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2005年6月

2005年6月30日 (木)

意外と大人向けの映画か?

先日見たバットマンビギンズに影響され、借りてみました。クリスチャン・ベール主演のSFアクション。

「リベリオン」(2002年 米)
★★★★

Fi1546472_0e 人類が争いによる自滅の道を歩むことを避けるため、薬物によってあらゆる感情を抑止して生きる近未来社会。芸術、詩、音楽、ペットなど、人間の感情に訴えるものはすべて処分され、少しでも人間らしい感情を示したら反逆者として処刑される。クリスチャン・ベールはその反逆者たちを見つけて処罰する国家警察の幹部役…。


【ネタばれあり】
なんつーか、珍妙な味わいの映画だった。出だしで燃やされる絵画モナ・リザが本物には似てなかった時点で、これは最初からB級と開き直って作られた映画だとピンと来た。もしくは、コメディ映画かもしれないと思ったほど。でも、キャストは豪華文芸路線(?)というちぐはぐさ。なんなのだ、この映画は? というのが見始めたときの印象。

しかし、やられた!
クリスチャン・ベール、演技上手すぎだよーー! 感情はないのにそれぞれ人格はあるという話の設定はありえないと思うし、突っ込みたくなるシーンも満載だ。本来は、拳銃と武術をミックスさせたアクションを第一に楽しむ映画なのだろうと思う。でも、個人的にはそんなアクションなどどうでもいい。とにかくベールの表情の演技が良すぎた! 
最初は誰よりも国家に忠実なロボットのような男なのに、徐々に人間らしい感情を取り戻し、職務との間で葛藤する姿に、感情移入せずにはいられない。感情があることを仲間に知られないように振る舞う姿に、こっちまでハラハラしっぱなしだ。

共演のエミリー・ワトソンやショーン・ビーンも素晴らしい。なかでもベールとワトソンが、心に痛手を負った大人同士、気持ちを通わせるシーンにはぐっときた。父親として子供たちに向けるまなざしもステキすぎだ。ちょっと惚れちゃったかも。極上のヒューマン・ドラマを見た気分。こんなチープなアクション映画なのに?!
出演者の演技だけでも★4つの価値ありと思う。


2005年6月28日 (火)

TB企画:Reading Baton(aruaru版)

may0505さんからバトン渡されました。
読み物に関する質問に答えるリレー形式のTB企画。質問内容の異なる2バージョンがあるようです。以前の、本に関する100の質問の回答とあまり変更はないので、サクッといきます。

質問1:お気に入りのテキストサイト(ブログ)
絞りづらいし、答えづらい。
ブログじゃないといけないのかな?

質問2:今読んでいる本
『ボトムズ』ジョー・R・ランズデール
『ヨルダン・シリア・レバノン』地球の歩き方

質問3:好きな作家
夏目漱石、坂口安吾、山田詠美、ドストエフスキー、ボリス・ヴィアン、ロレンス・ダレル、マンディアルグ、レジナルド・ヒル、P・D・ジェイムズ、コリン・デクスター、イアン・ランキン、R・D・ウィングフィールド、ウィリアム・アイリッシュ、トルーマン・カポーティ、ジェイムズ・エルロイ、スティーヴン・グリーンリーフ、デニス・レヘイン、ガルシア・マルケス etc.

mayさんが名前を挙げていたイタロ・カルヴィーノ、面白そうだから今度チャレンジしてみよう。

質問4:よく読むまたは、思い入れのある本
思い入れがあるのは、早川のヴィアン全集。ヴィアンは『うたかたの日々(日々の泡)』ばかりが偏って取り上げられすぎじゃないかと思う。

中学生の時までさかのぼると、ヘミングウェイの『老人と海』。この本を読んでいる間、ずっと口の中がしょっぱかった(海水の味)。

質問5:この本は手放せません!
手放したら新しい本を買います!

このバトンは、Musical Batonをいただいたjoshuatreeさんにお返ししたいと思います。

Fi1541939_0e

再び、天国の王国

月曜日は代休だったので、ミリオンダラーを見に出掛けたのだが、ふらっと呼び寄せられるように、また「キングダム・オブ・ヘブン」を見てしまった。
もうこの映画、本当に好き。大好物確定!

やっぱ双方のトップ指導者が最高のキャラだよ。胸が熱くなる。演じる俳優・女優もみんな好き! ただ一人、主演を除いては。ストーリー分かってて見ると、なおさらこの人の演技がつまらない。惜しいったら、悔しいったら・・・。
戦いの終盤、城壁を境に双方の兵士が入り乱れ蠢く俯瞰映像に、監督の戦争に対する思いが集約されている気がする。名カットでは?

大河ドラマに相当する内容を2時間半にまとめてあるので、撮影後に削除された場面が多大にあるという。ノーカット版、出るかなあ。

2005年6月27日 (月)

昨日の訃報

絵本作家・長新太と、行動の人・奥崎謙三が亡くなったことを今日になって知りました。ニュースに疎い・・・。

同じ日に訃報が出たってだけで、一緒くたに考えてみるのもどうかと思うが、ともに「考えるんじゃない、感じるんだ」という、まあちょっと陳腐だけど、そういう表現がふさわしい、硬直した頭に刺激を与えるアーティストという点で、私の中では共通している。・・・便利な言葉だから使わせてもらいます、アーティスト。

亡くなってより惜しまれるのは、まだまだ現役だと思っていた長新太のほう。この人の絵本は小さな子供だけのものにしておくのはもったいない。私は大人になってからはまったクチ。やたら多作の人で、絵本作品から作家その人を想像してみても、まったくつかめない。そのとらえどころのなさに興味を覚える。半端じゃなく器の大きい人ではないか? くらいの想像。俗っぽいことも吸収しながら、ピュアな感性に磨きをかけていったというイメージ。

子供の頃に、誰もが一度はその絵本を手にしたことがあると思われるが、図書館の児童書コーナーなどで見かけたら、再び手にとって見てみると面白いです。理解しようなんて思うと、楽しめない類の絵本。

奥崎謙三のことは、映画「ゆきゆきて、神軍」を公開当時に、原一男監督の講演付きで一度見ただけの知識しかないが、本当に衝撃的で、興奮した。ドキュメンタリーというけど、あきらかに奥崎はそれを利用して演じている部分も多くあり、この映画は、奥崎vs原監督の食うか食われるかの真剣勝負として見ても、とてもスリリング。奥崎を一生支え続けることになる妻も印象的だった。夫婦愛を考える映画としても面白かった気がするが・・・。

