« ヤングな時代 | トップページ | 私家版・魅惑のエロヴォイス その20 »

2006年3月29日 (水)

大自然の中に二人きり

日曜日に新宿武蔵野館。公開しているところが少なく激混みだった。春休みの映画館はアニメなど子供向けムービーに占領されていて、大人を無視したこの事態は異常だ。

「ブロークバック・マウンテン」(2005年 米)
★★★★☆


以下、若干ネタバレしてます。

Fi2434945_0e 映画を見終わってから、ずいぶん前に、連城三紀彦の短編集を読んでボロ泣きしたときの感覚を思い出した。 目を潤ませたイニスの顔がなんとも…。同性愛の物語だけれど、不倫にも、思いがすれ違って煮え切らずに終わった恋にも共通する、成就しがたい恋の切なさが、ラストのほうでどっと押し寄せる。
成就しなかったゆえに、人生における、もしかしたら唯一の、宝石のような出来事として記憶に残ることもあるのかな? それだけでも人間は十分に生きていけるものじゃないだろうか?
なーんて言うと、暗いとか淋しすぎるとか思われがちだけど、本人にしてみれば決してそんなことはなく…。

原作はE・アニー・プルーの短編小説。プルーは『港湾ニュース』(集英社刊)がとても面白かった。あっちはニューファンドランド、こっちはワイオミング州の山岳地帯の厳しい自然と、慎ましやかでどこか不器用な人間を描いていて、こっちの原作は未読ながら、プルーの小説の中の世界が映画の中にもしっかりと生かされていそうな気がする。文芸作品とアン・リー監督は相性が良さそうだよ。

あ、そうそう、一緒に映画を観た人たちと、その後で飲みに行って、ジャックの最期の真相はどっちなんだろうという話になって、私は、イニスはジャックに対するそれまでの自分の態度を悔いて、あんな想像をしてしまったんじゃないの?などと言ってしまったけど、後になって、あれが真実のような気もしてきた。どっちなんだろうねぇ。

« ヤングな時代 | トップページ | 私家版・魅惑のエロヴォイス その20 »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

>へべあもさん泣きは何合目の写真、それそれまさにそのシーン(笑)。あの顔はこらえきれなかった。ふだんあまり本当の感情を見せない人に、あの顔されると弱いな。ジャックは生き急ぐタイプかね。殺されたにしても、何かに絶望して、なかば自分から招いちゃったかなと思わせるよね。

ちょっとヒメヒカゲさんの「脱線」に興味が有ったなあ・・・人生て成就しない事の方が遥かに多いし、そこにドラマが有りますね。

>k.m.joeさんコメントありがとうございます。脱線の先は、内緒にしておきたいと思います(笑)。成就させたかったけど出来なかったこと、本当は誰しもあるんでしょうね。そういうものがなかった人は、ちょっとつまらないと思うし。

連城三紀彦に反応!私も『恋文』かな・・・あれに泣いたかも・・・

>joshuatreeさんそんなタイトルでした・・。あれっきり他の小説は読んでないんですけど、短編集としては傑作ですね、今もロングセラーみたいだし。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1175528/28622485

この記事へのトラックバック一覧です: 大自然の中に二人きり:

« ヤングな時代 | トップページ | 私家版・魅惑のエロヴォイス その20 »

インデックス

無料ブログはココログ