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2005年11月16日 (水)

父親の思い出。

みいやんさんの「大人は子供に対して理不尽でいい」という言葉を目にして、そのブログテーマからは内容は外れるけど、思い出深いことがあるので書いてみる。

自分は子供の頃に月決めのお小遣いというものはもらったことがなくて、買いたい物があるときはそのつど、親に申告してお金をもらっていた。10円、100円単位のときは母親に、1000円以上なると父親に。

ド田舎育ちなのでお金を使う機会は限られ、ふだんはそれほど不自由を感じない。でも、夏休みなどに友達がアイスキャンデーを買って食べていたりすると、やっぱり自由になるお金が多少は欲しいと思う。

そこで月ごとに小遣いをもらえるように父親に交渉してみた。「隣の〇〇ちゃんも××ちゃんももらっている。うちも」と。それに対して父親は「いちいち人の真似をすることはない」と答えた。

しばらくして、私はギターがやってみたくなった。楽器に対する憧れは幼稚園のときからで、当時はオルガンを習いくたくて、母親は賛成してくれたけど、そんな経済的余裕はうちにはないと父親には一蹴された。で、このときもダメもとで「ギターを買ってくれ」と言ってみた。それに対して父親は「同級生でほかに持っている子がいるのか?人と違うことをわざわざすることはない」と答えた。

言ってることが矛盾してんじゃん。おかしいよと思いつつ、うちは父親が絶対的存在で、財布も握っているのでどうしようもない。理不尽な父親に見切りをつけて、小学5年生から新聞配達を始めた。ド田舎なので、毎朝30分走っても配達先は10軒足らず。月に1500円くらいの収入を、弟たちにも分けて小遣いとしていた。

でも、おかげで陸上の中長距離は、同級生の中で1番に速かった。これは思わぬ余録だった。ただし中学1年の終わり頃からぐれちゃったせいで、新聞配達はやめ、体育の授業も部活も放棄するようになった。学校もさぼりがちになって、たまに先生から電話がかかってくると母親はオロオロ。理不尽なほどの亭主関白な夫に加えて、言うことを聞かない娘にも振り回され、母親ばかりにしわ寄せが行っていたと、今は反省している。

周囲からも「大正時代の人間」と言われた頑固で変わり者の父親には、不満を爆発させたくなったことがほかにもいろいろある。10年ほど前に亡くなり、正直言って、いまだに愛憎相半ばする感情を持っているが、人に頼らないという自立心を芽生えさせてくれたのは父親かもしれず、前述の矛盾する言葉を、たまに禅問答のように思い出したりしている。

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コメント

確かに矛盾してますなぁ~~(^_^) でも私もそれが父親だと思っています、自分の都合で物を言い、子どもを叱る人間。「前は違うこと言った」とか鬼の首でも取ったように父に言うと「口答えするな」と怒られて。。叩かれることなんてしょっちゅう。手こそ出しませんが、今は夫がそんな感じです。意見がその度に違う・・・でも「嫌なら早く一人前になって家を出て行って好きに暮らせばいい」と言ってるから同じですね。三年前に亡くなった父ですが、最期は良いお爺ちゃんでした・・・。

>ふぁびゅらすさんそういえば「サザエさん」の波平も、もともとはそういうタイプの父親だったですね! 家の中で父親の存在を示し、威厳を保つのは、けっこう大変なことなのかもしれません。私もテレビのチャンネルを変えたくらいで叩かれたりしてたけど、今では、大抵の父親は子供に対する愛情表現が不器用なものだと解釈してます。

もしかしたら、もう一押しするのを待っておられたのかも知れませんよ。「本当に欲しい」「本当に必要」ならもっとしつこく来い!ってのがホンネだったかも・・・。ウチの父親もガミガミは言わなかったけど、頑固で近寄り難いものは有りました。自分がもう少し歳を取ると、どういう感じになるのかチョット気になります。

そうですね。うちの親もふぁびゅらす様のお父様のように「口答えするな」と手か足が飛んできました。「その新聞貸せ」「読んでるからダメ」バシッ!(←顔面蹴り)とか。もちろん「親の理不尽さ」にも限度というのがありますので、なんでもかんでも「理不尽でいい」とは思いません。ただ、昨今の「何でも言うことを聞く、物分りの良い親」が良い親だとはどうしても思えません。

>k.m.joeさん父親側からの意見ですね。なるほどー。あっさり引き下がられてさびしいものがあったかもしれないですね。どれだけ真剣か、親としては試すのが普通ですからね。歳を取ったら・・・気むずかしくなる人もいれば、丸くなる人もいる。でも親としては当分変わらないんじゃないでしょうか。どうでしょう。

>みいやんさん親が権力持っていたのは、ここではみな一緒ですね。今の親の中には、子供の下僕になってしまっている場合もあるのかな?私も子供がいないので偉そうなことは言えないけど、自分の子供の良くない性質は正そうとするよね、普通は。それすらやらない小さな子供の親は多いと感じます。理不尽な理由で叩かれていたのに、昔の子供はなぜそれで問題児にならなかったのか、そこのところ突き詰めてみたい。なーんて。

こういうテーマにすぐ、反応しちまうね。父親は理不尽そのものだね。どこの家でも…娘(女のガキ)をニガテとする私んちの父親は、姉の写真を撮るって時に母親に「この子はちょっと、色気だそうと意識しすぎて子どもっぽくない!」と文句つけてたらしいのね。そんで私の写真撮った時は母親に「この子はズボンばっかりはいてて女の子らしくもなんともないから撮りたくない」と言ってサ、スカートに着替えなおした記憶もその写真もあるワ。「嫌われ松子の一生」を読み終った日の夢に父親が出てきたのには大笑いしたよ。

>ベベアモさん父娘のテーマに弱いんだっけ?よくは聞いてはいないけど、特別な思いを抱えていそうだなあ。うちは男兄弟しかいなく、弟たちと自分の扱いが違ったのは自分が女だからだと結論づけていたけど、アモさんのところは複雑そうだ。嫌われ松子、映画にもなってたね。どうなんだろう。

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