奥崎の思想については理解不能だが、この映画を見て、その行動に一種のカタルシスを感じた人は多かったと思う。私も正直、ちょっとかっこいいと思った。柄谷行人は当時、奥崎の思想と行動を、砂漠の民の思想との共通点から論じて
いたんじゃなかったっけ? 難しくてちゃんと理解していないけど。で、確か、その後で、「話し合う価値があるのはお前だけ」みたいなものすごい長文レターが獄中の奥崎から柄谷に対して送りつけられ、さすがの柄谷もびびったとかびびらなかったとか…。

奥崎みたいな人は、かかわったら迷惑きわまりない人だけど、いなくなってしまうと、とても寂しい気がしてしまいます。

2005年6月26日 (日)

私家版・魅惑のエロサウンド その13

Fi1533048_0e 前項のアイズレー・ブラザーズのところで名前が出たアヴェレージ・ホワイト・バンドを続けて。

この人たちが74年に「ピック・アップ・ザ・ピーセス」のシングルをひっさげて登場したときは、かなり衝撃的だった。 この頃はほかにもインスト系の曲がヒットチャートを賑わしていたけど、シンコペするリズムのかっこよさに気付かされた1曲だったと思う。スコットランド出身で、メンバーが白人ばかりということでも話題になった。翌年ヒットした「カット・ザ・ケイク」も同じ路線。AWBといえば、以上2曲がなにかと有名だが、普通の歌ものにもいい演奏はたくさんあって、この曲↓はその代表ではないかしら?

Average White Bandの“If I Ever Lose This Heaven”

オリジナルは、クインシー・ジョーンズのアルバムでレオン・ウェアやミニー・リパートンなどが歌っている曲。作曲者ウェアには申し訳ないのですが、AWBがカバーのほうが、歌・アレンジともに普遍的な魅力をもった名曲に仕上がっていていると思う。AWBがこの曲を有名にしたといってもいい。

彼らのアルバムは、76年の2枚組ライブ盤までの4枚を持っているけど、この曲を収録する75年の『Cut The Cake』が、バンドの個性を残しつつ、曲のバランスもいいのではないかな。前作に比べると、2人いるメインボーカルのうち、ファルセット担当のハーミッシュ・スチュアートの上達ぶりがめざましい!また、亡くなった先代ドラマーに替わり、黒人のスティーヴ・フェローンが参加。
通受けするのは、その次のアルバム『Soul Searching』かもしれない。これもその前の2枚に劣らず好きなアルバム。ブレッカー・ブラザーズなどの助っ人ミュージシャンが、地味めに参加してます。

76年のライブ盤は、ホーンを中心にかなりフュージョン寄りの演奏で、ちょっとばかし拙いところを露呈しちゃったか? けど当時も、比べるのはあまり意味がないことだけど、タワー・オブ・パワーよりはAWBのほうが好きでした。


私家版・元気になる音 その23

結成50年を超えるアイズレー・ブラザーズ。

何年か前の、この人たちを巡る突然のブームは何だったんだろう? 
赤坂のライブハウスでの来日公演を見に行ったんだけど、
周りは若い人だらけで、熱狂的ファン多し。
それはともかく、会場に客を詰め込みすぎだったよ、主催者。
かなり後ろのほうに移動しても、満員電車並みの箱詰め状態で、
ステージ上はまったく見えず! あんなの初めてだった。
演奏はとても良かったけど、目をつぶって聴いていたようなもの。
納得行いかないライブだった。

しょっぱなから文句はよくない。
もちろん大好きだー!アイズレー。
でも、最初は白人のカバー曲ばっかりやってる印象が強く、カバーなのに、
必ずヒットチャートの上位に食い込んでくるのが、とても不思議だった。
シールズ&クロフツの「サマー・ブリーズ」にしても、
ドゥービー・ブラザーズの「リッスン・トゥ・ザ・ミュージック」にしても、
本家がヒットしてすぐにカバーし、同時にチャートインしていた時期もあったように
記憶しているけど、ちゃんと確認していないので、不確かです。

ということで、アイズレーでいちばん思い出深い曲がいっぱいつまった
アルバムは、カバー曲も多い『3+3』なのだが、
聴いて元気の出る曲といったら、その一つ前(?)のアルバムに入っているこれ。

The Isley Brothersの“Work To Do”

実はこの曲を知ったのは、アヴェレージ・ホワイト・バンドによる
カバーのほうが最初で、そっちと比べるとリズムがまったりしていて、
少しもどかしい感じもしてしまうけど、
ロナルド・アイズレー様の力強い歌声には、ひれ伏すしかないでしょう!
アイズレーがカバー曲ばかりを演奏しても支持されていたのは、
やはり歌声の個性によるところが大だと思う。
時代によってサウンドは変わっても同様。
あのロナルドの歌声がある限り、人気は続きそうだ。

72年の収録アルバム『Brother, Brother, Brother』は、
それほど名作扱いされていないのかな?
これにもキャロル・キングの「イッツ・トゥ・レイト」などのカバーが
収められていて、これが10分以上のバージョン。意味なく長い、ムダに長い。
時代の空気ってやつでしょうか?
でも、その後に入ってるアルバムの締めくくりは、
いかにもアイズレーらしい美しいメロディのバラード曲。悪くないです。



2005年6月23日 (木)

見殺しという言葉は英語にはない?

有楽町の松竹ピカデリーで、かなり前のほうの席を選んでしまった。
ちょっと失敗。あそこは中央より後ろで十分だった。
スクリーンが大きすぎて、速い動きのシーンになると、
何かがビュンビュン飛び交っている、くらいしか分からなかった…。

「バットマン ビギンズ」(2005年 米)
★★★★★

うまい具合に伏線を張った、よくできたストーリー。
こういうヒーローものはどれだけワクワクさせられるかにかかっている
と思うので、前半の修行シーンは、ありがちなマーシャルアーツ満載の
映画になるのではと思ったけど、後半は加速度的に面白くなっていった感じ。
執事とのやりとりで微笑ましいシーンがあってほっとしたり、
メカ・キャラのバットモービルの見どころもたっぷりで楽しい!

クリスチャン・ベールは、やっぱりいい役者だなぁー。
監督がクリストファー・ノーラン、主演がベールと決まった段階で、
これはもう、まず失敗はないだろうと確信してましたよ。
今回は億万長者のお坊ちゃんが、どうしてバットマンになったかを描いた話なので、
暗い瞳に、まだどこか頼りなげなお坊ちゃん風味を残したバットマン役、文句なし!

