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2005年4月

2005年4月30日 (土)

とどのつまりは物欲と肉欲と…。

東テキサスを舞台に、白人中年男性ハップとゲイの黒人レナードの
マッチョ・コンビが活躍するシリーズ3作目、4作目。

『罪深き誘惑のマンボ』ジョー・R・ランズデール著

ハップの元恋人である黒人弁護士フロリダが失踪。
ハップとレナードはその行方を探して、テキサス東部の街グローブタウンに
乗り込むが、そこはいまだ黒人差別が根強く残り、KKK同様の秘密結社が
支配する町だった。果たしてフロリダは無事でいるのか……。


このシリーズ、言葉遣いが「下品」なのはユーモアとして読めるけども、
「痛い」「汚い(オエッ)」場面も多すぎるんです。
ひづめに詰まった糞を洗い落としていないように見える
売れ残ったホルマリン漬けのような豚足なんか、
いくらお義理とはいえ、買って食べてみたりはしません、私は!

マッチョとかマッチョ好きな人たちは、本質的にはマゾなんですかぁ?
今回、主人公2人が無謀な行動で死にそうになること3、4回。
最後の出来事なんか、リアルだったら絶対死んでると思いますよ!

でも、面白かった。扱ってるテーマはかなりシリアスなんだよね。
こんな町が現実にいまだ残っているんだろうか…。
いつまでも止まず水嵩を増していく雨のシーンは不気味だ。
巻末の解説にデヴィッド・リンチで映画化とあるけど、お流れかな?

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『バッド・チリ』ジョー・R・ランズデール著

レナードと破局したばかりのラウルの新恋人が銃殺死体で発見される。
その殺人容疑をかけられた親友レナードのために、
ハップは入院中の病院から抜け出して真犯人を探し始める……。


ハップが入院したのは、森で凶暴なリスに噛まれて狂犬病になったため。
その後に、レナードはレナードで森に逃亡中に、金タマに大きなダニが
居着いてしまい往生する…。
ここまで読んで、もしかしたら森にはやばい伝染病でも広まっている?
と期待したが、そういう話ではなかった…。

これも相変わらず下品、痛い、汚い!
毎回、身内の誰かが死ぬのもパターンのようだ。
そして、やはりラストにはとんでもない災難が…。ずぇーったい死ぬでしょ、普通!

扉に「アンドリュー・ヴァクスに捧ぐ」とあって、
そうか、その系統のシリーズなのかと今さら気付く。
ヴァクスは以前に『ブルー・ベル』を読んで、それっきり。
おつむが弱くて、足手まといなだけの女が出てくると無性に腹が立ってくるんです。
この『バッド・チリ』のヒロインはそういうわけではないんだけど、
いかにも銃社会アメリカな小説はしばらく避けたい気分…。



2005年4月29日 (金)

私家版・元気になる音 その21

ジェームス・ブラウンのファンクグルーブは
「痺れる」という言葉がふさわしい。
JBのダンスも感電してビリビリきてるようにも見えなくもない。
で、やっぱり元祖ファンクもライブが最高だー!

James Brownの“Give It Up Or Turnit A Loose”

自分、長らく「ターン・イット・ルーズ」と勘違いしてました。
正確には「ターニット・ルーズ」なんですね。とほ…。
JBファンクの代表作ともいわれる71年発表のライブ盤
『Revolution Of The Mind Live At The Apollo Vol.3』で
この曲が始まった瞬間の、客の盛り上がりが半端じゃない。
イントロからのベースとギターのリフが、もうホントにかっこいいでよ。
続いて「Super Bad」や「Soul Power」、最後の「Hot Pants」まで
怒濤のようなファンク曲のオンパレード。
JBの歌や掛け声(?)のキレも素晴らしくシャープで、
アルバムの後半ばかりを何度も繰り返し聴いたものです。



でも、この一連のゴリゴリな曲が作られた頃に参加していた
キャットフィッシュとブーツィーのコリンズ兄弟が
このライブの時点ではJB'sから脱退しており、
2人が参加してるライブもたっぷり聴きたかったなと思うわけで、
そしたら、だいぶ経ってからCDで発売されました。
『LOVE POWER PEACE Live At The Olympia, Paris,1971』。

