスの音で目が覚めた。
ヘッダーを見たら、なんと警○庁情報管理課からの間違いファクス。内容は今日の新聞に載った大阪府警でのWinnyによる情報流出事件に関するもの。出勤前の担当者宅に早めに知らせようと送ったつもりかな。

内容が内容だけに、単純な誤ファクスによる情報流出もあるよねと思い当たって、ちょっと笑ったんだけれども、警察小説ファンの私にとっては、警視庁じゃなくて警○庁からというのが価値倍増というか、うれしかったです。趣味悪いですけど。

2006年4月10日 (月)

唯一の味方はチョコレート。

リーバス警部シリーズの第12作。

『滝』イアン・ランキン著
(ハヤカワ・ミステリ 2002年邦訳)

Fi2466265_0e 銀行家の娘が失踪。しかし身代金の要求はなく、娘のボーイフレンドに殺しの容疑がかかるが、証拠がない。そうこうしているうちに、娘の実家の近くの小さな滝から人形を納めた棺が見つかり、リーバス警部は過去にも、行方不明者が出た直後に同様の棺が見つかっているケースがいくつかあることを突き止める。一方で同僚のクラーク刑事は、娘のパソコンメールの記録から、彼女がクイズマスターという謎の人とネットゲームに興じていたことを知り、その正体に近づこうと試みる…。


19世紀前半に世間を騒がせた死体泥棒のバークとヘアのコンビ、エジンバラ近郊のアーサーズシートと呼ばれる丘で見つかった17個の人形の棺、さらに1996年になぜかスコットランドで死体となって見つかったフランスの銀行行員の息子の事件という、いずれも実際の出来事からヒントを得て書かれた本作。
なんだかますますリーバス警部よりも、弟子の女性刑事シボーン・クラークの活躍が目立ってきたなぁ・・・。物語の内容も事件解決より、警察組織の人間模様のほうが印象に残った。

同性として尊敬するジル・テンプラー主任警視と同じ出世街道を選ぶか、同じ署内に二人はいらないと評される警部止まりの一匹狼リーバスと同じ道を行くか、シボーンの決断が、この作品のもう一つのテーマになっていた。リーバスの心の拠り所は酒なんだけど、シボーンの場合はチョコレートか? グラント、エレン、エリックという仲間の刑事たちのキャラの違いもはっきりしてきて、次作も楽しみだー。


ところで、最初のほうで、帰宅したリーバスが今日はゆっくり湯につかりたいと、バスタブに食器用洗剤を注ぎ込むシーンが出てくる。子供の頃、サッカー競技場から泥だらけになって帰ってくると、母親が食器用洗剤入りの熱い風呂を用意してくれたという。泡石鹸が買えないほど貧乏だったわけではないが、「あんなもの、食器用洗剤にびっくりするような高い値段をつけてあるだけよ」と母は言っていたと…。
えっ、えーーーっ! 確かにケチらず注げてたっぷり泡も立ちそうだけどさ、試してみる勇気はない…。
そういえば、私が子供の時代は、野菜や果物も食器用洗剤で洗っていたっけ。特にブドウ。必ず洗剤で洗って食べてたはずだよ、農薬が危ないとかいって。


2006年4月 9日 (日)

新譜買うべ。

Fi2466174_0e さっきラジオで、ドナルド・フェイゲンの“Mary Shut The Garden Door”という曲がかかっていて・・・。

アレンジがあまりにカッコ良いんで涎たれそうになった!


突然。

バンド再結成の話が浮上。
決まっているメンバーは、ボーカル、ベース、ホーン…、たぶん昔、別のバンドで一緒にやっていたドラマーも話に乗ってきそう。問題は、ギターやキーボードといったコード楽器担当のあてがないこと。メンバーに加えてくれ、という人はぜひ名乗り出てください!

ただし、ボーカル、ドラム、ベース、ホーン、いずれもオバちゃんです。平均年齢40歳くらいか?笑 でも、一応オリジナル曲を主体にやる予定です。カバーをやるにしても、自分流にアレンジできる人でないとダメです。

口は軽いが、腰は重い。おそらく最初にスタジオに入るのは、半年以上先でしょう。打ち合わせと称して何回か居酒屋に集った挙げ句、流れる可能性は大いにあります…。

相変わらず不眠のフロスト

Fi2463549_0e 5年くらい前に自宅でもネットができる環境が整ってから、本や雑誌を読む時間はそれ以前に比べて半分以下に減ったと思う。それにつれて、あまり好ましくない開き直りかもしれないけれど、小説以外の小難しそうな本や、話題の新刊もまったく読まなくなってしまい、買うのはもっぱらミステリー小説の文庫ばかり…。
ただし「分厚い本に引かれる」という点だけは変わりなく、厚さ2センチ以上はある長編でないと、なんだか物足りなく感じてしまう。根っからの貧乏性ってやつ…。どこか間違っている気もする節約意識…。短編集も最近はほとんど読まないわけだけど、これは久々のフロスト警部シリーズが収められていたんで買いました。