ほかの俳優さんたちも総じて良かった。
執事役のマイケル・ケイン、良い警官役のゲイリー・オールドマン、
ルトガー・ハウアーの出演は、予備知識なしで見たものだから、うれしい裏切り。
しかし、モーガン・フリーマンのこの手の役は、もうお腹いっぱいかも。
相変わらず手堅い演技なのだけど、ほかに人材、いないのかいな?
ケン・ワタナベは、あれだけ出演を騒がれてしまった後なので、
なんだか可哀想な・・・おっと、これ以上は言わないほうがよさそう。
どっちも映画の出来には関係のないことです。

で、気になる俳優を発見。
ベテランおやじ共に劣らぬ存在感を発揮していた キリアン・マーフィー
どことなく中性的な色気のある、キモさ紙一重のルックス。
キレたら相当ヤバそうなんだけど、滑稽さもある狂人博士にぴったりだった!
なにせスクリーンが近すぎ、全体の雰囲気が把握しきれなかったので、
あくまで暫定なんだけど「 青い目の北村一輝 」と勝手に命名!
ほかの出演作も借りて見てみよう。



2005年6月22日 (水)

仕事やめますんで。

秋に海外旅行を予定していて、
漠然とイスラム圏の安全そうなところと思っていたが、
先日「キングダム・オブ・ヘブン」を見て、ほぼ心固まった。

サラーフ・アッディーンの墓参りしてくる!

シリアとその周辺の遺跡めぐり。
初めての海外一人旅なのだが、問題は現地での移動方法。
英語すらろくに話せない。
効率も考えてパックツアーにしておくべきだろうか?

イランのイスファハーンにも引かれる。

TB企画「Musical Baton」


joshuatreeさんからバトン渡されました。
音楽に関する4つの質問に答えるTB企画です。
世界規模で回っているって本当?

質問1:今パソコンに入っている音楽ファイルの容量
音楽用にはたまにCDを焼くときにしかPCは使いません。


質問2:最後に買ったCD
チン・マイアのベストアルバム→
Tim Maia『A Arte De Tim Maia』

質問3:今聴いている曲
上記のCDの曲。買ってほったらかしというのがよくあり、
今あわてて聴いてます。ポルトガル語であることを除くと、
サウンドはそのまま70年代のソウルやポップスだ。

質問4:よく聞く、または特別な思い入れのある5曲
このブログの音楽ネタがほとんどそれに該当するので、
ここでは1930年代前後のアメリカのスタンダード曲からチョイス。
それでも5曲に絞るのは難しいな…。(ABC順)

・All The Things You Are
オスカー・ハマーシュタイン2世作詞、ジェローム・カーン作曲。
ミュージカル「ベリー・ウォーム・フォー・メイ」からの曲。
最初に聴いたのは渡辺貞夫の演奏だったかな。
江古田のライブハウスでの素人飛び入りセッションで
この曲を自ら希望し、コード進行についていけず、大恥をかいた…。

・Blue Skies
アービング・バーリン作詞作曲。
短いメロディなのに、なぜこんなに惹かれるんだろう。
最近は何かのテレビCMでも流れている。
ダイナ・ワシントンがオーケストラをバックに歌ったやつが好き。
ウェイン・ショーターも音楽を担当した映画「摩天楼を夢みて」の
エンディングでアル・ジャロウが歌ったバージョンは苦手。

・Just One Of Those Things
コール・ポーター作詞作曲。
スタンダードの作曲家の中ではこの人がいちばん好き。
どの曲を選んでいいか迷う。スリリングなコード展開の曲。
ミュージカル「ジュビリー」のために書かれた。

・Someone To Watch Over Me
アイラ・ガーシュイン作詞、ジョージ・ガーシュイン作曲。
ミュージカル「オー・ケイ!」の曲。
出だしのメロがIn A Sentimental Moodと紛らわしく、
よく混乱してた。こっちのほうが古い。なごむ。

・There Will Never Be Another You
マック・ゴードン作詞、ハリー・ウォーレン作曲
映画「アイスランド」で歌われた曲。
ピアノトリオやテナーサックスの演奏がよいと思う。
なぜか、タイトルの長い曲が多くなってしまった…。


さて、この質問を、私は5人を指名して回すのがルールとのこと。
バトンやタスキは普通は1本。 なぜ5人なのか、謎なのです。
5人でなくてもいいらしいです。
それならここでストップするのも自由と判断しまして、指名はなし。
でも、ご希望の方がいれば、渡すことにやぶさかではありません。
自由にトラバッてよし! ってのはルール違反?

4番目の質問などは考えるの、楽しかったですよ。
星に願いを、スターダストなども加えたかった・・・未練たらたら。



2005年6月20日 (月)

何かと話題の題材(?)をコメディに。

某ドブロガーさんのおすすめもあって、さっそく見てきました。
ピーター・シーガル監督、アダム・サンドラー主演のコメディ。

「50回目のファースト・キス」(2004年 米国)
★★★★

ハワイの水族館務めの獣医(サンドラー)は、
女性観光客と一夜だけの関係をもつことが趣味のプレイボーイ。
ところが、ある朝カフェで知り合った地元の女性(ドリュー・バリモア)と
いい雰囲気になり、翌朝も彼女を目当てにカフェに出かけるが、
なぜか彼女の態度は一変している…。


優しさに満ちた作品でした。
感動のラブストーリーとか、泣かせるラブストーリーが宣伝文句の映画は、
いつもはつい避けてしまうほうなのだが、
コテコテのコメディの中に、そういう要素を忍ばせたものには弱く、
たいていは脇の登場人物たちもひっくるめて、好きになってしまう。

毎朝、彼女の気を引こうとして考え出されるナンパ術の数々が可笑しい!
バリモアはこういう女性の役が本当に似合う。とても可愛らしい。
パパ、弟、水族館の飼育係などの人間キャラもいいが、
セイウチやペンギンの力演も、いい味を添える。

サンドラー映画ではお馴染みのロブ・シュナイダーが、友人役として今回も出演。
生粋のハワイ人役で、ハワイ訛りもどきの英語を操り、ワラかしてくれます。
でも、この人自身は、主演映画作品のほうがだんぜん面白い。
やっぱり笑いの中に、ホロッとくる映画が多い。
シュナイダーって見た目かっこよくないのに、微妙にセクシーなのもツボ。
たぶん同意されることはほとんどないと思うけどw

