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2005年12月15日 (木)

太陽にまた昇るだけの力はあるだろうか。

ジョン・リーバス警部シリーズ第9作目。今回のタイトルはザ・キュアの曲名からいただいたものだそう。

『首吊りの庭』イアン・ランキン著
(ハヤカワ・ミステリ 1999年邦訳)

Fi2137542_0e これもすごく面白い。あまりに面白くて、ポケミス430ページほどを珍しく1日で読み切った。複雑に入り組んだプロットでぐいぐい引きつけ、1ページたりとも飽きさせない。悲哀とユーモア、重さと軽やかさを兼ね備えた超一級のエンタテインメント小説。素晴らしすぎるぜ!ランキン。こんなに相性のいい作家に出会えて幸せ者です、ワタシ。

今回もリーバスは複数の事件に並行して携わる。というか性格から、直接担当ではない事件にも首を突っ込んでしまう。エジンバラの町の制覇を狙うギャングたちの抗争、50年以上も前のフランスの村で起きたナチス親衛隊による大虐殺事件を指揮したと思われる人物の調査、売春組織で働かされるボスニア難民女性の救出、さらに愛娘が巻き込まれることになる轢き逃げ事件…。
途中の、リーバスと同僚、身内、ギャングたちとのやりとりだけでも十分面白いが、いくつもの事件が一気に解決していく終盤の展開は見事。書きたいことはいろいろあるけど、これ以上はネタバレになるからやめとく。

でも一つだけ。スコットランドのギャング抗争になんと日本人ヤクザも絡んでくるのだ。リーバスはヤクザに詳しい女性部長刑事からにわか知識を授けてもらうが、その下りがちょっと面白い。「極悪非道だけど、高度に知的で洗練されてもいるピラミッド状の階級社会で、中間管理職のようなものもあり、それはソウカイヤと呼ばれている」だとか、「日本ではパチンコというゲーム店を経営している場合もある」だとか。狭義では間違っていると思うが、広義では……どうだろ?
ちなみに、登場するヤクザの名前はマツモト・タケシ。ランキンが唯一読んだことのある日本の作家、松本清張から名付けたらしいが、いわゆるチンピラヤクザで、その描写に笑ってしまった。


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