こっちも甲乙付けがたし! 期待に違わぬライブ盤でした。
このヨーロッパツアーを最後にコリンズ兄弟が脱退したという
先入観も手伝ってか、コード一発もの曲には不穏な空気すら感じられ、
それがまた凄みになって、やたらハイテンションなライブ。
ちょっとでも手綱をゆるめたら暴走して空中分解しそうなほど突っ走ってます。
(噂ではブーツィーはこのときLSD中毒でかなりやばい状態だったらしいが…)
特に兄キャットフィッシュのギターがいいですね!
全体的にギターの音量大きめってこともあるけど、
その音色の押しの強さときたら、御大の存在を一瞬忘れそうになるほど(笑)

嫌がおうにも盛り上がる演奏なのだが、
体力が弱り過ぎてるときには逆効果かもしれない。
鼻血が出やすい体質の人なども要注意です。(笑)
「ターニット・ルーズ」に関してはアルバム『Sex Machine』のも、
『In The Jungle Groove』に入ってるリミックスバージョンも好き。
ベースの音がクリアで、ぐいぐい引っ張られていく感じが快感。



2005年4月23日 (土)

ラブ♪ ラブウィルキープアストゥギャザー♪

今週は近場とはいえ出張3本。以前に比べて疲れが抜けずに、蓄積される一方。
さらにやらなければいけないこともたまってきて、気ばかりが焦るーーー!
なのにふらふらとレンタル屋さんに寄ってしまった。

「スタスキー&ハッチ」(2004年 米)
★★

ベン・スティラーとオーウェン・ウィルソンの主演で、
70年代テレビドラマの人気刑事コンビを、コメディ色強くしてリメイク。
どこで笑わせようとしているのかは分かるのだけど、
湿気た花火のように燻ってばかりの印象だった。
嫌いじゃないけど、ビデオスルーは仕方ないかも…。
情報屋“ひょろまつ”役がスヌープ・ドッグってのもイメージと違うなあ。
こんなに偉そうだったっけ? ひょろまつ。
往年のスタハチ・コンビのゲスト出演や、
懐かしのヒット曲オンパレード(キャプテン&テニールとか)は楽しいけど、
この映画がスタハチのリメイクである必要性がいまいち分からない。
スタハチを名乗らず、スタハチのパロディだったら、もっと笑えたかもしれない。
なんじゃそりゃ。


「ヘルボーイ」(2004年 米)
★★★

ギレルモ・デル・トロ監督・脚本、ロン・パールマン主演。
アメコミが原作の、おそらくティーン対象と思われるダークヒーローもの。
ヘルボーイは赤鬼そっくり! おまけに相撲取りのような髪型じゃありませんか!
ツノがコンプレックスらしく、毎朝ひげ剃り代わりに、
電気ヤスリで削ったりするのが妙に人間くさい。
インテリな半漁人も面白いキャラ。ジョン・ハートの博士役も良かったけど、
悪役がつまらない。内容の目新しさと、驚きにも乏しかったかな。

2005年4月22日 (金)

この映画で萌える趣味はないのですが…。

ペドロ・アルモドバル監督のミステリアスなゲイムービー。
少しネタばれあり。

「バッド・エデュケーション」(2004年 スペイン)
★★★☆

映画監督エンリケ(フェレ・マルチネス)のもとに、子供時代の親友で、
今は劇団で俳優をやっているというイグナシオ(ガエル・ガルシア・ベルナル)
が訪ねてきて、自ら書いたという脚本を渡し、一緒に映画を作ろうと誘う。
実はその脚本は、2人が通っていたカトリック教会の寄宿制男子校での
スキャンダラスな出来事を暴露するものだった…。


前作「トーク・トゥー・ハー」に続いてまたまたにっくき性犯罪者が登場!
普通なら、この手の犯罪者には嫌悪感しか持ち得ないのだが、
そうはならないのがアルモドバル・マジック。
汚らわしく罪作りな愛も、崇高で美しい愛のような錯覚に陥る瞬間がある。
映画ではむしろ滑稽に描かれている気がするけど。