ちょい役のミッシー・パイルは、登場しただけで吹き出す。
ギャラクシークエストのイメージが強烈すぎた。
弟役のショーン・アスティンは公開中の「トラブル IN ベガス」にも出演中。
指輪物語以来、売れっ子かしら? ずいぶん痩せてて気付かなかった。



12世紀のエルサレムに行ってきた。

主演オーランド・ブルームというのがまったく期待できず、
後回しにしていたのだが、なんとか2番館落ち前に見てきて正解!
ブルームは、映画の中での役の成長に追いつかない風貌で、
やっぱり少々物足りなくはあったけど、
映画はそれも十分にカバーしていて、とても面白かった。
リドリー・スコット監督の史実に基づいた歴史スペクタクル。

「キングダム・オブ・ヘブン」(2005年 米)
★★★★★

12世紀のフランス。妻子を亡くしたばかりの若き鍛冶屋バリアンのもとに、
自分はお前の父親だと名乗る十字軍騎士が現れ、エルサレムへと誘う。
しかし、旅の途中から困難が襲い、致命傷を負った父は、
息子に騎士として、エルサレムの王と民を守れとの使命を託して亡くなる。
キリスト教、ユダヤ教、イスラム教の聖地エルサレムは、
このとき十字軍が占拠していたが、エルサレム王国の王ボードワン4世と、
イスラム側の指導者サラディンは休戦協定を結び、つかのまの平和が訪れていた。
しかし、一部の狂信的で強欲な十字軍兵士の暴走によってその協定は崩れる。
サラディン率いる20万人の大軍を相手に、苦戦を強いられるエルサレム軍。
最終的にエルサレムの民の命は、残った指導者バリアンの戦略手腕に託される…。


聖地を巡って変わらず続く宗教戦争。
それを時代こそ違え、正面から取り上げ、
またキリスト教側とイスラム教側を対等に描くことで
興味深い歴史映画になっていました。

しばらくぶりに見たハリウッドの歴史大作だったので、
ちょっと前に見た自衛隊+戦国の映画とつい比べてしまったのだが、
やっぱり映像のスケールが桁違いだし、リアリティの追求も半端じゃない。
例えば、一軍の馬が横並びに駆けていく場面などは、ため息がでるほど美しい。
また、登場人物それぞれの立場から発せられるセリフが印象的、そして重い。
うならされることたびたびだった。
制作費の額の違いだけではないのではないかと、つくづく・・・。

特に魅力的に描かれていた人物がサラディンで、
ハッサン・マスードというシリアの映画スターが演じている。
最後にバリアンと対面するシーンでのセリフが、この映画のハイライトか。
エドワード・ノートン演じるボードワン4世は、ハンセン病を患っていて
ずっと金属の仮面をつけているのだが、仮面越しにも感情が伝わってくるようだった。
バリアンの父親をリーアム・ニーソン、その同志の聖職者をデヴィッド・シューリス、
王の側近をジェレミー・アイアンズが演じていて、
英国系の渋い俳優が顔を揃えてるのもよかった。
米国俳優より英国俳優のほうが、こういうのは似合うよね。

王の妹とバリアンとのラブロマンスもある。
うろ覚えなのだが、その彼女がバリアンに対して言う
「大きな善を行うためには、小さい悪も必要では?」というセリフも重い。
案の定バリアンは拒んだが、それは騎士道精神としては正しい。
道徳的に正しい。しかし、現実にはどうだろう・・・。
自分には分からない。きっと永遠に分からない。



2005年6月18日 (土)

人魚の悲しみ。

『殺しの儀式』ヴァル・マクダーミド著
(集英社文庫 1997年)

イギリスの地方都市に“ホモ・キラー”と呼ばれる連続殺人鬼が出現。
そいつはヨーロッパ中世の拷問器具マニア。
被害者はいずれも、体中の関節が外れた肉の塊となって見つかる。
捜査に難航した警察は、内務省の心理分析官トニーに協力を依頼。
女性警部補キャロルとのチームで、犯人像の割り出しにかかる…。


CWMゴールド・ダガー賞受賞のサイコ・ミステリー。
この賞の受賞作で、読んでハズレということはあまりないみたい。
これもなかなか面白かったです。殺人犯の動機とか。
「The Mermaids Singing」という原題がいい。
拷問シーンが、それほど繰り返し描写されなかったので安心した。
でも、ほどほどに刺激的。なぜ人間はこういうのを、エグいと思いながらも
ワクワクしちゃうんだろうか?

犯人は自分で撮った拷問ビデオをデシタル編集して楽しんでいるはず、
という警部補キャロルの分析は、飛躍しすぎな気がする。
キャロル一派と対立する古いタイプの警視が、やはり勘で動いて大失態を
やらかすのと対比になっているのかな。
 主役=優れた警察官=勘が最終的には大当たり。
 引き立て役=ダメな警察官=見当違いな捜査で冤罪を生む。
王道といえば王道。

追記:「The Mermaids Singing」は『羊たちの沈黙』にかけてあるんだな、たぶん。



『夜の音楽』ベルトラン・ピュアール著
(集英社文庫 2002年)

こっちは独身女性ばかりを狙ったロンドンの猟奇連続殺人事件で、
中堅警部と、フランスから研修でやってきた新人警官のコンビが活躍。

犯人はある実在のミュージシャンの狂信的ファンという設定のみが
興味を持てたくらいで、ひさびさに大ハズレ!
ろくなプロットも組み立てず、適当に書き出した印象で、ラストにもがっかり。
登場人物も魅力ゼロ。おまけに犯人が誰かも最初の数ページで予測がつく。
タイトルは原題通りだが、そこからしてセンスが感じられない。

2001年コニャック推理小説大賞受賞作だそう…。
巻末の解説が立川直樹ってのに騙されちゃいかん。
事件解決のための重要なキーとなるミュージシャンが大好きな人には
そこそこ面白いのかもしれないが、
その名前を明かすと推理も何もなくなってしまうので書けません。



It's The Same Old Story.

