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2005年6月18日 (土)

人魚の悲しみ。

『殺しの儀式』ヴァル・マクダーミド著
(集英社文庫 1997年)

イギリスの地方都市に“ホモ・キラー”と呼ばれる連続殺人鬼が出現。
そいつはヨーロッパ中世の拷問器具マニア。
被害者はいずれも、体中の関節が外れた肉の塊となって見つかる。
捜査に難航した警察は、内務省の心理分析官トニーに協力を依頼。
女性警部補キャロルとのチームで、犯人像の割り出しにかかる…。


CWMゴールド・ダガー賞受賞のサイコ・ミステリー。
この賞の受賞作で、読んでハズレということはあまりないみたい。
これもなかなか面白かったです。殺人犯の動機とか。
「The Mermaids Singing」という原題がいい。
拷問シーンが、それほど繰り返し描写されなかったので安心した。
でも、ほどほどに刺激的。なぜ人間はこういうのを、エグいと思いながらも
ワクワクしちゃうんだろうか?

犯人は自分で撮った拷問ビデオをデシタル編集して楽しんでいるはず、
という警部補キャロルの分析は、飛躍しすぎな気がする。
キャロル一派と対立する古いタイプの警視が、やはり勘で動いて大失態を
やらかすのと対比になっているのかな。
 主役=優れた警察官=勘が最終的には大当たり。
 引き立て役=ダメな警察官=見当違いな捜査で冤罪を生む。
王道といえば王道。

追記:「The Mermaids Singing」は『羊たちの沈黙』にかけてあるんだな、たぶん。



『夜の音楽』ベルトラン・ピュアール著
(集英社文庫 2002年)

こっちは独身女性ばかりを狙ったロンドンの猟奇連続殺人事件で、
中堅警部と、フランスから研修でやってきた新人警官のコンビが活躍。

犯人はある実在のミュージシャンの狂信的ファンという設定のみが
興味を持てたくらいで、ひさびさに大ハズレ!
ろくなプロットも組み立てず、適当に書き出した印象で、ラストにもがっかり。
登場人物も魅力ゼロ。おまけに犯人が誰かも最初の数ページで予測がつく。
タイトルは原題通りだが、そこからしてセンスが感じられない。

2001年コニャック推理小説大賞受賞作だそう…。
巻末の解説が立川直樹ってのに騙されちゃいかん。
事件解決のための重要なキーとなるミュージシャンが大好きな人には
そこそこ面白いのかもしれないが、
その名前を明かすと推理も何もなくなってしまうので書けません。



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コメント

ヒメヒカゲさんにもリーディングバトンお願いしたいので、御面倒でなければどうぞよろしくです。

>may0505さんいろいろなバトンがあるんだねぇ・・・了解しました!2、3日中に。

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