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2005年9月17日 (土)

読み応えを期待したけど。

『修羅の終わり』貫井徳郎著
(講談社文庫 1997年) 

Fi1859070_0e 交番爆破事件の犯人と目される思想団体を見張る警視庁の新人公安刑事、 謎の売春組織を追う池袋警察勤務の中堅刑事、そして、通り魔に襲われたことで記憶喪失に陥ったまま街を徘徊する青年、この3人を主人公とする3つの物語が並行して進むミステリー…。


【ネタばれ注意】
読後の心境はなんとも複雑。どう申せばいいんでしょう。作家の筆力は素晴らしいです。800ページ近い長編なのに、中だるみもなく一気に読めてしまう。3つの話が結びつくはずの結末が、自分には破綻しているように思えたけど、その点もさして気にならない。

ただ、女性への暴行シーンがたびたび出てくるのに辟易した。犯人が女を利用し、レイプし、殺すという話だったらありだ。でも、この小説では登場人物みんなが、どこかいかれていて、そいつらにレイプされた女たちが「自殺する」という展開がなんとも不快。フィクション小説に対してこんな感想を持つのは無粋とは思いつつ、直接に殺人を犯さなければ、人間としてまだ理解し共鳴できるものがあるかのようなあまりに時代錯誤的な男のエゴに、気分悪くなってしまった。

なので、全体の印象としては、オヤジ週刊誌に連載されている適度にエロシーンを散りばめた小説みたい。国内ミステリーではたまにうっかりこういうのを踏んでしまうので危険です。作者は1968年生まれで、まだ若いんだけど、内容からしててっきり50代以上の人だろうと思ってた。すごく才能ある作家だと思うのにもったいないわ。もう少し女性の目を意識した内容だったらよかったのに。

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