2週間ほど前に見たDVD。

「恋に落ちる確率」(2003年 デンマーク)
★★☆

男(アレックス)はこの街に住むカメラマン。一緒に暮らす恋人がいるが、
その恋人を愛しているかどうか実感がもてなくなっている。
女(アイメ)は旅行者。年の離れた小説家の夫がいるが、
仕事に没頭する夫に放っておかれ、孤独感を深めている。
そんな二人が駅の構内で出会い、男は女に一目惚れ。
女は男に口説かれるままに一夜をともにする。
しかし翌日、男がいったん自宅アパートに戻ってみると、
ドアのあった場所は壁に変わり、恋人、友人、父親までもが
彼のことを会ったこともない人物として扱う…。


2組の男女のラブ・ストーリー。
主役はアレックスとアイメだが、アイメの夫である小説家の視点から描かれる。
アレックスの恋人とアイメを、同じ女優さんが一人二役で演じている。
カメラワークが凝っていたり、展開が少しシュールだったりするのは、
小説家の空想が含まれているから。もしかしたらこの不倫の恋そのものが、
若い妻の浮気を疑う小説家の妄想の産物かも。
それにしては、ありきたりの話の範囲に収まってしまっているけど。

この手の恋愛映画は、見る人はもちろん、
見るタイミングによっても評価がまったく変わると思う。
今の自分には、どのシーンも頭でっかちな印象で、グッと来るものがなかった。
監督は30歳そこそこの若い人。俳優たちが良かったです。
2003年カンヌ国際映画祭のカメラ・ドール受賞作品。

2005年6月16日 (木)

トイレの個室で何をするアンケート!

うちの職場、女性従業員は5人しかいないのに、
トイレが使用中のことがやたら多い。
大抵いつも同じ人が使用中。
彼女が入社するまでは、これほど重なることはなかった。
通常の勤務時間にトイレに行く回数は、自分の場合は3回から5回なので、
特に多いほうではないと思う。トイレ・サイクルが2人、同じなのか?
とにかくいつも、タッチの差で、私が出遅れるようだ。
だって、待たされるの5分、10分当たり前だもん。
洗面台のところで待っているのも気まずいので、
隣の給湯室で適当に時間をつぶしていたりしていたが、
今はもう待っている時間がアホらしくて、いったん席に戻るようになった。
でも、尿意をこらえながらでは、仕事に集中できないんだよね。
今日も帰り際にトイレが重なって、しばらく待ってはみたが、
個室から出てくる気配がない、ない、なぁーーい!
いったい、あの中で何やっとんねん! あんな狭くて息したくないところで…。
仕方ないから、給湯室で化粧直しして、トイレは駅ですませた。


「トイレが長いのもマナー違反だよね」
2カ月ほど前に、昔の職場の友人、女ばかり5人で集まったときに、
居酒屋のトイレがなかなか空かないことにしびれを切らした1人が、
そんな感想をもらすと、残りの4人が一斉に大きく頷いて同意した。
5人が5人とも、小の用を足すときの個室時間はせいぜい1分前後と判明。
6部屋くらいあるトイレで、空き待ちの列が出来ているとき、
自分が用を足して出てくると、自分の後ろに並んでいた人がまだ列の先頭で
待っていることがたびたびあることでも一致した。

で、世の中にはトイレ時間の長い女性と短い女性の2タイプがあるらしいことが
判明し、トイレの長い人の謎をみんなでいろいろ推理してみたが、
・便秘に苦しんでいる
・重い生理中
・ストッキングを履き替えている
・化粧直しをしている
・用を足す前に便器はもちろん床にまでペーパーを敷き詰めている
・膀胱が牛並み

せいぜい思い浮かぶのは、こんなところ。
5人ともトイレ短い人なので、長い人が個室の中で何をしているのか、
結局、謎は解けないままで終わったのだが、
興味があるので、知っている人がいたら、教えていただきたい。
知り合いの長い人には直接たずねにくいので。

赤っ恥は自分かもしれないと、実は恐れていたりもするのよ。
トイレの個室では、小便・大便の用を足す以外に、
大人の女性の間では半ば常識になっている利用法があるのかもしれないから。
そんなことも知らないの?と突っ込まれることを覚悟でたずねます。
ええ、知らないんです。
だから教えてください。

エルヴィスのトリビュート映画。かな?

ジョン・コーベットのファンのお誘いで、
先週の土曜日はもう1本映画を観た。

「トラブル IN ベガス」(2004年 米)
★★☆

キム・ベイジンガー主演の、たぶんほとんど話題になっていないコメディ。
彼女が演じるのは、全身ピンクに身を包んだ化粧品の凄腕セールスレディ。
ミニスカートのチープな制服も着こなすプロポーションの良さはさすが!
で、そのセールスレディが、ピンクのキャデラックに乗り、
即売会のために訪れる先々で、なぜか現れるエルヴィス・プレスリーのそっくりさん。
そして、彼らは彼女に出会った直後に、次々と不幸な死を遂げる…。

【ネタばれ】
ラスベガスで行われているエルヴィスのそっくりさんコンテストは
ほかの映画などでもお馴染みだ。
リーゼントにもみあげ、フリンジや鋲がついたジャンプスーツを着込んだ
そっくりさんの中には、グロとしか思えない方々もたくさん交じっている。
そういった自称そっくりさんたちに「天罰」を下してスッキリーー!
というのがこの映画のテーマかな?

天罰を下していたのは、おそらくあの方、だと思う。
ラストはまるで、ハメルーンの笛吹き男。
原題の「ELVIS HAS LEFT THE BUILDING」って、そういう意味だったのか?!

勘違いそっくりさん、許せん(?)という姿勢は、
エンドロールの後の「お断り文」にまでも徹底していて愉快です。
でも、笑えるところはそれほどなかった。
ラブ・コメの「ラブ」も「コメディ」も薄味。
劇中ずっとエルヴィスの曲が流れていたみたいだけど、
そっくりさんのへたくそなカラオケのほうが耳に残っちまった。

共演はジョン・コーベット、ショーン・アスティン、デニス・リチャーズ、
アニー・ポッツ、アンジー・ディキンソン、
そしてなぜかあの人が、プレスリーそっくりさん役でカメオ出演。

2005年6月12日 (日)

見どころはX星人コンビ。

舞台挨拶ありの初日初回で観てきました。
【ネタばれあり】

「戦国自衛隊1549」(2005年 日本)

うーん、スクリーンで映画を観た気分になれなかった。
SFものとしてはすっきりと分かりやすく、子供も楽しめる内容。
でも、ただストーリーを追っているだけで、映像が訴えるものが乏しかったかな。
骨格があって、とりあえず肉付けをして形を整えたけど、血は通ってないみたいな。
テレビドラマだったら十分満足していたと思うけど。

登場人物それぞれの心のうちは、セリフ任せで薄っぺらだったり、
もしくは演出が凡庸すぎるのか、うまく伝わっていないところが多かったと思う。
とくに男女2組のロマンス(?)の描き方には、大いに不満。
自衛隊の抱えるジレンマを取り入れているのはいいと思うけど、
皮肉にまでは至ってないし・・・もうちょっと毒があってもいいのにな。
戦国時代にタイムスリップし、織田信長になりすました自衛隊指揮官が
未来をどのように変えたかったのか、そこ、よくわからなかった。

かなりお金を費やしたらしい戦闘や爆破シーンも、生々しさがなくて迫力不足。
回想シーンが手抜きっぽいのが気になった。
あと、これはひどいと思ったのが音楽。
まるで企業のPR映画でも観ているような無味乾燥さ、効果のなさ!
それでもエンディング曲の殺気を覚えるほどのつまらなさに比べたら、まだマシか?


