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2005年7月25日 (月)

最初で最後の遠吠え。

『凍える牙』乃南アサ著
(新潮文庫 1996年)


Fi1649225_0e 深夜のファミレスで、ズボンベルトに仕掛けられた爆薬による殺人事件が起きる。そして、被害者の男性の遺体には獣に噛まれた傷跡があった。数日後、同じ獣の仕業と思われる咬殺事件が発生する。果たして2つの事件は同一犯が仕組んだものなのか…。


【以下ネタばれ】
男性が多い職場で働く女性には、大いに共感を呼びそうな本だ。女性蔑視の同僚たちに愛想を尽かした主人公の女性刑事が、孤高の殺人犬に惹かれていく気持ちが、よーく分かるぞ!

でも、この本の中でその女性刑事とコンビを組まされる男性刑事の気持ちも、まったく分からないわけではない。私も仕事で外部の男性と組むときは、相手が同性だったら余計な気を回さなくても済むのになぁと思ったことが何度かあった。女性嫌いな態度をとる男性が、人間的にダメというわけではないのもよく分かっている。むしろ自称フェミニストな男のほうが、問題あったりする。
その点、この小説の女性・男性の刑事コンビは、最後まで変に分かり合おうとせず、親しくなり過ぎずに、好感が持てた。女性刑事が美しいうえに、仕事もとてもできるので、自分と重ね合わせて読むにはちと無理があったけど(笑

犯罪の背景や犯人の動機は二の次のような扱いで、ミステリーとしては後半になって面白さが失速する。でも美しい小説。


オオカミと犬とを交配させたウルフドッグ(オオカミ犬)の存在を、この小説で初めて知った。そういえば日本オオカミ協会という団体が、日本にオオカミを復活させようと、中国のオオカミを輸入して山に放つという構想に真面目に取り組んでいたが、その後、どうなっているのか。
実現の良しあしは自分には判断できないが、生態系保護を考えるときに、オオカミ復活の議論は面白い。


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コメント

この人も興味有ります。題材が面白そうですね。読んでみようかな。

>k.m.joeさん人気の作家のようですね。私も初めて読みました。女性のグチっぽいところも有りますけど(笑)なかなか硬派でした。

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