物語は、現実→撮影される映画でのシーン→ちょっと前の現実
という具合に入り組んでいる。
途中、エンリケがイグナシオの手紙をその母親から受け取って読むあたりが
個人的にはクライマックスで、その後は盛り下がっちゃったかしら。
後半は動機のはっきりしないことがいくつかあって、
何が映画のテーマなのか、よく分からなくなってしまった…。
でも、この理解しがたい展開が、アルモドバルらしいといえばらしいかも。

話が面白いか面白くないかは、アルモドバル監督作品の場合はあまり気にならない。
いかにもスペインらしい色使いや、
古い映画をヒントにしたようなビジュアルや音楽のセンスが楽しくて、
それだけで満足。映画館で観る価値があるってもんです。

映画の中の映画シーンに登場する、ボーイズソプラノの少年への愛を
抑えきれず、ついには嫉妬まで露わにするマノロ神父の表情が実に印象的!
あと、女装して歌うベルナルがなかなかにチャーミングです。



2005年4月17日 (日)

殺人事件の動機は4つの「L」

現代英国ミステリーを代表する女性作家P・D・ジェイムズの
ダルグリッシュ警視シリーズ最新刊。
読み始めて、いつの間にかダルグリッシュに恋人がいることに
戸惑う(……シリーズ一冊、飛び越して読んでしまった)。
名の知れた詩人というもう一つの顔もつ、
いつも冷静沈着で物静かなインテリ警視が
恋人となかなか会う時間をもてずにソワソワしてるなんて!
うーん、新鮮・・・でもちょっぴり複雑な気持ち。

『殺人展示室』P・D・ジェイムズ著

ロンドンのハムステッドヒースに建つデュペイン博物館は、
二つの世界大戦に挟まれた時代(1919-38年)にテーマを絞った私設博物館で、
なかでも個性的なのは、その時代に起こった凶悪犯罪を展示している殺人展示室。
この博物館の所有は、親の遺産として引き継いだ3人の兄妹の共同名義となっているが、
経営が芳しくないこともあり、博物館の継続をめぐっては兄妹内で対立が起きている。
その最中、博物館の敷地内で、展示されている過去の事件を模倣したかのような殺人が起き、
なぜか、警視長であるダルグリッシュが直々に事件を担当するようにとの命が下る…。

P・D・ジェイムズは82歳でこの長編を書き上げているんだから、んまあ、すごい!!
この警察ミステリーシリーズに関しては登場人物よりも、むしろ作家自身のファン。
毎度、英国人らしいシニカルな視線も交えて描かれる人物像は奥が深い。
今回も登場人物それぞれの背景と、決して単純ではない性格の描写の細やかさにうなった。
ミステリー作品としての面白さでいえば、個人的には『黒い塔』から『死の味』辺りの
知力体力ともに充実している頃の作品には及ばないかなと思うのだけど、
翻訳が出るうちは、読み続けますよ!



時代劇の撮影、見たかったよー

京都へは仕事で何回も行っているが、
太秦方面は初めてだったので、ついでに東映の映画村だ!
テーマパークができて30年以上。
今さら感はあるけど、やはり一度は行っておきたいでしょ。



東映京都撮影所では近年、
映画は年に1本撮られる程度だそうで、
今はたまたまちょうど「男たちの大和」を撮影中。
今年は似たような邦画が続きますね。



こういう屋外セットが今もドラマ撮影に使われている。
と、思っていたら、違っていた…。
実はちょっと期待していた。


映画村の隣にあるのが、聖徳太子建立の「広隆寺」。
中学のときの修学旅行で、どこぞの弥勒菩薩像を見学して
しばらくその場を動けないほど惹きつけられてしまった。
それがどこの寺だったか記憶にないもので、
もしかしたらここの国宝像かもと期待したけど、違っていた。
展示建物の入館には700円取られるのだが、
館内の照明が暗いうえに、見学の仕切り柵の奥の弥勒像までの
距離がありすぎて、肝心のお顔がよく拝めません!
目の悪い人はメガネ必携。



“関西ツアー”の思い出

関西方面に出張。大阪・梅田での用件の帰り道、
昔、出演させてもらったことのあるライブハウス「バナナホール」が
すぐ近くだったので立ち寄ってみる。
もともとは巨大キャバレーだったらしい。楽屋への通路の途中に
大きなダンスホールがそのまま残っていた記憶がある…。