言いたい放題なんだけど、映画の評価は★★★。
北村一輝オタとしての満足度は高かったので。
金曜日は「タイガー&ドラゴン」で、頭の悪そうな粗忽者のヤクザ役、
その翌日は一転して、冷静沈着、強い意志と忠義心をもった戦国武士役だもの。
どんな役も演じてしまう勢いの北村だけど、この2つの役柄はともにオハコですね。
現代にタイムスリップした武士として、ワイシャツに着替えて登場する場面は
時代錯誤的な濃い顔を最も上手く利用したシーンとして、記憶に残りました。

斎藤道三を演じた伊武雅刀には、笑わせてもらいました。
したたかなキャラクターが生きてました。

2005年6月 9日 (木)

私家版・魅惑のエロサウンド その12

たまたま今日は「ロックの日」(だそう)なので
もう1曲行っちゃえーツェッペリン!

Led Zeppelinの“Since I've Been Loving You”

レッド・ツェッペリンはスローなブルースも大好き。
そして、エロさでいったら『Led Zeppelin 3』に入っているこの曲か。
「あなたを愛し続けて」というタイトルからして、ぐっときますが、
ぐわっと盛り上がって、ダダッツダーダー、ダダッツダーダーと入るリフで
ふっと音圧が落ちるところに、メロメロです!



私家版・元気になる音 その22

後にも先にもレッド・ツェッペリンほど夢中になったものはない。
世代的にビートルズやローリング・ストーンズなんかより、
もうもう断然ツェッペリンなんです!
中学から高校にかけての時期のいちばんのアイドル。
当時はロックのナビゲーターとして、ラジオのDJをやっていた
渋谷陽一の存在が大きく、私もその影響下にありました。
この方も同様のことを書いていらっしゃいます。)

ツェッペリンへの思いあまって、手書きの新聞まで作って
親しいクラスメートにむりやり読ませていました。
といっても雑誌などの資料も乏しく、続きませんでした。
下の写真がそれ。捨てられずに取ってあります。笑っちゃうけど。


Led Zeppelinの“Achilles Last Stand”

当然、好きな曲はたくさんあるわけですが、
アルバム発表とともに買っていたのは『フィジカル・グラフィティ』
『プレゼンス』、映画「永遠の詩」の2枚組みサントラのみで、
その中から1曲選ぶとなると、
『プレゼンス』に入っている「アキレス最後の戦い」で決まり!
このアルバムが出た頃に、シンコーミュージックから星加ルミ子訳の
伝記本も出版され、その本を夜は抱きしめて寝るくらい、
熱病はピークに達していたっけなあ。。。

ツェッペリンを聴いてしまうと、
ほかのハードロック・バンドではドラムが軽すぎて物足りない。
双頭みたいに言われていたディープ・パープルは
ちっともいいと思わなくてアルバム1枚も持ってない。
ツェッペリンを聴かなかったら、
その後に、ブラックミュージックの中でもリズムのヘビーなファンクに
惹かれることもなかったかもしれない。
ドラムのジョン・ボーナムが亡くなったときは、
もうあまりツェッペリンを聴かなくなっていたにもかかわらず、とてもショックだった。
で、終わったと思った。案の定バンドも解散した。
その後ずいぶんたってから、ボーナムの息子が加わって再結成という話を聞いたときは、
メンバーもついにはボーナムの血に頼ったか?
それほどまでにその存在は大きかったのかと考え、再び悲しくなった。



でも、実はショックだったことがもう一つ。
ジミー・ペイジの、年取ってからの変貌ぶり。
しばらくは直視もできなかった(笑)。
同じく昔ツェッペリン大好きだった女友達が一人いるのだが、
たまに話題にのぼるときは、そればっかり。
「夢を壊すな!」とか「人前に出てこないでくれ!」とか
二人してもうむちゃくちゃな言い様。
今はもう見慣れましたけど。・・・老いは残酷だわ、ホント。
昔はキュートだったんです! ミーハー人気も高かったんです! 
と、一言、断りを添えずにはいられない。



2005年6月 7日 (火)

思い出の3作品

スピルバーグ監督の「宇宙戦争」が今月末から公開。

生まれて初めてカラーテレビで観た映画が「宇宙戦争」なので、感慨深い。
もちろん1953年製作のオリジナルのほう。
うわっ、もう50年以上前の作品なのか!!!
幼稚園か小学校低学年のとき、お正月に母方の実家で従兄弟たちと観た。
当時はまだ自分の家は白黒テレビだったので、衝撃度も倍増。
コタツの熱、ストーブの熱、人いきれで息苦しく
相当のぼせながらも、部分部分のシーンは鮮明に覚えている。
その何年か後には図書館にあったSF小説シリーズで原作を読んだ。
読んでいて、あ、これ、あの映画だ!と気づいた。

しかし、今さらあれをリメイクして面白いのかなぁ。
宇宙人の弱点がオリジナルのまんまだとしたら、
パロディ映画の「マーズ・アタック」に衝撃度では負けちゃいそうなのだが。


自分の記憶に残っているいちばん古い映画は「汚れなき悪戯」
3歳ぐらいのとき。昼間に一人でテレビを観ていた。
主人公が同年代なので、観ていたんだと思う。
これもラストにあまりに衝撃的で、忘れられないシーンがあって、
ずっと気になっていたのを、だいぶ後になって映画を見直して確認した。


子供の頃にテレビで観た映画ではもう一つ、「荒野の七人」も強烈な印象を残した。
これは小学校中学年くらいか。
観た夜は興奮して眠れなかった。まじで。
その後1週間くらい、ずーーっと「荒野の七人」のことばっかり考えていた。
ガキなので単純にユル・ブリンナーがかっこいいなと思っていたけど、
恋する男、チコ(役名)も気になった。そこはやはり女の子だ。


