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2005年1月30日 (日)

またしてもヴィクトリア朝ですが。

メインタイトルにひかれて単行本を買ってしまった。
これも昨年の翻訳ベストミステリーに選ばれていた1冊。
正確にはタイムトラベラーもののSF小説で、
ふだん読まないから知らなかったけど、人気のある作家らしい。
舞台がロンドンなので英国人作家と思っていたら、米国の人だった。

『 犬は勘定に入れません
 あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎 』コニー・ウィリス著


時は西暦2067年。タイムトラベルの技術はすでにそれより40年ほど前に
多国籍企業によってほぼ完成している。
しかし、過去からは塵や空気以外、何も持ち出せないことが分かってしまい、
(なぜならその後の歴史に齟齬が生じてしまうから)
以来、タイムトラベルはお金にならない研究として、企業からはそっぽを向かれ、
酔狂な個人の資金援助に頼って、大学の研究室で続けられているのだった。

ロンドンでは、アメリカ人資産家のレイディ・シュラプネルが、
金にものを言わせ、第二次世界大戦で焼失したコヴェントリー大聖堂の
再建計画を自ら陣頭に立って推進中。これがまたえらく人使いが荒い。
主人公であるオックスフォード大学の史学部学生ネッド・ヘンリーは
その彼女の命令で、“主教の鳥株”と呼ばれる聖堂の花瓶を探し、
過去と現代を行ったり来たりさせられる……。


と、まあ(出だしは)そのような粗筋なのですが、
SFにとらわれることなく、単純にユーモア小説として楽しめました。
ヒューゴー賞、ローカス賞、クルト・ラスヴィッツ賞、イグノトゥス賞など、
さすが世界各地でさまざまな賞に輝いているだけあって、面白いです。
西洋史に詳しかったりするとますます楽しいんだろうなぁ・・。

主たるタイムトリップ先が19世紀のヴィクトリア朝で、
そのシーンがとりわけおかしい!
登場人物それぞれ個性があって生き生きと描かれているのがいいです。
しかし、人間以上に魅力的だったのが、
主人公が一緒にボートで旅をすることになるブルドッグ犬のシリルと、
貴族令嬢の飼い猫であるプリンセス・アージュマンド。
これぞまさに名脇役!
この犬猫2匹の登場場面は、
令嬢でなくても「かあいい」と黄色いプチ悲鳴を上げてしまいます(心の中で)。

主人公たちの時代、つまり2067年には、犬や猫は伝染病によって
絶滅動物になってしまっているという背景が効いてます。

SF、ミステリー、ユーモア、冒険もの、歴史もの、恋愛もの、動物ものなど、
さまざまな要素をもった、読み応えある小説でした。
本のタイトルは、ジェローム・K・ジェローム著『ボートの三人男』の
副題からいただいたものだそう。これはこれですごく面白いらしい。
さっそくショッピングカートに突っ込みます。



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