20代の頃は年に1、2回、バンドで“関西ツアー”をしていた。
地元のバンドとジョイントで出させてもらっていたわけだが、
当然、旅費から何からすべて持ち出し。
寝泊まりもワゴンの中というド貧乏ツアー。んでも楽しかったわ。

一度、現地で他のメンバーとはぐれてしまったことがあり、
ホテルに泊まるお金がもったいなかったものだから、
梅田から難波を経由して通天閣まで、夜中に歩いて時間をつぶしたことがある。
途中に官庁街みたいなところを通るのだが、
深夜は人はもちろん、行き交う車もほとんどない場所。
大きな清掃車が一台、暴走ぎみに走ってきて通り過ぎたと思ったら、
前方でいきなりUターンして戻って来たときには少しビビッた。
一人でこんな時間にこんな所を歩いているのは非常識だ、というようなことを
親切にも助言しに引き返してくれたわけだが…。

翌日のライブハウスでのリハが始まるまではかなりの時間があって、
あとはどうやって時間をつぶしたのか覚えていない。
結局ライブには一睡もできないまま臨んだと思うが、
そういうときは完全にナチュラルハイ状態になっているので、
ライブ自体はいつもにまして楽しかったりするのだ。


大阪ではほかに十三の「ファンダンゴ」、神戸では「チキンジョージ」、
京都では「磔磔 」にも出させてもらったことがある。
チキンジョージではチキンライスの“まかない飯”がつくので、それが楽しみだった。
その後、震災で建物が崩壊したりで、いろいろ大変だったようだ。
今もここのまかない飯は名物なのかな?



かしこまって見ると肩透かし。

もともと悪魔や天使が登場するB級テイストの映画はけっこう好き。
「ゴッド・アーミー」とか「クロウ」とか。
でも、もっとシリアスなオカルトものかと思ったのに違ってた。
マンガちっくで、確信的に宗教ネタをパロディって遊んでいる映画。
そもそもアメコミが原作らしいけど……。

「 コンスタンティン 」(2005年 米)
★★★★

【少しネタばれ】

タバコを20年以上吸い続けると、がんになる確率がぐんと上がるらしい…。
そういえば、最近、咳が止まらないし、体調もよくない…
タバコを止めないと命を縮めるらしいのはが分かっている。でも止められない…。
いや、止めなくても、自分だけは案外、長生きしちゃったりして…。
そんなヘビースモーカーの都合のいい願望をベースにした、
ハードボイルド・タッチな無敵ヒーローものってところか。

これ以上、書きたいこと書くと大きくネタばれしそう。
でも、一つだけ言わせて。

〇〇〇〇を免れるオチが某コメディ映画と同じ!
そこからはもうゲラゲラ笑い通しだったんですけど!

本当はもっと渋い俳優を主演に使ったほうがしっくりくる気がするが、
キアヌ・リーヴスは「マトリックス」シリーズよりこっちのほうが
似合ってて、かっこよく見えた。
というか、マトリックスを経て、こういう役柄も板につくようになった感じか。
それでもやっぱりラブシーンは似合わないと思うのだけど、
ラブシーンと呼べるほどのものもなかったので、安心したよ(笑)
この人のラブロマンスものはどうにも見ていて居心地が悪いもので。

エンディングロールの後におまけがあるので要注意です。
これ見逃したらもったいない。

2005年4月11日 (月)

私家版・魅惑のエロサウンド その11

自然に体がくねくねと動き出してしまう粘っこいノリと、
曲全体に漂う混沌としたいかがわしさがよいです。
というか、やっぱり70年代のオハイオファンクは好きだー!

Slaveの“Slide”

オハイオ出身の9人編成ファンクバンド、
スレイブの1977年のヒット曲。デビュー曲にして代表曲。

収録されているのは、彼らの1stアルバム『Slave』。
ジャケのデザインがインパクトあって、一度見たら忘れません。
しばらくぶりに引っ張り出して聴いたら、
パーカッシブなホーンとかハードロック風のギターとか、
やたら騒々しい曲が並んでいる割には、
たんたんとしたドラムとぶっといベースによるシンプルなグルーブが気持ちよく、
それほど暑苦しくなく聴けちゃった。

いや、十分に暑苦しいという意見のほうが多いかな…。

曲のアレンジ、そしてボーカルスタイルも、
少なくともこの1stに関しては、同郷のオハイオ・プレイヤーズの影響が濃厚。
しかし、スレイブはその後、ボーカルが男女デュオになって…。
そっちも評価が高いみたいだけど、
個人的にエロいと思う音の範疇からは遠ざかる。
思い入れ度の違いが大きいんだろうけど。

ともかく「スライド」は最高!