うーん、考えてみたら自分自身、リメイク映画の恩恵をこうむっているのだった。
時間があったら観に行ってみるか「宇宙戦争」。



2005年6月 5日 (日)

「彼を見つけ、理解してくれ…」

主人公はフリーの殺し屋。対照的な2冊。
【ネタばれ注意】

『長く孤独な狙撃』パトリック・ルエル
(ハヤカワ・ミステリ 1987年刊)

恋人が殺されたのをきっかけに、ライフルによる長距離狙撃の
第一級暗殺者となったジェイスミスだが、
たった一発の弾丸を外したことで、雇い主に対して一方的に引退を宣言。
過去を捨ててひっそりと暮らそうと、訪れていた湖水地方に
なりゆきからコッテージを購入する。
そして、そこで出会った未亡人アーニャと再び恋に落ちるが、
彼が殺すはずだった男は、そのアーニャの父親だった…。


原題は『The Long Kill』。
レジナルド・ヒルの別名義による冒険サスペンス。
雇い主とはお金による契約とはいえ、組織のたくさんの秘密を知って
しまっているジェイスミスがすんなり引退できるわけがない。
そして、彼が殺すはずだったアーニャの父親も、
ジェイスミスの後継者によっていずれは殺される運命にある。
何を犠牲にして、何を救うか・・・。

ラストが上手い!
あまりに美しく悲しい結末が待っていました。
昔の映画にこんなラストシーンがあったような気がする。
イングランド北西部の湖水地方の自然に詳しかったり、
山登りやトレッキングに興味があったら、もっと楽しめたかも。

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『ミス・メルヴィルの後悔』イーヴリン・E・スミス
(ハヤカワ文庫 2005年再刊)

ミス・メルヴィルはニューヨークの名家に生まれたが、
父親が財産をもって行方をくらましてしまい、今ではすっかり貧乏暮らし。
頼みの美術教師の職も失い、住む場所も追われることになって、
ついには自殺を決意する。しかし、死に場所に選んだパーティーで
自分を窮地に陥れた人物を発作的に撃ち殺してしまい、
同じ場所にいた暗殺グループのメンバーに見込まれて、
殺し屋として収入を得ていくことに…。


こっちは40代半ばの女性の殺し屋が主人公なのだが、
コメディにするって難しいなあ。
題材は面白い。金持ちの友人たちの生態も面白いけど、あまり共感しなかった。
殺される人の話がほとんど絡んでこないからだろうか?
指示を無視して、個人的な理由による殺人を再び犯してしまうし…。
反省もしてないし…。

これでラストがもっと辛口だったら、印象がずいぶん違ったはず。
いくら正統そうな理由があっても、人殺しを稼業とするからには
なんらかのハンディーを背負っていてほしいのに、何もないんだもん。
殺し屋になっても、運良くその仕事を辞めることになっても
さして変わらぬ生活、友達、恋人。
シリーズ第1弾らしいので、その後にどうなるか分かりませんが。

ミス・メルヴィルは、パーティーもぐりを得意とする殺し屋で、
本の中にはパーティーもぐりを趣味とする人たちが出てくる。
慈善パーティーなどにこっそり潜り込んで、タダの飲み食いを楽しむ人たち。
貧乏なのではなく、一種のスリルを楽しんでいる。
主催者によっては気付いていても、彼らを「サクラ」として扱い、
見て見ぬ振りをするらしい。
実際にそういう趣味の人たちがいるかどうか知らないけど、
いかにもニューヨークらしいと思った。



2005年6月 4日 (土)

アメリカのPL訴訟は怖い。

『女神の天秤』フィリップ・マーゴリン
(講談社文庫 2004年刊)

トレーラー育ちから苦学の末、一流弁護士事務所のアソシエイツ
となったダニエルは、同僚の女性(お色気を武器にいつも要領よく
立ち回っている)から、薬害訴訟に関する雑用仕事を押しつけられる。
訴えられているのは、彼の事務所の大切な顧客であるゲラー製薬。
原告を代表するのは「弱者の味方」として名高い辣腕弁護士アーノルド。
しかし、ダニエルはこの仕事で大失態の汚名を着せられ、事務所を首になる。
身に覚えのないことと納得がいかない彼は、一人で調査に乗り出すが、
その最中、彼を首にした元上司が何者かに殺され、
ダニエルはその容疑までかけられてしまう…。


マーゴリンは初めて読んだ。リーガル・サスペンスものを得意とし、
アメリカでは「十割打者」の異名を持つ人気作家、と裏表紙にある。
納得かも。読み出すと止まらない。
話が筋道に沿ってとんとんと進むので、登場人物がやたら多い割には
それほど混乱もせずに、一気に読めてしまう。


──この秘書は30代初め。身長は5フィート9インチ(約175センチ)で、
身体はエアロビクスのインストラクターのように筋肉が発達し、つややか
だった。黒っぽい髪はショートカットにしてあり、ブルーの目、まっすぐ
な鼻、そして怒ったように結んだふくっらした唇を囲んでいた。──

作家のサービス精神の現れかな?
初出の登場人物にいちいちついてくる外見描写が妙に詳しくて、
読んでいてツッコミを入れたくなること何度か。
いえ、こういうの、珍しいことではないんですけど、なにも身長や体重まで・・・。



2005年6月 3日 (金)

1作目にして惚れた!

『紐と十字架』イアン・ランキン
(ハヤカワ文庫 2005年刊)

リーバス部長刑事のもとに定期的に届く匿名の手紙。
短い文章とともに、最初は結び目のついた紐、
次はマッチ棒の十字架が同封されていた。
いったい差し出し人は誰で、何を伝えたいのか?
しかし、そんなことにかかずらっている暇はない。
街では少女誘拐事件が連続して発生していた…。


切れ者なのにダメ男の要素を抱えたリーバスのキャラクターが素敵!
40歳過ぎのリーバスが、いまだ部長刑事の地位に甘んじているのは、
SAS(陸軍特殊空挺部隊)から転職した身で、
警察内では煙たがられているから。
唯一、同僚のジャック・モートンとは気が合い、
こちらも良いキャラ。二人のやりとりがこれまた、たまんねー。

本国では1987年に出版。ノワール色が濃く、連続殺人犯の動機など、
ストーリー自体はすでにもう手垢にまみれている感があるけど、
主人公や周りの人物たちが魅力的であればそれで十分。
本を読むのを食事に例えると、
こういうタイプの警察ミステリーが自分にとっての主食。
毎日食べても飽きないコメの飯ってとこ。
リーバスは直球ど真ん中、めちゃ好みのタイプっす。

スコットランド・エジンバラを舞台とする
ジョン・リーバス警部シリーズは、
8作目のCWA賞ゴールド・ダガー受賞作『黒と青』から
日本では翻訳が始まり、いままで1作目から6作目までは未翻訳のまま。
刊行形式もこれまではポケミスと単行本のみだったので、
イアン・ランキン面白いらしいとは知りつつ、読んだことなかった。
それが、改めて1作目から文庫化とは嬉しいよ!
早く2作目が出ますように。
でないと、先に翻訳されてるものを読んでしまいそうだ。

それにしても、この手の刑事・警部シリーズものは、
なぜか離婚していて娘が一人いるというパターンが多いですね。
妻とは死別している場合もあるけど、
子供は息子じゃなくて娘なんだよね、必ずといっていいほど。
敵対するオスは家庭外だけで十分ってことかしら?



