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2005年10月 3日 (月)

おれの世界にようこそ。

ザ・ローリング・ストーンズのアルバム名からタイトルをいただいた、ジョン・リーバス警部シリーズ8作目は、英国推理作家協会賞ゴールド・ダガー賞受賞のランキンの代表作。

『黒と青』イアン・ランキン著
(ハヤカワ・ミステリ 1998年邦訳)

Fi1916985_0e 1960年代にスコットランドで現実に起きた“バイブル・ジョン”による連続女性絞殺事件を題材に、その手口をそっくり真似た30数年後の事件、北海の石油掘削基地に勤めていた男の謎の死、さらにリーバスがその昔上司と担当した殺人事件の犯人の服役中の自殺と、さまざまな事件・犯罪が複雑に絡んでくるストーリー…。

本作のリーバスは、本拠地エジンバラ、グラスゴー、石油産業で栄えたアバディーン、そしてシェットランド諸島と、あちこちを飛び回り、文章を通じてそれぞれの風土や土地柄の違いがうかがい知れる。北国という舞台が、このシリーズの魅力の一つであるのは間違いない。そして、北海の石油開発が抱えている問題点など、さまざまな社会背景のストーリーへの絡ませ方も面白い。かなり骨太で辛辣かもしれない。それでいて、リーバス警部のその時々の心情をいろんなロックの有名曲に例えて表したり、言葉遊びなどのユーモアも随所にあって、退屈させないのだ。やっぱりいいわ、イアン・ランキン。

リーバス自身は前作以上に、食いついたら離れない執念を発揮。ふだんは冗談ばかりを口にしているクールなスタンスの男で、つい深酒をしてしまうだらしなさも持っているんだけど、事件となると、旧友の警部から狂人扱いを受けるほど、目つきから変わってしまうのだ。私などはまた、リーバスのかけひきの巧さに感心してしまう。担当でもない事件を追い、恩を受けた人、迷惑をかけた人にはそれなりの報いをするのを忘れない。利用しようとした人間に対しては、利用仕返す。そういうとこ好き。

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