2005年4月10日 (日)

私家版・元気になる音 その20

セウ・ジョルジの「名古屋のエリコ」で思い出した。
この曲↓を聴いたときには吹き出したんだった。

Slim Gaillardの“Gomen Nasai”

イントロが中華風のドラの音で始まったと思ったら、
♪ごめんなさぁーい おはーよー ちょんぎうぉんごーうぉん
と、歌詞も日本語とインチキ臭い中国語とのちゃんぽんなのは、
仕方ないかもしれない。時代が時代だから。
歌詞を提供したのは日系人みたいで、スリムの発音はいいんです(笑)

ビリー・エクスタインばりの美声ボーカリストであり、
ギターをはじめさまざまな楽器や、タップダンスもこなすスリム・ゲイラードは、
音楽のジャンルとしては「ジャイブ」というものに分類されるらしいです。
私は写真の『Laughing In Rhythm:The Best Of The Verve Years』
(1950年前後の録音)のみしか聴いたことがないのですが、
バックを務めているのは、ベニー・グリーン、バディ・テイト、ベン・ウエブスター、
レイ・ブラウン、ミルト・ジャクソンなど、そうそうたるジャズメンたち。

収録曲は、陽気さにあふれたエンターテインメントな曲ばかり。
しかし、なかには冗談としか思えないようなキワモノ曲も…。
例えば「Serenade To A Poodle」は、

♪チップチップチップチップチップチップチップチップチップ カモン ワンワンワン
♪チップチップチップチップチップチップチップチップチップ カモン ワンワンワン
♪チップチップチップチップチップ(口笛) カモン ワンワン
♪セレナーデ トゥ ア プードル
(ときて、ブリッジ部分の歌詞は)
♪ハンバーガー チーズバーガー ハンバーガー、ボーンバーガー

はっきり言ってこんな歌詞には、苛つきすら覚えます(笑)。
「Soony Ronny」「Laughing In Rhythm」などの歌詞もかなり逝っちゃってます。
何語で歌っているのか定かでない曲まであります!
冗談音楽が多く含まれるので、安易にはおすすめしづらいのが難点です。
もしかしたら「くだらない!」とお叱りを受けるかも。
でも、ここまでやりたい放題というのは、やっぱり才能だと思うんです。
陽気さは武器になりうる。



2005年4月 9日 (土)

私家版・元気になる音 その19

DVD化されたら観ようと思っていた映画「モロ・ノ・ブラジル」が、
近所のレンタル店には入荷されなくてがっかりですー。
出演者の一人、セウ・ジョルジのライブシーンがあれば見てみたかった。

Seu Jorgeの“Carolina”

セウ・ジョルジは、次世代のジョルジ・ベン(ベンジョール)とも言われる
ブラジルのファンク・ソウル系のミュージシャン。
映画「シティ・オブ・ゴッド」をはじめ、俳優としても活躍しています。
5月に日本公開のウェス・アンダーソン監督作品「ライフ・アクアティック」にも出演。
ここでも歌を披露しているらしく(D・ボウイのカバー曲とか)、
今後ますます注目されていくのではないでしょうか!
最新アルバムが、今年は日本盤でも発売になったようですし。

写真のアルバム『Carolina』は、たぶんその一つ前の作品。
2001年にブラジルでリリースされた1stソロアルバムのUK盤とのことです。
たまたまラジオで耳にしたルー・ロウルズ似の声にピピッ!ときて
買ってみたら、良かった。
プロデューサーはビースティ・ボーイズなども手掛けたマリオ・カルダートJr.という人。
サンバやレゲエを中心に、80年代風ディスコなどいろんなダンスサウンドが
ミックスされていて、女性コーラス、ホーン、ストリングスなど編成はにぎやか。
楽しいアルバムです。
ブラジルではアルバム・オブ・ジ・イヤーに選ばれたらしいです。