『夜明けのフロスト』R・D・ウィングフィールド他著
(光文社文庫 2005年邦訳)

7人のミステリー作家によるクリスマスをテーマにした短編集を今頃買ってる自分……、季節はずれな感は否めません。でも、大好きなレジナルド・ヒルをはじめ作家陣はすごい豪華な人選だ!ワオー!と心踊らせて読み始めたが、やっぱり物足りない。1編1編が短すぎるのよ。人物で読ませるミステリーは長くないと。唯一ウィングフィールドだけは中編サイズで、これがいちばん良かった。

ジャック・フロスト警部シリーズは、創元推理文庫から3冊出たきり、一体全体いつになったら続編の翻訳が出るのかと、たまに思い出してやきもきしていたのだけれど、あとがきを読むと作家自身がかなりの遅筆という。それでも未邦訳があと2作あるようで、そっちを早く出してほしいぞ! どういう事情なのかなあ…。

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大阪のバナナホールが閉店なのですね。場所を変えて出店という構想もあるそうだが、ああいう場所には、歴史を重ねたなりの何かが宿っているという気がしてしまう。

2006年4月 3日 (月)

私家版・魅惑のエロヴォイス その21

Fi2447031_0e 前日のボビー・ヴァレンティノを聴いていたら、なぜかアル・B・シュア!を思い出し、ひっぱり出して聴き直した。1988年の「ナイト・アンド・デイ」のヒットによって一世を風靡。なよなよした声、頽廃的であるとともに透明感もある独自の音楽スタイルは当時、ずいぶん軟派だなあと思いつつ無視できないものがあった。1stアルバムでの「やさしく歌って」、2ndの「ホテル・カリフォルニア」といったカバー曲も、しっかりアルB色に染め上げていて、印象に残った。


しかし、なぜか手元にあるのは、92年の3rd『Sexy Versus』のみだったり…。いえ、これはこれでアルバム通してのエロさでは最強ではないかと思う。歌詞は分からないんだけど、コンセプトアルバムにもなりそうな勢い。歌詞が理解できたら、真面目な顔して聴いているのが滑稽なほど、露骨にエロいんじゃないか、と思う。

アルバムの中で代表曲を選ぶとしたら、前半4曲続くバラードのうち、1曲目の“Right Now”か4曲目の“Natalie”になるのだろうけど、9曲目のこのアップテンポ曲も好きだー!

Al B Sure!の“Thanks 4 A Great Time Last Nite”

イントロ直前にやばめの男女の寸劇が入っているんだけど、まあ、そこは適当にすっとばして……。歌ってる本人はマーヴィン・ゲイを意識しているのか? ぐんぐん高揚してくる感じの曲のアレンジや展開がいいね。もうやみつき! 音量の目盛りをいっぱいに上げて、何度もリピートして聴いてしまう。勢いで、その次の“I Don't Wanna Cry”も勝手に名曲認定。


2006年4月 2日 (日)

私家版・魅惑のエロヴォイス その20

Fi2446495_0e 去年出たボビー・ヴァレンティノのCD。やっと聴き始めたのだが・・・地味ながら、なかなか好感が持てる。何をもって好感なのかうまく言えないけど、まず丁寧な歌い方、そして甘ったるくもちょっと哀愁入ってる(←ここポイント)声。特に淡々としたヒラ歌部分での歌い方がいいねー、ぐっとくるよ。1曲選ぶとしたら、やはり前から耳にしていたこの2曲目か。

Bobby Valentinoの“Slow Down”

この曲もそうだけど、あとは、3曲目の“Give Me A Change”とか、6曲目の“Tell Me”とか、アルバムの主体となっているスローやミディアムでのパーカッションの使い方が、個性的でとてもいい。パーカスの味付けで、いつもだったら「スローばっかりかよ、かったるい」と途中でCD投げ出してしまう私も、じっくり腰を落ち着けて歌に聴き入った。
楽曲的には7曲目の“My Angel”、8曲目の“Want You To Know Me”も好きだ。でも、アルバム後半はパーカスが消え、曲もありがちとなって少し退屈。どの曲も悪くはないんだが・・・聴き込めばまた印象が変わってくるかも。


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