2005年6月 2日 (木)

知られてはならない秘密って何なんだよぉー?

『悠久の窓』ロバート・ゴダード
(講談社文庫 2005年刊)

イギリス・コンウォールの旧家パレオロゴス家は、
ビザンティン帝国最後の皇帝の末裔とされている。
あるとき、年老いた父親が一人で暮らしている屋敷を
高額で買い取りたいという謎の人物が現れる。
昔、ある教会から持ち去られた貴重なステンドグラスが、
家のどこかに眠っているはずというのがその理由。
しかし、頑固な父親は売却を拒み、5人の子供たちが説得にあたる最中に
地下室の階段から落ちて亡くなる。混乱はそれからだ。
遺品整理をする中で見つかった父親の最新の遺言状には、
息子・娘たちが聞いたこともない人物に、屋敷を遺すと書かれてあった…。


ゴダードは何冊か読んだが、自分の読んだものは
時代と国境を越えた悲しい復讐ものだった気がする。
(実はいくつかの話が頭の中でごっちゃになっている。)
重厚な作品を書く人のイメージだったけど、久々に読んだこれは
初めのほうこそ謎が謎を呼ぶ展開で、すごい真実が暴かれるに違いないと
期待したが、ラスボスの目的は結局はお金で、あっけなく・・・。
しかし、本当の仰天はその後に残されていた。
いきなり話がキリストの時代にさかのぼってしまうんだもの。

でも、聖書に疎い私には、このエンディングのくだりが
漠然としかわからなかったのです。残念です。
2人は何を悟ったのでしょうか。
そして、仲良く手を繋ぐようにしてどこへ向かったのでしょうか。
なんとなく大仕掛けに騙されている気もする。
正直、予言がどれほどの意味があるものなのか。
期待の内容とは少し違っていたので、面白さは今ひとつ。



2005年6月 1日 (水)

ジャック・クストーのパロディ映画

やっと仕事片付けたー!
気分サバサバ。で、映画観てまいりました。

「ライフ・アクアティック」(2005年 米)

ウェス・アンダーソン監督の、笑いのセンスのねじれ具合は、
理解しがたい部分もあるが、なんか惹かれる。つい観てしまう。
おまけに今回も好きな役者さんばっかりだ。
ビル・マーレイ、オーウェン・ウィルソン、アンジェリカ・ヒューストン、
ウィレム・デフォー、ジェフ・ゴールドブラム、ケイト・ブランシェット…。
これだけでも無性に観たくなった。

主人公のスティーヴ・ズィスー(B・マーレイ)は海洋探検家。
ベラフォンテ号の船長として、チーム・ズィスーを率い、
海洋ドキュメンタリー映画を制作している。
といっても彼らの作る映画が、観客に興奮と感動をもらたしていたのは過去の話。
最新作品は、チーム・ズィスーの古参メンバーの一人が未知の巨大ザメに
食われてしまうという内容なのだが、肝心のサメが画面には登場せず…。
大切な仲間を亡くしたうえに、“ほら吹き”扱いまでされて
怒りのおさまらないズィスーは、次の航海でその汚名返上と親友の敵討ちを誓う。
しかし、なかなかスポンサーが見つからない。
そんなとき、彼の息子だと名乗る人物(O・ウィルソン)が現れて協力を申し出る……。

【以下はネタバレ】

正直とらえどころのない映画で、感想書くのが難しい。
滑稽なシーン満載なのだが、おっぱい丸出しで仕事に励む
女性スタッフなんかが突然登場しても、笑っていいものなのか、どうなのか。
核となっているテーマは、父親と謎の息子との間に育まれる絆で、
ズィスーにいったんは愛想を尽かす妻(A・ヒューストン)にしろ
不倫相手の子どもを妊娠している女性記者(C・ブランシェット)にしろ、
描きようによってはいくらでも泣かせられる心理的要素が、
いずれもごくごくあっさりとしか描かれない。
題材だけポーンと放りだし、観る側の想像力に任せた印象。
でも、この押しつけがましさのないところが好きなんですけどね。
自分はA・ヒューストンの役どころに共感しました。

楽しみにしていた海洋シーンは少なかった。
登場する海の生物の多くが架空のものなのは知っていたが、
現実にも海には相当に変なのがいっぱいいるので、あまりピンと来ない。
最初に出てきたスノーマングースに笑わせてもらったくらいで。

でもでも、ズィスー船長に憧れている少年が船長にプレゼントした
七色のタツノオトシゴは、観たあとになってじわりと効いてきた!
冒険や探検への純真な憧れが、あのタツノオトシゴに象徴されてるというか。
前人未踏の自然なんてもはや地球上に残っていないと考えると、
その少年の純真さがますます尊いものに思え、ちょっと切なくもある。

映画制作への情熱も隠れたテーマなのかな。
それぞれ個性的(国際色豊か)なチーム・ズィスーのメンバーの、
自分は好きな仕事ができればそれでいいのだ、という姿勢が清々しい。
映画のラストで、みんなで港に向かって歩いていくシーンが最高!
終わり良ければってことで、採点は★★★★

もう一つ期待していたセウ・ジョルジは、
歌もギターも実はあまり上手くはないのね。声はとてもいいのにね。
でも、いい味わいを添えていましたよ。

**********************************************

先日のカエターノのライブはなんだったのだろう。
いまだ余韻を引きずっている。
毎晩、寝る前にはCDを聴かないと気が済まない。
よりによって仕事でひいひい言ってる時期に、
おかげで、貴重な睡眠時間が1時間くらい減ってしまったわけだが、
これを聴けば確実に幸せな気分になれるという、
そういう音楽がある状態はいいものです。

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