親しみやすいのはミクスチャー色の強い1曲目の「Carolina」や2曲目あたりだけど、
繰り返し聴くと中盤の、6曲目や8曲目のミディアムなサンバ曲が
やはり一番しっくりときていて、味わいがあってよいなーと思います。

でもって、気になるのが11曲目の「Em Nagoya Eu VI Eriko」。
繰り返し歌われるサビの部分の歌詞が、なんと日本語。それも

♪さーよなら、エリコぉお、さーよなら、〇〇〇〇、どもありがとぉお

の〇〇〇〇の部分が、どうしても「bonsai(盆栽)」にしか聞こえない…。
なんだかオシャレ(笑)。曲もいいんですよ。
こんな曲をプレゼントされた名古屋のエリコさん、ちょっとうらやましい。
コンポーザーがジョルジ・ベンとあるけど、ベンのバージョンは聴いたことがありません。

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追記:後日、日本盤を買った知人に教えてもらった。
本当の歌詞は「バンザイ、Bom(とても)アリガトウ」とのことです。



2005年4月 5日 (火)

プロレス批評家がJポップを斬る!

雑誌「サイゾー」連載のJポップ批評コラムが単行本になっていました。
これ、痛快です。面白いです。

ターザン山本!の『音楽と意図 ヒットチャート考現学!』

どんな内容の本かといいますと、
「基本的に音楽にはまったく興味ナシ。
ここで紹介されているアーティストについての予備知識もナシ。
そんなターザン山本が贈る、偏見も計算も下心も邪心もない、
ナイナイづくしの純真無垢な音楽レビュー。」

(雑誌のコーナー紹介より)

思想書のような小難しいタイトルがついてるけど、
連載時のコーナー名は「ターザン山本流 音楽独談」。
編集者がその月々のヒットチャート入りの4曲をターザン山本に聴かせ、
ターザン山本が直感のままに感想を語るという対談形式のコーナーでした。
(今日書店で確認したら連載は終了したらしい。残念)

独自の視点で、ときに絶賛、ときにメッタ斬り。
興味がわかない場合には一言で片付けられてしまうのですが、
この一言も実に鋭く、おおよそは核心を突いているのでは?
Jポップ音痴の私が言ってもあまり説得力はないんですけど。

本当言うと、本は買っていません。やはりこういう流行り曲の批評は、
雑誌掲載時の、曲の鮮度の高いときに読むほうがだんぜん面白いものです。
でも、音楽好きには楽しい本だと思います。



2005年4月 2日 (土)

「春生」と「唯生」

話題の作家。前から少し気になっていたので読んでみました。
(ケチって最初はやはり文庫本から…。)
実は日本の現代作家の小説を読むのはダブル村上以来(!)
といっても等しいので、比較するものも何もないのですが、
とりあえず嫌いじゃないす。

『ニッポニアニッポン』阿部和重著

ニッポニアニッポン=「トキ」といえば、マスコミでの取り上げ方など
自分も以前はいろいろと思うところがあり、例えば
「とっととヤキトリにでもして食ってしまえ」といった残酷なジョークも、
(トキにうらみはありませんが) 友人と飛ばしたりしていました。
なので、この小説の前半部分の、主人公「春生」のトキに対する関心や疑問には
親しみを覚えつつ…。でも、そのトキの資料集め部分に多くのページを割いているため、
中盤から後半の展開は逆にあっさりしすぎているように感じてしまい、
物足りなさが残りました。

「萌え」という言葉が登場します。自分はいつもこの言葉を目にするたびに、
男女のギャップ以上の世代のギャップというものをひしひしと感じていたのですが、
若い世代特有のものではなく、みんな隠さなくなっただけかもしれないと
最近は思い始めました。とにかく今の日本の若者総ロリオタみたいな風潮は、
女の立場としては、もうこれ以上ヒートアップしないでくれよという思いです。
脱線です…。

あとがきによると、作家本人は三島の『金閣寺』と大江の『セヴンティーン』を
意識したそうですが、映画「タクシー・ドライバー」も彷彿とさせます。



『アメリカの夜』阿部和重著

読む順番が逆だったかも。こっちはデビュー作と後で気付きました。
それにこっちを先に読むと『ニッポニアニッポン』の主人公の名前の由来が
分かるような気がします。

大雑把な言い方をすれば、笑えて切ない青春ものなのだけど、
個人的には『ニッポニアニッポン』よりも面白かったです。

自分が「特別な存在」であることの確証がほしくって、
自分と同じ誕生日の有名人・偉人まで調べあげるのって、痛い、痛すぎる。
でも、とてもよく分かる(笑)。大抵の人が、そうやってジタバタしながら、
やがてなんでもないただの「人間」であることに価値を見いだしていくのでは
ないだろうか。…とか言いながら、私などはこの年齢になっても、
その「特別な存在」でありたいという呪縛から完全に解き放たれていません。
こうやって日記みたいなものをネットで公開しているのだから。
どこかで自分の存在を主張せずにはいられないんですよね…。

主人公の名前は「唯生」。この小説は、その唯生の頭に浮かぶことをノーカットで
書き綴ったような文体です。自身のことを客観的に見つめようとすると、
こういうふうに思いがあっち行ったりこっち行ったりしながら、どこまでも堂々巡りのような
考えに陥る感じはよく分かるし、「特別な存在」でありたいがために、
ついには「気違い」の次元を目指してみる唯生の行動も共感できるものです。

この作家さん、最後の最後に「はぐらかし」を加えるのが好きなのでしょうか?
たぶん深く考えるようなことではないのだろうけど、気になって後引く感じです。
本のタイトルはトリュフォーの同名の映画から。
なぜこのタイトルなのか、小説の中で説明されているのだけど、
その説明が私には難解すぎてよくわかりませんのです。



2005年4月 1日 (金)

英国の有名なユーモア小説

『ボートの三人男』ジェローム・K・ジェローム著

前に取り上げた『犬は勘定に入れません あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎』のモチーフになった小説。
仲良しの紳士3人がボートでのテムズ河下りで休暇を過ごす話なのだけど、
正確には犬も1匹(名前はモンモランシー)同乗しているので、 本の扉には
副題として「犬は勘定に入れません」の文字が添えられている。翻訳は丸谷才一。

中身はテムズ河周辺の観光ガイドを兼ねた、小説というよりエッセイ集の趣。
1889年に書かれた古い本なので、観光ガイドの部分は正直いって退屈。
でも、3人と1匹の珍道中と、エッセイ部分はユーモアたっぷりで楽しかった。
さんざん苦労してコンパクトな荷造りに成功したのに、
真っ先に必要なものを一番奥にしまい込んでしまってもう一度荷ほどきするはめになるとか、
何でも先頭に立って仕切りたがる人ほど周りの人間の手を煩わすとか、
共同作業では誰もが自分が一番の働いていて損していると思っているとか…。
国や時代が違っても、笑いの題材となるものには大して違いはないようです。

特にパイナップルの缶詰の章がおかしい。
河の真ん中で「さあ、缶詰を食べよう」となったとき、何が起きるか?
もうお約束なんだけど、嫌いじゃないです、こういう笑い。
やっぱり食べ物ほど人間の感情を揺さぶるものはないのでしょうか。
今回の万博の弁当持ち込み規制をめぐってのゴタゴタも然りですが。



『ヘンリーの悪行リスト』ジョン・スコット・シェパード著

こっちは今年出版されたアメリカの若手作家のもの。
出だしはとても面白かったのに、あっという間に失速。
アイデアはいいのに細部のつめが甘すぎて、チープな印象しか残らなかった。
巻末の解説には「フランク・キャプラ監督の名作の数々を現代に甦らせたかのような、
愛と理想に貫かれた心温まるヒューマン・コメディ」とあるんだけど、
自分としてはぜんぜん納得いきません。

でもまあ、作家・作品との相性のよしあしというのはありますから…。
どうもミステリーばかりを読んでいるせいで、予想外な展開がないとガッカリしてしまう習慣が
ついてしまったよう。

作者は映画のシナリオライターとしてデビューした人で、
この小説もすでに映画化が決定しているそうです。
だったら最初からシナリオとして書けばいいじゃないかと思うわけですが…。
映画のほうが、演出や役者次第でもっと面白くなるかもしれません。
ふた昔前ならメグ・ライアンがヒロインを務めそうなラブコメ小説です。



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